第10話 仄暗い朝

仄暗い朝、自らの罪を見つける。

かつての私の罪。今の私に繋がる罪。

過ぎ去りかけた罪過は記憶の再演を装って、私の罪を覚えている。


顔を背けて押し返すほどに、そこにあることを思い出す。罪深い無知な己を見つけてしまう。


詳細はもはや不明で、鮮やかさとも離れて、創造された記憶も多い。けれど、誤ったことだけは確かだった。


離したい、風化させたい。そう思う。同じだけ、違うようにも思う。


罪深き私よ、よくぞ今日まで生きていた。

罪深き私を、よくぞここまで生きさせた。


どうか次は間違えないようにと、祈られている。


私に、祈られている。


目を覚ます、体を起こす。

当然のように日々を始める。

祈りを聞いて憂鬱に、今日もはじめる。


空は晴れ、吹く風は涼やか。眩しい朝のなか。

仄暗い朝を抱えている。

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