09.自作長編小説二作目における「挑戦」後半戦

<<10項の挑戦/後半戦>>


【06】挑戦内容:読者のストレスを減らす

 →結果:???


 ①名前、各話初回登場時に必ずフリガナをふる

 →OK

 ②難読漢字にはフリガナをふる

 →OK

 ③なるべく難しい熟語は使わない(使っても意味がわかるようにする)

 →善処した

 ④久々に出るキャラクターには簡単な補足説明をつける

 →善処した

 ⑤登場人物は少なめにする

 →OK

 スミレ、環、逢子、トウヤマ、(セナ)、スーパー脇役の(遠野)、(門原)

 メインは四人、固有名詞が出ている人物は七人。結構イイ線行ってるんじゃないかと自負しております。

 ⑥キャラがブレない

 →善処した

 ⑦視点がブレない

 →善処した


 この結果は読者のみが知る……。善処はしました。


 ②③について補足。

 難しい漢字や熟語を使うほうがカッコイイし、知的! と思って、あえて調べて使っていた時期もありました(下書きで)。けれど、3000作品を読んで気づいてしまった。――フツウに読みにくい。いや、その熟語も読み方も知らんし。いちいち調べるのメンドイし。なんとなくで読もう〜、ってなる。

 そうなった読み手の自分が居て、そして「なんとなくで読まれたくない」という書き手の自分がいました。

 誰にでも分かる文章というのがいかに難しいか……。特に「童話」、本当にすごいです。誰でも知ってる平凡な語彙だけで戦わなければ行けないのですから。かっこい漢字や熟語という装飾はできないわけですからね。「童話」を子供向けの話として下に見ていた時期がありましたが、本当にとんでもなく無知で浅慮なやつでしたね。これが恥を知れというやつか。今はリスペクトしかありません。ものすごく難しいジャンルだと思う、本当に……。


 語彙力はあればあるほど良い。これは間違いありません。

 でもこれは「物語を読む」ための力であり、「物語に厚みをもたせる」ための一つの武器に過ぎないと思います。見せびらかすためにつけた語彙力はツカエナイということを学び、無理に難しい熟語を使うことはやめました。

 一部だけカッコつけたってね? 付け焼き刃なの見え見えだからね? 自分で書いたものを読み直し、そっと削除しました。

 確かな語彙力を持った作者が書くからこそ、面白くて、カッコイイ。私にはまだ早かった……。

 ※難読漢字や熟語を使用することを否定するわけではなありません。それを「読む」ための、そして「書く」ための語彙力がないとその真価は発揮されないというお話です。


【07】挑戦内容:テーマを忘れない

 →結果:OK

 下の挑戦08、挑戦09にも関連しますが、この作品は一人称視点なこともあり、主人公の考えがダダ漏れです。時には否定もします。海が嫌いだったりしますし……。

 けれど、読者の考えや感性まで否定したり傷つけるような作品にはしたくなかったので、その塩梅・表現をかなり気をつけました。「誰が何を好きでもいい」が本作の最大のテーマでしたので、地の文からそれは意識して執筆しました。

 それがちゃんと成されているかは、読者のみがry

 ――最大限意識して、このテーマを忘れずに書き上げました!


【08】挑戦内容:登場人物を成長させる

 →結果:OK

 物理的にも十年経ちましたが、今回の「監禁」というイベントを経て(ややあってスミレが環を監禁します)、主人公は自分自身や他者を知り、成長したと思っています。

 この成長をここで語っても薄っぺらくなるので、是非『パピポ』を読んで確認していただければと……(露骨な宣伝)


【09】挑戦内容:伝えたいことを

 →結果:OK

 こちらの詳細は『パピポ』後書きにて……。

 前作『深海シティ』はストーリーとしての面白さに重きを置いてましたが、『パピポ』はメッセージ性に重きを置いて執筆しました。

 何が好きでもいいこと。

 不変であること、変わることの尊さ。とかね!

 挑戦07と重複しますが「伝えたいこと」は余すことなく伝えました。(伝わったかは別)


【10】挑戦内容:楽しんで書く!

 →結果:OK

 いつまでも忘れずに居たい。小説を書くのが楽しい、という感覚。

 読まれなくてつらい、評価がなくてつらい、という気持ち、わかります。だからこそ、この「楽しんで書く」というのは私の中では必須の挑戦です。

 存分に楽しみました! 監禁のシーン、すぐに終わったけど書いてて本当に楽しかったなぁ。




【エクストラ/やってみたかったこと】


①敢えて語らない、という手法

 かっこいい〜! やりたい〜! と常々思っていましたが、私なんかは察しが悪いので、「え? 何??」となることが多いヤツ。

 しかし、今回果敢に挑戦してみました。

 『パピポ』エピローグ、Under the blue(3/3)より。


   「生娘じゃあるまいし、うちは初めてなんてどうでもいい。恋愛処女のスミレに教えてあげる。大事なのは、”一番最初”じゃなくて”一番最後”」


   それならば、と、私は問う。

   小笠原の紺碧の青と同じ、紺碧の空の下で。


 何を!問うたの!かな!!!!

 はい、自己満足でした。

 初稿時にはこの「問い」の中身も書いていたのですが、あえて省いてみました。

 とても楽しかったです。

 多分このエッセイだけ読んでも意味不明だと思いますが、お付き合いいただきありがとうございました。


②一人称視点ならではの、他のキャラクターへの関係性の見せ方

 主人公の敵(女)の名前は逢子ほうこと申します。

 主人公は、彼女に呼びかける時、声に出す時は「逢子ちゃん」と言っていますが、地の文では一貫して「逢子」です。

 嫌いな相手なので、呼び捨てです。地の文で「逢子」が「逢子ちゃん」になるのは、和解した時になります。

 建前と本音、ですかね。

 作者の自己満足で、読み手の方は特に気にしていないかもしれませんが、こういう小さなギミックが作品の雰囲気を作り出している……と、私は信じております。






 いかがでしたでしょうか。

 以上が『パーティー・ピンク・ポッパー』執筆にあたっての私の「挑戦」です。

 この挑戦は今度の執筆活動の糧になるでしょう。皆様にとっても何か良い発見が残せていたら幸いです。


 今は3000作品読了・長編二作完結済みの状態ですが、今後新たに読んだり書いたりしていくことで、変わっていったり、新たな発見があったりするんだろうなぁ。

 小説というのは、読むのも書くのも、本当に面白いものですね。


(きれいにまとまった!)

(しかし、このエッセイは次話でラストです!)

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