アリアちゃんなりに励ましてくれているのだろう。
配信は例の件をすぐに忘れて、無理やりゲームを楽しもうとしていた。
でも、心の傷というものは直らない。
だから、配信は集中しておらず記憶があいまいだ。
・・・配信も気付いていたら、終わっていた。
配信で疲れたというより、あの切り抜きを見て精神的に疲れた。
精神的な疲れは寝ることでしか、疲れは取れない。
しかも、作業してもこの精神上では高パフォーマンスの仕事はできないと承知している。
だからすぐに寝る。
私は、すぐに布団の中に入り込んだ。
目覚ましが鳴って、朝になっていた。
今日は仕事が休みで、気分は少しルンルンしている。
昨日のことは寝れば忘れてしまうため、私の脳は単純で好きだ。
ツイッターで、いろいろ動向を確認しようとしたら・・・
アリアちゃんのツイッターは大爆撃にあっていた。
通知が100通を超えており、カオスだ。
はぁ~。何があったし。
ツイッター上のコメントを遡ってみた。
:介護の人の気持ちを考えろ
:お前が底辺だw
:性格悪いね
:死ね
:クソが。
:お前が人間の底辺だ。
:許さねえ。
えっ、どういうことなの?
むしろ、かばっている感じだったけど、どうしてなんだ?
おそらく、これの切り抜きがあると思われる。
その切り抜きでも見ようか。
タイトル:『企業勢の切り抜きに続き、個人勢Vの切り抜き』
数々の個人勢Vが犠牲になっており、全員がチャンネル登録者数3~4桁でそこそこ伸びている。
スタンフォード・アリア 10:34と書かれていたので、そこまでジャンプした。
正直、恐怖と緊張が織り交ざっており、クリックする手が重たい。
でも、前見ないと。
アリアちゃんに認められない気がした。
「こいつらにいろいろ言う価値なんてないわ。
ずっと、私に従いなさい。」
この一言のみで、次のVにつながっている。
はあ~、ふざくんなよ。
これ、明らかに編集されているじゃん。
BGMが明らかにおかしいじゃん。
編集されていても、これだと介護士関係ってわからないじゃん。
怒りが先行してしまい、完全に思考がおかしくなりそうだ。
こんな時はこそ。例の秘密兵器を出すしかないな。
『どら焼きだ』
スケベな爺さんの平田さんの家族からいつも尻を触っている謝罪として、私に1箱10個入りのどら焼きを貰っている。
最初は家族がデイサービスに乗り込み、私に対していきなり土下座している。
認知症が強くて、職員に対してのセクハラを連発しているため、福祉施設全般でブラックリストとして入れている。
だから、唯一受け入れてくれるココがないと絶体絶命で家族は必死に頭を下げている。
ちなみにこの人の相手は私しか行っておらず、セクハラを受けている被害者である。
最初は嫌だと思うが、話していくうちにセクハラの回数が減っており、話せばわかる人だと思う?
セクハラの回数を減らしていくことに楽しさを覚えてしまっていた。
最近はセクハラを全く行われていないし。
施設のルールとして、患者から物を貰うことは原則禁止されているが・・・
家族は後をなかなか引かず、なかなかほかの職員も業務ができずに残業になっている。
そのため、業務妨害になるため運営会社に受け取っていいかと許可をもらった。
そのおかげで、月1回どら焼きが届くのだ。
これは私だけもらっているため、この件でこっそりと自信をもっているわけだ。
食費を3000円に抑えている私にとって、ありがたい非常食である。
どら焼きをパックと一口をたべた。
うまいわ。これで冷静になれた。
「冷静になれたわね。
まず、チャンネルの状況確認よ。」
アリアちゃんは自信をもって語ってくれた。
そうだ。ツイッターのみしか確認できていない。
チャンネルも荒らされている可能性がある。
まずはホームである。ここの整備だ。
アンチ系コメントは5個しかない。これらを消して違法報告した。
ツイッターからワンクリックしてからYOUTUBE突撃するのは大変なことだ。
このワンクリックの重みは、すべてのVが抱えている問題だ。
今はその重みに助かっているわけだが・・・
問題はツイッターだ。
どうすれば炎上がとまるのであろうか。
切り抜きをつくるしかないな。
編集されていることが伝わればいいじゃん。
「ふん。やめないのね
なんというかさ。認めざるを得ないわね。
こんなことは、気が弱いあんただったらできなかったでしょう。」
アリアちゃんなりに励ましてくれているのだろう。
うまく励ましきれていないのが、微笑ましい。
「当り前じゃない。視聴者と最低2年間やると約束したからね。
こんな理不尽にまけないわよ。
無罪を勝ち取りに行くわ。」
「最初は、自分の為って言ってけどさ。
本当は、人のために動くのは不器用で、笑ってしまう。
でも、嫌うじゃないわ」
アリアちゃんは照れており、かわいい。
表現はうまくできないらしいのかな。
切り抜き作るぞ!!
切り抜きを作る癖で、いつも届く水饅頭さんのメールを開いてしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます