第14話 弱い自分

私は昔、弱くて脆くて、傷ついては泣いてばかりいた。そんな自分が大嫌いだった。

人のためになにかをしてあげるのが好きで、苦しくても報われなくてもいいと思っていた。


けれどあるとき。

『人のために生きない自分』を考えた。

怖くなった。

人の役に立たない自分なんて、生きている意味がない。誰かに必要とされないのなら、生きる価値がない。


同時に思った。

人の役に立つことに依存している。

必要とされることに寄りかかっている。


優しさも、気遣いも、思いやりも、頑張りも、すべて嘘。人のためじゃない。私のためにしていること。

それに気づいたら恥ずかしくなった。絶望し、この世から消えたいと思った。

そして、ぐれた。


けれどふと、自分をいじめるのはかわいそうだと思った。

弱くて繊細で、すぐに傷ついてはへこむ自分を「ダメな奴」「大っ嫌い」と罵っている。ひどいと思いません?

弱くても一生懸命に生きている自分って、健気でいじらしいよね。


自分の弱さが好きになれない人へ。

自分をいじめないであげて。

泣いている子供を励ますみたいに「大丈夫だよ」って言ってあげて。

弱い心も役に立つよ。なぜなら誰の心の中にも弱さがある。

弱さを知る心が、誰かの心を救う優しさに変わるときがくるよ。








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