第8話 北部探索

猫娘の件から数週間。師走の終わりに近づいて新年にかわろうとする時期だった。a班は研究所を探すべく北方にいた。

「にしてもさむぅ!」

黒瀬は黒いコートに体を丸めてガタガタ歯を震わせていた。


「黒ちゃん動かないと塹壕足になるよ。」

ネイサンが言う。


「わかってる」

黒瀬は足をバタバタさせた。


「おいおいうるさいぞ黒瀬下手なタップダンスはよそでやれ」

ジョンが言う。


「暖房炊いても寒いですね」

星野が言う。


「これは軽装甲車であっていい車とは言えないな」

ジョンが言う。


「そういえば情報活動でc班も来てるんじゃないのか?」

黒瀬が言う。


「多分今頃北方にあるシステム全部ハッキングして監視カメラとか操作してるじゃね?」


ネイサンは言い監視カメラに手を振る。

「それって違法では?」

星野が言う。


「軍の捜査だから多少は許させるそれに、猫娘の件だ新城からは許可をもらってる何かしでかしたら新城に言っといてやれ今の特務隊は研究所を突き止めなければいけない。それに私が許可した」

ジョンが言う。


「結局あいつは研究所を知っているのか?」

黒瀬が言う。


「いや新城は何も知らないと」

ジョンが言う


「あいつは何か隠してやがる信じられねぇな」

黒瀬が言う


「とりあえずどこ向かいますか?」

星野が言う。


「このハズレの小さな村の山奥に家があるそこに向かってくれ」

黒瀬が地図を星野に見せながら言う。


「なぜそこにするんだ?」

ネイサンが言う。


「今回は探索だ。だがガイドなしでは無理だ。で俺の知り合いのガイドに会いに行ってガイドしてもらうことにしてもらった」

ジョンが説明した。


「黒瀬さんに知り合いいらっしゃるんですね」

星野が見下すように言う。


「ってなんだその言い方,まぁ俺が開拓使の時だから400年前くらいか?」

黒瀬が言う。


「ってそのガイドいくつだよ。まさか異世界人?」

ネイサンが言う。


「不老の遺物を食べたらしくて今や冒険者ギルドの中では会長を務めてるだってよ]

黒瀬が言う


「すごい方なんですね」

星野が言う。


車を動かして1時間、黒瀬が言った目的地に着いた。

「多分あそこの家だ」

黒瀬が指し示したどうり村のはずれに家があった。

「なんで一人なんだ?」

ネイサンが言う。


「冒険家って変わったやつ多いからな」

ジョンが言う。


「この村もだれも住んでなさそうですね」

星野が言う。


「それより早く行くぞ」

黒瀬が言う。


4人は家のドアの前まで来た,黒瀬はドアを叩く。ドアを開ける様子はなかった。


「留守なんですか?」

星野が言う。


「だったらこじ開けるか?」

ネイサンは爆薬を取り出す。


「おいおい家ごと吹っ飛ぶぞ」

黒瀬が言う。


「おい俺だ黒瀬だ,覚えてるか?一緒に冒険したの?」

黒瀬が言う。

数十秒ぐらいだろうかたたった後だろうが,家の中から足をとがこちらに近づいてるのが聞こえて感じた。そいつはドアをゆっくりと開けるドアの軋む音を鳴らしながら、そいつは姿を表す。女性で,体質は身長は星野,黒瀬,より大きいバレー選手ぐらいだガタイは筋肉質なのか肉付きがよく細身ではない。

