アサシンは闇へと消える①
「グギャアアアアアアア.............」
人気の無い路地裏から悲鳴が聞こえた。
路地裏は、暗闇で奥までよく見えない。
その暗闇から、一人の男が出てくる。
「終わった?
路地裏から出てきた男、
「終わったよ
「それはいいけど、もう少し静かに出来なかった?」
「ちょっとお仕置きしただけじゃないか。」
り、黒色の服を着ていた。
それに、と
「防音の魔法は張ってるだろ?」
「それでも、僕たちは暗殺者なんだから、もう少し....」
「それより、明日だろ?、第1王子が即位するのは。」
僕たち、暗殺部隊『ナンバーズ』が雇われているこの国、ルイネス王国は国王交代という大きな節目を迎えていた。
「国王が変わったら、俺たちどうなるんだろう....。お役御免になるのかな?」
「それは無いんじゃないかな。罪人は、まだまだいるからね。」
僕たちナンバーズの仕事は、大罪人の処刑に暗殺、捜査などが主にあって、たまに国王の身辺警護もあった。
「僕はこの後、武器を取りに行くから、先に帰ってて。」
「分かった。お疲れー。」
そう言って、
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僕は、商業区のとある鍛冶屋の扉を叩いた。
「お邪魔しまーす。」
「ジン、おかえり。」
中には、青色の髪にアホ毛が目立つ女性が、カウンターで待っていた。
「エミリー。本名はやめてくれって言ったろ?」
「ごめん。」
エミリーの顔はいつにも増して眠そうだった。
「疲れているなら、寝てても良かったのに。」
エミリーは、首を横に振った。
「ジンに会いたかったから、平気。」
エミリーとは同い年で、よく『ナンバーズ』の武器防具を作ってもらっていた。
「ジン、これ。頼んでたやつ。」
そう言って、布で包まれた短剣を三つ、渡された。
「いつもありがとう。」
「大丈夫。ジンや、他のみんなの為ならいくらでも作る。」
それじゃあ、と店を出ようとすると、
「ジン。」
「何?」
「気を付けて。」
「うん。」
そうして、エミリーとは別れた。
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国王が変わって、数ヶ月がたったある日、ナンバーズに国王から、ある依頼が出された。
それは、『盗まれた宝剣を取り戻し、盗人を始末しろ。』とのことだったが、
「なあ、これどう思う
「どうって、ここは王国指定鍛冶師のヴィルさんの店だろ?」
渡された地図には、有名な鍛冶師のヴィルさんの店に印がついていた。
「盗人ってヴィルさんのことか?」
「それはあり得ないよ。」
すると、そこにナンバーズのリーダー、
「側近に聞いてきた。」
「どうだった?」
「殺害対象は、ヴィルさんに間違いないそうだ。」
「「・・・」」
「それと、追加の条件が出された。」
「追加...?」
「あぁ。人員は一人で、とのことだ。」
僕は
「どうする?」
「どうするもなにも、僕たちに拒否権は無いだろ?」
「けど、あきらかにおかしいぜ?」
「そうだな。これを受けたら、後々、何かしらの理由を付けられ殺されるかもしれん。」
「「「・・・・・・」」」
しばらく沈黙があった後、僕は決心した。
「僕が受ける。」
「
「僕が、真実を見てくる。そして、この話が本当なら、ヴィルさんを説得してくるよ。」
死ぬのは怖くない。けど、無実の罪で人を殺すのは嫌だった。
「.....分かった。」
「
「この依頼は、すべて
「分かった。大丈夫さ、
「
僕は明日、何を見るのだろうか.....。
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