小岩BushBashでBobby Orozaのライブを見てきた話。
「加々美くん、俺ライブ行けなくなっちゃったからチケットあげるよ」
会社の先輩からそう言って手渡されたのは、二枚のチケット。小岩BushBashで行われるBobby Orozaの来日公園のチケットでした。それも整理券番号は1と2!
「いいんすか? マジで」
「うん。Tシャツだけ買ってきてくれたら嬉しいかな」
「絶対に買ってきます」
そんな経緯で、11月6日(日)、小岩のライブハウス・BushBashにてフィランドのソウルシンガー・Bobby Orozaの来日公園へ行ってきました。
ヴィンテージ・ソウルと言った謳い文句で語られることの多いBobby Orozaですが、僕が特に好きなのはそのリズム隊。というかドラム使い。
僕自身、音楽経験者ではないのであまり当てにはならないかも知れませんが、ドラムが今っぽくて好きです。実を言うと、2019年にリリースされたアルバム『This Love』はインスト版が出ているのですが、僕はインスト版のほうが気に入ってよく聴いていました。
ボーカルが乗っかることで一気にソウルっぽくなるのですが、インストはヒップホップのビートに通じる部分があり、そこが気に入ったのです。
今年に入り、アルバム『Get On the Otherside』をリリースし、それを提げて今回の来日公演となったわけですが、さてさてライブはと言うと、
めちゃくちゃよかったです。マジでよかった。やっぱボーカルってすごいわと圧倒され、あっという間の1時間10分でした。
ライブハウス自体もかなり演者との距離感が近い作りになっており、Bobby Orozaがギターを背負って店内に入ってくるところとか、ライブを待つオーディエンスの間を縫ってステージに向かう様とか、普段のライブでは体験できないような「身近さ」を感じられてそこも満足度が高かったです。
さて、家を出たのは16時前くらいでした。
話は若干逸れるのですが、現在の日本のフォーク/フォーク・ロック界のアイコン的な存在として、日本武道館でもライブを行ったカネコアヤノ。僕はアルバム『祝祭』で知り、会社の音楽好きな後輩と盛り上がったりしていました。僕が大好きなラッパー・KID FRESINOとの共作となる「Cats & Dogs(feat.カネコアヤノ)」とかめっちゃ聴いたし、それなりにファンなのですが、この間久しぶりにApple Musicで聴こうと思った時のこと。事件はその時に始まっていました。
「あれ、アー写変わってる…… ッ! いや待て、この場所どっかで見覚えるあるぞッ! これは、俺ん家の近所の、ガスタンクだッ!!!?」
なんと、来年リリース予定のアルバム『タオルケットは穏やかな』。そのジャケ写が、僕の家から徒歩数分圏内の場所で撮られてものだったのです。近所どころか通勤でいつも通る道の景観そのもので焦った。無駄にテンションバク上がりしてここ数日カネコアヤノばかり聴いていましたとさ。
勿論、小岩BushBashへ向かうその際にも件の場所を通りながら最寄駅へと向かいました。一緒にライブへ行った母親に「このガスタンクはね、カネコアヤノってアー写に使ったんだよ。アルバム楽しみだね」と会話をしたり。
会場は夕方17時。僕が会場に到着したのは17時15分くらいで、すでに店内にはまばらに人が集まり始めていました。
小岩BushBashは大きく分けてスペースが二つに分かれており、バーとDJスペースを兼ねる飲食エリアと、防音室になるライブエリアがありました。
バーでコークハイを注文しつつ、気づけば最初のアクトであるHikari Sakashitaが始まっていたので、早速ライブエリアへ移動しました。
まずはここで圧倒されました。前情報が全くなく見たアクトだったのですが、Hikari Sakashitaはドラマーで、行われていのはドラム・インプロビゼーションのライブ。
か、カッケェ……。
フリー・ジャズが好きな僕は、その圧倒的なドラミングで心も持っていかれました。やばいよねやっぱ。ダンスミュージックが大好きな僕ですが、ダンスミュージックはシーケンサーを介した正確なリズムが音楽の大きな特徴と言えます。そう言うものにどっぷりと浸かっていると、逆にシーケンサーでは表現できない複雑なリズムやドラムに「贅沢」さを感じるようになるのです。フリー・ジャズやインプロビゼーションで表現されるドラムは正しくその極地と言った音楽で、本当に心が満足しました。
圧倒されたままライブエリアを出ようとした時のこと。
ふと、後ろで同じくライブを見ていた一人の女性と目が合いました(多分思い過ごしですがそう言うことにしておいてください)。マスクをしていたのですが「どこかで見覚えがある顔だなー。それもすごく最近何度も見た気がする」と思いつつ、飲食エリアへ出て母親と談笑していると、その女性も同じく一緒に来ていた仲間たちと会話をしていました。
すぐ後ろにいたので「誰だっけ?」ともう一度見ると、「あれ? 待てよ、ひょっとして」。そう思っていると、僕の隣を抜けてバーへと向かうのです。すれ違う瞬間に気づきました。
あ、カネコアヤノやん。
つか一緒に来てる人達ってバンドメンバーじゃね? マジで? やば。じゃあ俺は、カネコアヤノと一緒にBobby Orozaを見た男を名乗れるのか?! 今日、ここでッ?!
と、密かにテンションがバク上がりしつつ、続くアクトも見つつ、遂にBobby Orozaが登場。入り口でファンと写真を撮りつつライブエリアに入り、そして最高のパフォーマンスを見せてくれました。
Bobby Oroza。度々思うのですが、やはりボーカルの歌が上手いと、それだけで説得力というか、場を支配する力がバク上がりするのです。
最初にも触れた通り、僕はどちらかという演奏の部分に興味があったのですが、いざ始まると、僕の些細なカッコつけは一瞬で崩れ去りました。シンプルにめちゃ良かったです。
ライブに行けなかった会社の先輩にはスマホで撮ったライブの映像と物販で買ったTシャツを土産に。大満足で小岩BushBashを後にしましたとさ。
マジで良かった。
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