「久しぶりだな,最後に冒険したの400年ぶりだったか?」

黒瀬が言う


「そうだねぇ,いつだったかね。それより前よりあんた小さくなったんじゃいないか?」

もっさりとした女性としては見られない低い声質だった。日本語は喋れる。


「お前がデカくなっただけだわ。紹介する。こいつが冒険者のバスリだ」


「あぁよろしく」

バサリは軽く会釈した。


「車できてるのかい?ならそこに止めたらいい」

バスリが言う。


「じゃあお言葉に甘えて,星野持ってきてくれるか?」

ジョンが言う。


「了解しました」

星野が言う。星野は装甲車に戻った。

「寒いでしょう中に入りなさい」

バズリはそういい3人を中に招いた。

星野は装甲車に向かってる最中小さな男に出会う。その子は学校でよく見た。二宮金次郎像のように巻を背負っていた。

「君この村の子?」

星野が言う。


「はいそうですあそこの家です」

小さな男の子はバスリの家を示していた。

「乗るかい?」

星野が言う。


「いいえ後もう少しなんで」

男の子は言う。


「でも私バスリさんの目の前まで車停めるんだけど乗らない?」

星野が誘う。

「バスリ様のところまで行ってくださるのですか?」

男の子が言う。


「うん。乗っていいよ」

星野は装甲車に小さな男の子を乗せた。


「すいません乗せていただいて」

男の子は軽く会釈した。

「いいの私達もバスリさんに用事があってきたんだから」星野は説明した。


「えっと君の名前はなんて言うの?」

星野が聞く。


「私はバスリ様の使用人であり一番弟子のニーノと申します」

ニーノは自己紹介した。


「私は星野。西の方から来た」

星野も自己紹介をした。


「西の方ですか私はまだ行ったことはありません」


「ここよりあったかくていいよ」


「そうなんですねいつか行ってみたいですね」


「なんでバスリさんの弟子なったの?」


「弟子っていうより身寄りがなかった私を助けてくださったのがバスリ様です」


星野とニーノはバスリの家に戻った。

「ただいま戻りました」

ニーノが言う。後ろに星野はついてた。


「お帰りニーノ体を暖めてから仕事をしなさい」

バスリが言う。

「わかりました」


ニーノは背負子を置きドアの手間におき自分の部屋へといった。星野はリビングの椅子に座った。

四人も椅子に座ってあったかい飲み物を飲んでいた。

「貴方にも出すね」

バスリはキッチンへと向かう。


「すいませんありがとうございます」

星野は一礼をする。


「なんの話をしていたんですか?」

星野が聞く。


「あぁ黒ちゃんの過去話や依頼について話し合ってたよ」

ネイサンが言う。


「いやぁ黒瀬との女性関係とか過去の話し聞けたしね」

ジョンが言う。


「星野に言うなぁ!それを!!!!」


「どんな話なんです?」

星野が食い気味に聞いてきた。

「お前も聞くな!!!」

黒瀬は一喝した。


国境付近に行きたいのねー」机には国境付近を網羅した地図を広げてバスリは考えるように言う。

「難しいのですか?」

星野が言う。


「難しいって何もここまで国境は後退してるんだよねぇー」

バスリは地図に指を指す。


「後退してるって?攻められてるんですか?」

星野がバスリに聞く。


「それは軍の人に聞いたらどうなんですかねぇ?」

バスリはジョンに向かって言うように呟く。


「たしかに北方からの戦闘民族による侵略でここ20年で5マイルつまり,8キロ後退してる。この地図から計算するとここまでが今の国境だ」

ジョンは地図に指す。


「私らが行きたいのはここからずっと北のここ」

ジョンは地図に何も記されて無い所指した。


「何かあるんですか隊長?」

星野が聞く。


「ここには廃村がって昔研究で使われてた。今回はそこに見に行く」


「待て待て,その位置って今じゃ国境外じゃないのかよ。国外派兵になるぞ」

黒瀬が言う。


「たしかに」

ネイサンが言う。


国外派兵には我々の西方陸軍司令長官と太政大臣と西方皇太子からの許可が必要である。


「だが特務隊は別だ」

特務隊は軍とは別に独自に行動ができる。特例措置されている。が軍の任務実行中であれば特例は別になる。特務隊のいいところである。


「つまりこの任務は特務隊独断専行ってことだな?」

黒瀬が言う。


「そうだ。もし捕虜になったら戦時国際法は無効だからな」

ジョンが言う。


「捕虜かならずにそして生きて帰ることだろ?」

ネイサンが言う。


敵がいるかわからない国境外の廃村に向かうことをバスリに伝える。


「いいけど代金は高いよ。行くなら明日だね。今夜はここに泊まって行きなさい」

バスリは言う。ニーノを呼ぶ。


「ニーノ。客人に今夜のご飯を作って差し上げなさい」

「わかりましたバスリ様」

ニーノは飯の支度し始めた。


「私も作るよ」

星野はニーノのそばによる。


「客人なのでゆっくりしてください」

ニーノは言う。

「うん、いいの一緒に作ろ」

「はい」

「俺もやるぞ」

「黒瀬さん!?」

黒瀬は黒シャツをたくし上げていた。


「じゃあ俺は窯に火をつけるよ」

黒瀬はさっそく窯に火をつける支度をした。

「黒瀬様はバスリ様とどこで知り合ったのですか?」

ニーノが言う。


「まぁ400年前だけど鮮明に覚えてるよ。俺が西方開拓使隊長であいつが北方だった。」

黒瀬は語り出す。


「開拓っても開墾したり移民政策とかはしなかった。なぜなら,異人が多くてな西方はとくに多かった。俺は毎日毎日いろんな異人が住む国々をままわって生活,宗教,兵器,環境などを調べた。それを中央部に毎週提出するんだ。その時に北方担当のバスリとよくあってな。バスリは北方に地熱発電やダムなどを建設するなどの報告してた。バスリと意見交換もしたし、誘いで北方にも出向いたこともあった。一緒に酒を飲み交わしたし,開拓者の頃は楽しかった。」


