第22話 探索開始

 第22話 探索開始

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 レベリングの邪魔になっていたあの石が、掘れるようになった。

 やっぱり、何も気にせず掘り進められるというのは素晴らしい。

 一度不自由になったからこそ、改めて自由のすばらしさが噛み締められる。


「ステータスオープン」


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 種族 土竜(モグラ)

 総合評価:中動物レベル

 配下:1匹

 exp税:1%

 スキル

 土竜下級 レベル103 exp0

 土竜中級 レベル11 exp20

 土竜上級 レベル2 exp20

 土竜特級 レベル1 exp1020

 女神の加護 ーー

 最高神の興味 ーー

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 理由は単純に、上級スキルのレベルアップだろう。

 上級というだけあって、今までのレベルアップと違ってしっかりと実感できるぐらいの効果があった。


 あの石を掘れるようになったのもそうだが、掘る速度も上がったし感覚も鋭くなった。

 試してないが、ほかのステータスも大きく上昇しているはずだ。


 ただでさえモグラ最強だった俺だが、さらに強くなってしまった。

 いやー、敵なしっすね。


 え、外?

 何すかそれ?

 初めて聞きました。


 冗談はともかく、本当に強くなった実感がある。


 わかりやすく強化されて、これは絶対評価上がっただろってステータス見たら、変わらず中動物レベルだったんだが。

 一瞬、あれ? 

 っと、思ったがよく考えれば当然だ。


 中の次はきっと大だろう。

 今の俺が、カバや象やキリンと同じぐらい強いのかと言われれば、そんなわけない。


 強くなったといっても、所詮は中動物の範囲内ということだ。

 小動物と中動物の差以上に、中動物と大動物の差は大きい。


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 さて、外の探索に向かうか。


「キュウ?」


「ロティスは、危ないからお留守番な」


 リスポーン地点から地下生活に突入し、どれぐらいの時間がたっただろうか。

 ついに地上の探索パートに突入する。


 とはいっても、外を闊歩するわけじゃない。

 上級がレベルアップし、大幅に強化されたとはいえ外は依然危険だし、そんな命知らずなことをするほど全能感にひたっているわけでもない。


 かといって、またいつもの場所からいつもの景色を眺めるわけでもない。


 感覚が大幅に強化されたおかげで、地上の少し下を掘りながら上を観察するということができるようになったのだ。

 自分の安全を確保したうえでの探索。

 実に理想的だ。


 異世界にきて以降、ずっと地下生活。

 見れる景色は、いつも同じ。


 俺も異世界転生にあこがれていた身だ。

 当然、外に興味はあった。

 自分が弱すぎて、ひきこもりを強要されていただけで。


 というわけで、あこがれの異世界を探索しつくそう。


 地上に近ければ近いほど外の様子がよくわかるが、近ければ近いほど危険だというジレンマ。

 外の様子をよく知りたい。

 そう思って近づきすぎて、魔物に掘り返され外に放り出されでもしたら……考えただけでも恐ろしい。


 外には、それほどたくさんモンスターがいるというわけでもないらしい。

 強力な魔物から隠れてるのか、俺と同じぐらいかそれ以下の気配も感じる。


 人の気配をなかなか感じない。


 実際人を見たのなんて一度しかないし、ここは人里から結構離れた場所なんだろうか?

 何だろう。

 好都合なような、残念なような。


 俺が害獣で高級品な以上、人なんて近くにいない方がいいんだが、それでも元人間としてはたまに人を見たいという気持ちもある。

 ずっとこんな自然界にいると、自分が人だということすら忘れてしまいそう。


 それにしても、なんで人がいないんだろうか?

 ここは林もしくは平原だ。

 モンスターのレベルも俺から見ればとんでもないが、この前見た人たちの方がさらにすごかった。


 整備すれば、結構済みやすそうだと思うんだが……

 この前人がいた以上、まだ未発見というわけでもなさそうだし。


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 ーー次話予告ーー


『第23話 絶景』

 明日更新


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