カルカル?

 カルカルカル。

 カルカル、カルカル、カルカル、カール。


 ある日聞こえた不思議な巻き舌。

 なぜか素直に「カー」とは鳴かないカラスが一羽混じってる。


 あっちのビルの屋上の、片隅あたりは「カー」と鳴き、こっちの電線経由して、電柱天辺陣取って、尾っぽをふりふり、大きなカラスも「カー」と鳴く。


 隣の木々をちょこちょこと、渡り飛んでは増えていく、仲間のカラスも「カー」と鳴き、返事も「カー」で飛び退る。


 うちの屋上陣取って、羽をバサバサご機嫌な大きなカラスが徐に、くちばし開いて「カルカルカル」、やっぱり一羽鳴き方のクセが強いの混じってる。


 カルカルカル。

 カルカル、カルカル、カルカル、カール。


 喉の奥から転がすように、カルカル、カルカル、繰り返す。

 他のカラスは慣れているのか、しれっとスルーで「カー」と鳴く。


 カルカル、カルカル、カルカル、カール。

「カー」

 カルカル、カルカル、カルカル「カー」


 時々若干食い気味に、返事が重なるカラスの鳴き声、果たして本当ホントに通じているのか、バイリンカルカル、気になる住人、カラスのおみ足、その下で、じっと聞き耳立てている。


 カルカルカル。

 カルカル、カルカル、カルカル、カール。


 一体どこで覚えてきたのか、何度聞いてもやっぱりカルカル、鳴き方のクセが強いんじゃあ。

 一度聞いたら忘れない、カルカルカラスがこの度の、観察対象の仲間入り。


——

 お山のカラスの絶対的生息数の多さゆえか、あるいは街中と比べて自由度が圧倒的に高いのか、何にせよ、伸び伸び育った個性がすごいです(笑)

 とりあえず、「カルカルちゃん」と勝手に呼んでいます。

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