「開拓使廃止になってからはあってなかったな。」

黒瀬は言う。


「火も焚けたし,調理していくか?」

黒瀬は言う。


「なんなら野菜を切ってもらっていいですか?」

星野が言う。


「わかった切ってやろう」

料理は順調に進んで早く終わった。


料理は余ってあった食材をうまく調理したものであった。肉と野菜を入れた煮込みスープ。肉の串焼きに,余した食材を入れたポテトサラダ。の三品だ。





食事は全員で長方形テーブルに椅子に座って食べた。バスリの隣に黒瀬が座っていた。黒瀬とバスリは思い出話で盛り上がっていた。こっち四人も盛り上がっていた。

「ニーノは将来何になるんだい?」

ジョンが言う。


「はい,師匠みたいな冒険家になることです」

ニーノが言う。


「かっこいいねぇ〜俺も自由に生きたかったな」

ネイサンが言う。


「ネイトさんと隊長はなぜ軍隊に?」

星野が言う。


「まぁ色々だな。私は軍人家系だったからまぁ仕方なく。まぁ祖父,父共に下士官だったしでも階級で超えられたって自慢できる」


「祖父となると第二次大戦ですか?」

星野が言う。

「そうだが安心しろ,欧州戦線だ。ドイツと戦ってた。日本人とは戦ってないさ。父はベトナム戦争で私は湾岸戦争ってところだな」


「俺も9.11があってから入隊したけど、何も変わらなかった」

ネイサンが言う。


「軍人ってなんですか?」

ニーノが言う。


「人と国を守るのが仕事かなそれが軍人ってやつさニーノみたいないい子はなっちゃダメだぞ〜」

ネイサンは言う。


「はい」

ニーノは微笑んで返事をする。


「いい子だね。いくつなんだい?」

ジョンが言う


「9歳になりました。」


「9歳かうちのこと一緒だな」


「隊長ってお子さんいらっしゃるのですか?」


「もちろん既婚者だよ。」


「あれ星野知らなかったの?」

ネイサンが言う。


ジョンはポケットから革製できたフォトフレームを取り出した。


「これうちの娘」

写真を星野とニーノに見せた。

「可愛いお子さんですね」

星野は言う。


「だろーとくに目のあたりが似てると思わないか?」

ジョンは言う。


「似てますね」

「似てると思います」

ニーノと星野は言う。


「よしバスリ。飲み比べ勝負だ」

黒瀬とバスリは盛り上がっていた。


「ちょっと待って酒を持ってくる」

バスリは立ち上がり、酒を置いてあるところへ行った。

「おい黒瀬,あまり飲むなよ?」

ネイサンが言う。


「なんだネイト、俺は平気だ」


「酒,飲めないくせにな」

ネイサンが言う。


「吐かない程度にな」

ジョンが言う。


「持ってきたぞ黒瀬」

バスリが酒を持ってくる。


四人はそそくさと去って明日の準備をする。


国境までは雪深いため,そりで進軍する。

「あゝ〜〜頭いたい〜気持ち悪い〜目が回る〜」

黒瀬は先頭を歩きながら黒瀬は言う。


「だらしないぞ,クロちゃん。バスリを見てみろ」

ネイサンは言う。


ネイサンが言ったどうりバスリは二日酔いに悩まされていない顔だった。


「あんた、まだまだだったな」

バスリが顔を後ろに向いて黒瀬に言う。


「うるせぇお前が上戸の化け物だけだ。俺は普通より上だ!」気分悪そうにして言う黒瀬


「hahaha,【大人しく負けました】って言ったらどうだ黒瀬」

ジョンが言う。


「バスリさんに勝ったことあるんですか?」

星野は言う。


「一回もない。いや何回か記憶が飛ぶぐらい飲んだことあるからわからない」

黒瀬がいう


「次こと絶対に勝つからな覚えてろ」

黒瀬は言う。


「星野様。バスリ様と黒瀬様は何を言い争ってるのですか?」


「あぁうーん大人になったらわかるよ」

星野は苦笑いしながらニーノに言う。


突然先頭にいたバスリが足を止める。

「どうしたバスリ」

ジョンが言う。


隊の目の前にビックサイズの足跡が西から東へと向かい藪の中に入っていたのが確認された。

「なんの動物ですか?」

星野が言う。


「デケェ動物なんでしょ?」

黒瀬が言う。


「いやこの足跡。バジリスクかもしれない」

バスリが言う。


「幻獣じゃんそれにあれ蛇だろ?」

黒瀬が言う。


「まぁここでは獣だ。蛇ではない。2、3メートル以上はあるねぇ」

バスリが言う。


「まじかよ」

ネイサンが言う


「足跡からにしてまだ新しいな」

ジョンが言う。

軍隊経験者での予想である。


「ここらへんうろついてるってことか?」

ネイサンが言う。


バジリスクの習性は群は作らず,単独行動である。雑食で木のみが主食である。秋には川魚で冬は鹿や小中動物を襲う。


「人は襲うのかい?」

ジョンは言う。


「バジリスク次第,腹が減ってたら襲うね」

バスリは言う。


「とりあえず国境付近まで歩いて急いで廃村に入ろう」

ジョンが言う。


バスリは先頭を走る。板を滑らせ 坂を滑降する

ストックを巧みに使いこなし,前に行く。


後を追うように必死になってついていく特務隊員とニーノ。昼前ぐらいだろうか,目的地まであと半分ぐらいのところで小休止をすることにした。


保温用の水筒に入れたコーヒーをみんなで飲んだ。

「ニーノと私はこれだね」

と星野はニーノにココアが入ったコップを渡す。


「ありがとうございます」

ニーノは言い。星野からカップを受け取る。


星野もニーノの近くに座る。

「大丈夫?寒くない?」

と声をかける星野。


「大丈夫です。星野様が入れてくれたココアであったまりました。」

ニーノは言う。


「様なんていいよ」

星野は言う。


「いいのですか?」


「うんいいよさん付けで」


「じゃあ星野さん」

と二人は仲良く談笑していた。


「こりゃ明日筋肉痛だよ」

ネイサンが言う。


「軍曹が何へばってるんだ?」

とネイサン元へ来た黒瀬。


「お,来たなクロちゃん。二日酔いは治ったのか?」言うネイサン


「見ての通りだネイト,ピンピンしてるだろ」 


黒瀬はその場でジャンプして踊る。


パウダースノーが倒れた木に腰掛けているネイサンの全体にかかる。


「やめろやめろ雪かかるおい!」

ネイサンは手で雪を救い黒瀬の頭にぶん投げた。


「冷た!!!?!」

驚く黒瀬。予想はしてただろうと思ってたネイサンだが予想以上の驚きに笑う。


「オメェーも食いやがれ!」

まん丸に作った雪玉をネイサンに投げる。がネイサンは軽くいなす。


「なんだと!?」


「黒ちゃんも意外と反射神経遅いんだね」


「うるせぇ手加減してやってんだ」

逃げるネイサンを追う黒瀬。


「おいおい静かにしろって,雪合戦しに来てねーんだぞ」

ジョンが言う。注意はするが止める気はない。

二人が争ってるところを見たいからだ。

「今日の午後には到着する」

バスリは地図を見ながら言う。


隊は再び前進する。厚い雲が太陽を遮り、始める。動いてるせいかそんなに暑くないが疲れが出て来た。山を登りき,平地が見れた。そこに廃村はある。

「あそこだね廃村」

バスリが言う。


「いつから廃村に?」

ジョンが言う。


「結構最近だ。バジリスクと戦闘民族の襲来によって、村人は逃げたよ」


「ふーん今日はあそこに泊まるのかい?」

黒瀬が言う。


「だなこの時期でも凍傷しないで過ごせるぐらいの装備は持ってるからな心配するな」

ネイサンは言う。


「だったら安心だな!?」

黒瀬が言ってる同時に,プロペラ音が聞こえて隊の頭上を何かが飛んだ。

「リーパーだ!!」

ネイサンが叫ぶ。


「何リーパーって?」

黒瀬が言う。


「無人機だ,敵のか?」

全員は草むらに隠れる。

「まぁサーマルセンサーあるから無意味なんだが」

ネイサンが言う。


「多分あれは,うちのだ。多分c班だ」

ジョンが言う。


西南司令部内 【リーパー操縦室】

   「特務隊a班確認できました」

 ウィルがモニターで操作しながら言う。

「いたいた誰か手振ってるね黒瀬くんかな?」

操縦士の佐々木が言う。


「あそこにミサイル撃ち込んでいい?」

更科が言う。


「ダメだよお嬢。みんな死んじゃう。今回の目的は研究所探すことだからあまり戦闘はよくないよ」


「じゃあ街全部の建物に撃てば早く見つかるだろ?」


「そうゆう問題じゃ...とにかく戦闘はダメ,ミサイルもダメ,殺しちゃダメ」


「わかったわよ今回は我慢してやるわ」

心の中でほっとする佐々木,

「廃村一体捜索できるか?佐々木?」


「後ろからフェイクが指示をする」


「この一帯。八の字飛行します。ウィルセンサーで撮影して」


「了解大尉」


ウィルはリーパーに備え付けてある。サーマルセンサー起動して,あたりを見回す。


「森林だらけですが熱源反応なし廃村にも反応なし。a班から無線です」

ウィルが言う。


「こちらcliff頭上偵察ご苦労,反応はあるか?」


「こちらレックス反応は確認されていないもう少し飛んだほうがいいか?」


「その必要はなし」

「了解」


無線はここで切れた。

「とりあえず中高度まで上がって街の捜索に戻る」

「わかった佐々木。後は頼んだぞ」

リーパーはa班に見えるような形でバンクを振った。そして,街の方に向かって飛んで行った。



a班は今夜,廃村に泊まることにした。廃村と言うから,竪穴式住居だと思っていたがだいぶ違った。コンクリート造りだったがヒビが入ってたりで,廃村の中で一番丈夫そうな建物に泊まることにした。

「にしても水もガスも電気も通ってないし吹き抜けじゃん」

黒瀬が言う。

「だって廃村だよないのが当然じゃないの?」

ネイサンが言う。


「しかしよ隊長,研究所なんて何処にもなじゃありませんか,次はどうするんです?」


「研究所らへんはもう少し北だ」

ジョンは言う。


焚き火をして,隊は火を囲んだ。

「いや〜あったかいですね〜」

星野は両手を火に近づかせて暖をとる。ニーノも星野の真似をする。


「よし今日の飯はなんでも串焼き」

黒瀬は言う。そして串刺しにしたソーセージを火に近づける。


「これはぜってぇーうめぇー」

ソーセージを焼きながら言う。


「酒持ってきてないのかい黒瀬」


「今は仕事中だ飲まないねぇよ」


ソーセージに焼き目がつき,肉汁が出始めたあたりで,黒瀬は熱々のソーセージを口に入れる。

「うめぇーー!!」

口をはふはふさせ黒瀬は言う。

「どう俺にもくれよ」

ネイサンが欲しがる。


「全員分あるからしっかり食えよ」


「マシュマロもあるけど食べる?」

ジョンが言う。


「食べますー」

全員が答える。


まるでキャンプに来たような気がした。平和な時間である。談笑して,酒が有れば申し分ない。がこれは仕事である。泥酔するわけにはいなかった。

「なんか感じないか?」

黒瀬が言う。


「なんだ?」

ネイサンは言う。


「なんかこっちに来る気配がする」


この建物は5階建てで今は2階にいる。出口に黒瀬とネイサンが近づき銃を向ける。

「黒瀬,何人だ?」

ジョンは言う。


「いや,そんなに多くはない」


「ニーナとバスリさんは離れて,」

星野は言う。


しばらく待つそうして痩せほせた男かがきた。

「何もんだオメェ?」

黒瀬は言う。


「私はこの村の人です」


正体は痩せほせた村人である。この村人を招き入れ、話を聞くことにした。毛布を肩にかぶらせ,ソーセージや携行食。食後にマシュマロも差し上げた。

「んで村人さんよ何故ここは廃村に?」

黒瀬は村人に聞いた。


村人は火を見つめ語り出す。

「あれだよ君たちも見ただろ?化物が来てから全てが終わった。」


それは多分。バジリスクだと皆は思った。

「皆はこの村を去る者がいたが去ったものは化物に食われ,残ったものは蛮族によって殺されたもうどうしようもない」


「残ってるのはあんただけか?」

「まだ何人か残ってるかもしれない。自分のことで精一杯だ」


「なるほどなぁ」黒瀬はタバコに火をつけて吹かす。

「お前も吸うか?落ち着くぞ?」


村人にタバコをお裾分けする。村人もタバコを吸った。

「戦闘民族は定期的にこの場所に来るのか?」

ネイサンが言う。


「えぇ我らの食料を奪い来るのです。最近はあまり来てないのですが」

「冬籠ですかねぇ?」

星野が言う。


「この週は天気が落ち着いてるし,2、3日雪も降っていない。」

バスリが言う。


「襲うならなら今日か明日ってことだな」

断言したジョン隊長。


「なぁ村人この辺に研究所みたいな建物あるか?」


「あっちの山の向こう蛮族たちがいるあたりにあるらしい。」


「俺は見たことはないが,あの研究所ができたうわさを聞いてから蛮族とかが襲ってきた気がする。」


「研究所で何かしてたと言う噂は?聞いたことあるか?」

「いや聞いてない。この辺に研究所は珍しいと思ったぐらいだ」


「この研究所関係ありますかね?」

星野が言う。


「とりあえず,研究所より蛮族を倒さないとな?」

ネイサンが言う。


「何人ぐらいだ?」


「100人くらい?もっと多いかもしれません」

4人はざわめく。


「100人って,4人では厳しいんでは?」


「出来るだけ4人だけで戦うしかないな」


ジョンは自分の小銃を手に取り立ち上がる。

「案は一応ある。任せとけ」



戦闘民族はジョンの予想に通り,廃村にやってきた。時刻は夜中の2時,月は新月。夜戦にもってこいかもしれない。戦闘民族の武装は槍や剣,などの中世ぽい武装だった。毛皮を纏い,カブトを被ぶっていた。


「隊長どうりやれば勝てますかね?」

星野が言う。


「全力でやれ死にたくなければなそれにお前は女性だからな」


「?どうゆう意味ですか?」

黒瀬は言う前に無線が入る。


「予定通り村に入れろそこから黒瀬頼んだ」

戦闘民族はあたりを手当たり次第荒らす。彼らも食べ物に困ってるからだ。略奪を繰り返しているのだろう。

「黒瀬は場をかき乱せ」ジョン隊長からそうゆう命令であった。


「また俺,先陣かいな」


黒瀬は戦闘民族に近づく,正面から隠れもせず,堂々とした立ち振る舞いで歩く。

戦闘民族は足を止める。黒瀬の方をじっと見つめる。

黒瀬も足を止める。

一瞬の間,暗闇の中で睨み合いがあった。

先に手を出したのは黒瀬だった。黒瀬は刀を抜き,真っ直ぐ戦闘民族の軍団に走った。

軍団の手前で高く跳び,リーダーらしきの物に飛びついた。

リーダーらしき者は黒瀬の衝撃で倒れた。黒瀬はそのまま刀をリーダーらしきの者の首にに刺した。


暗闇の中リーダーの血飛沫が黒瀬の服についた。あっという間の出来事であった。

取り巻きたちは唖然としてリーダーが殺されるまでの間は動けなかった。黒瀬は立ち,取り巻き2、3人を切り倒した。


「こい野蛮人ども!俺が全て殺してやる!!」

黒瀬は言い暗闇の中に消えていった。黒瀬を追う者が何人がいた。だが思惑と違った。戦闘民族はバラバラに散った。


「おいそんなについてきてないぞ」

黒瀬は無線で言う


「わかった後は遭遇戦だ各員気を付けろ」

ジョンは無線で言う。


黒瀬が連れてきた戦闘民族は,待ち構えてたネイサンのm249分隊支援火器が火を噴く。ガタイのいい戦闘民族がドミノ倒しのように倒れていく。


「10人20人じゃあ,つまらないな」

ネイサンが言う。


「ネイト!敵は散開してる。気を付けろよ」

黒瀬は去りながら言う。


「お前も気を付けろよーって聞いてないか」

ネイサンは言う。いったそばから戦闘民族が3人ネイサンの目の前に現れたがm249で撃つ。そして倒れる。それがエンドレスに続く


「あと何人いるんだ」

星野もだいぶ苦戦していた。

星野は戦闘民族の男に襟を掴まれたが銃剣で男の

盲腸あたりを刺して左から右手と指しながらスライドさせた。男は手を離し腹から腸が出てきた。それを必死になってしゃがんで抑える。星野はそのままuspを使って男の頭を撃ち抜いた。顔や戦闘服に血がついたがそんなのは気にしてられない。


ジョンも何人か撃った。数えてられないそう思う。廃村のどこかで黒瀬の雄叫びが聞こえる。

「クソォまだいる」出てきた戦闘民族に撃つ。

走っているとジョンは星野と合流した。

「撃つな。私だ。ジョンだ」

「隊長無事でしたか」

星野の戦闘服は上半身から下半身にかけ血がついてたコーヒーこぼして服についてたように。

「あぁなんとか服大丈夫か?」


「接近されてナイフでやったんですか血が」


「君が無事でよかった」

また雄叫びが聞こえた。


「これは黒瀬さんですかね?」


「いやさっきよりかはでかいまさか?」


「おいネイト。バジリスクを確認できるか?」

無線でやりあうジョン。


「いや、見てないさっきの雄叫びバジリスクなら相当でかいぞ」


「やばいこっちに来る」

黒瀬が言う。


「どっちにいる?」

ネイサンが言う。


「北西の外れネイトは?」

gpsで黒瀬の位置を確認するネイサン。


「黒瀬,この位置までバジリスクを持ってこい」

黒瀬に指示をした。


だがそう簡単には近寄れなかったまだ戦闘民族が残っていた。

「邪魔だ!!!!」


黒瀬は戦闘民族をバッタバッタと叩っ斬る。

ネイサンも走りながら腰打ちで対処した。

ネイサンは走っていると,向こうから走ってくる

人が確認できた。

「おい黒瀬!!」

ネイサンが言う。


「逃げろバジリスクがきてる」

黒瀬の後ろには厚い毛皮で顔はドラゴンや爬虫類に近い顔つきをしていた。

「待ってろ撃ってやる」


残りの弾をバジリスクに当てた。が貫通したようには見えなかったそれよりかは弾き返してるように見えた。

「5.56じゃあ貫けねぇ」


「いいから走れネイト」


2人は走る。ネイサンの言われたどうり廃村の中央までおびき寄せた。バジリスク。

「準備はできているか?」と無線で言うジョン

「準備完了だ」

ネイサンが言う。


バジリスクは叫んで火をあたりに吐いた。

近くにいた戦闘民族に火が移り必死に消そうとする戦闘民族だがバジリスクが吐いた火は雪に擦り付けても一向に消えなかった。暗かった廃村が火に包まれこの一帯だけ明るくなっていた。

「ナパーム以上の燃焼火力か」

ジョンは言う。


「全員離れろ,火が移らなくても酸欠で窒息するぞ」無線で言うジョン。


バジリスクはずっと火を吐き続けた。逃げ惑う戦闘民族。パニックなってる時に4人は戦闘民族に対して銃で撃った。もう後はバジリスクだけになった。

「いまだネイサン」


ネイサンはスイッチを押し,《ドカン》と言う轟音と共に,バジリスクの近くにある,五階建ての建物を爆破した。ネイサンの計算通りにバジリスクの方に倒れていき,バジリスクの動きを止めた。

「この後は隊長?」


無線でとう黒瀬。

「いやそろそろくるはずだ」


「こちら【Owl】応答願う」

それは佐々木の声だった。






それは佐々木が操縦する無人機リーパー【死神】

だった。

「あのでかい怪物にぶちかましてやれ」

黒瀬が言う。

「了解」


     リーパー 操縦室

「目標バジリスク,レーザー照射ターゲットロック」

「ターゲットロックよし」

「武器安全装置解除」

「ウェポンセーフよしヘルファイヤ発射態勢よし」

「発射5秒前,4、3、2、1、発射」

佐々木はミサイルを発射した。

「飛翔時間10秒、、、、5。弾着今」



バジリスクの背中に1発のミサイルが撃たれた。


致命傷とはいたらなかった。


続けてもう一発のヘルファイヤが撃ち込まれた。


リーパーのセンサーでも倒せてないとカメラで確認できた

「あと2発ダブルタップ」


「ダブルタップ ヘルファイヤ発射」

2発のヘルファイヤが発射された。

「弾着、、、今」


2発のヘルファイヤが撃ち込まれた。さっきよりかは大人しくなったバジリスクだが死んではなかった。

「ヘルファイヤ残弾なしレーザー誘導弾に切り替える」

「了解」



「全員レーザーでバジリスク照射しろ,誘導弾を落とす」

ジョン言う。


4人はレーザーを照射した。


「レーザー照射確認誘導弾いつでもいけます」


「誘導弾投下 弾着5秒前,弾着今」




ズドンと大きな音と衝撃波が4人を襲う。

バジリスクは倒れ,死んだかに思える。

4人はバジリスクを確認する。ピクリとも動かなかった。戦闘民族は廃村にはいなかった。

「一応勝ったんですね?」

星野が言う。


「あぁ勝ったな」

廃村はリーパーによる火災とバジリスクの吐いた火によって日の出まで明るかった。

「みんなぼろぼろだなでもみんな生きててよかった」

ジョンが言う。


「俺は不死身だ死なない」


だが皆軽傷であった。各人に付与されている救急品を使った。

4人はそのまま研究所向かった。

バスリとニーノは無事だった。またバスリを先頭にして研究所を目指す。

村人言ってた研究所に近づく,ニーノとバスリは置いていった。4人は研究所に入るが誰もいなかった。建物は廃墟と化していた。ものけのからだった。研究に使う道具や研究成果などの資料。何もなかった。研究所だと決めつる証拠は何一つでなかった。

「こんなことあっていいのかよ」

黒瀬は落胆する。


「おいあいつに騙されだけじゃないのか?」


「村人が言ってたんだそう怒るな黒瀬」


「村人を信用するのか?あいつだって見たことない言ってたんだ。違うか?隊長はどうなんだ?」


「そう簡単には見つかるとは思ってはいなかった」


「簡単にだ?!,じゃあ無いと予想してきてたってことかよ」


黒瀬はジョンに詰め寄る。そこにネイサンと星野が止める。


「研究所は見つからなかったし危うく死ぬところだったんだぞ!!それをも想定内だったのか?えぇ!?何か行ってみたらどうだ?!!!」


胸ぐらを掴む黒瀬体格差はあるが、今の状況であれば覆せた。


「おいやめろ!黒瀬も怒るなよ。この任務は簡単には終わらない。多少の犠牲は必要なんだ」

ネイサンが言う。


「お前もジョンの肩代わりか?そうだよな同じ米兵だもな」

黒瀬が言う。


「わかってくれ黒瀬,お前の力が今後も必要になる。ほぼ無駄足になるかもしれない」


「無駄足だ?そんなのはわかっている。新城がデマを流して,その話に乗っただけじゃ無いのか?」


「ただ人を殺したいために新城は手段は問わないぞ!平気で嘘をつく,自分は手を汚さない」


「そんな奴のためにここに来て戦闘民族を殺して,化物を駆逐してあいつや隊長も満足なんだろ?」


「黒瀬さん言い過ぎですよ何も殺したいわけで..」


「黙ってろ星野!!」


「隊長だってあいつに利用されて,利用価値がなくなったら死んで終わりだ,この特務隊も星野お前もみんな死んで終わりだ」

星野は黒瀬に近づく。


「黒瀬さん.....」

星野は言い右手で黒瀬を平手打ちをした。


「少しは落ち着いたらどうですか?私は人を殺したくて軍人になるためにこの世界に来たわけではありません。元の世界に帰るために日常を取り戻すため私は信じて戦います。一人になっても戦います」

星野は目に涙を流しながらそう言う。


「星野。いづれお前もわかる時が来るはずさ」

黒瀬は研究所から出た。


「しばらくしたらまた声をかけよう」

ネイサンが言う。


黒瀬は外に出て頭を冷やした。バスリとニーノが外で待っていた。

「どうした黒瀬」バスリが心配する。

黒瀬は何も言わずに,ただそこにあぐらをかいて座り込んだ。

「なにふてくされているんだい?」

バスリが聞く。

黒瀬は聞く耳を持たなかった。首をそっぽへ向ける。

「あんた何百年生きても変っちゃいないね子供のままだな」

バスリが笑う。


「俺は子供じゃない。このままいけば全員死ぬ。あの隊長はそれがわかっていない」

黒瀬は呆れたように言う。


「あんただっていくつもの修羅場を超えて今ここにいるんじゃないのかい?。だったらあんたの強さで特務隊を守ってやればいいんじゃないのかい?」


「俺には無理だ。不死身だが,俺にまとめる力はない。いつも1人だった。無駄死にばかりだ。何をやっても誰一人として生き残らない」

むせび泣く黒瀬。


バスリはそっとする。



結局研究所という証拠は見つからなかった。


3人は外へ出た。黒瀬はタバコを吸っていた。黒瀬はタバコの火を消す。3人のところに近寄り黒瀬は謝罪する。


「私も悪かった。特務隊員を無駄死にはさせないだから,私を信じて戦ってくれ」

ジョンも謝罪する。


そしてまた来た道へと戻り,帰隊する。


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