第2話 ホームルーム

ヤンキー(仮)を倒した後、なんか流れで一緒に登校する事になっていた。


「私は雪宮 沙月ゆきみや さつきよろしくね」

「俺は黒木 相真こちらこそよろしく」


少女改め沙月がニコッと微笑んで自己紹介をしてくれる。


「相真君も1年生なんだよね、クラスは何組なの?」

「確か3組だっけかな」

「本当に?私も3組だよ」

「マジか、改めて1年間よろしくな」

「うん、よろしくね。それにしても相真君は凄いね、先輩達を倒しちゃうなんて」

「そんな事ないよ。・・・・・・あれは俺の力じゃないから」

『そんな事ないですよ』


これまで口を閉ざしていたルナが急に念話を送ってくる。


『魔王継承は間違いなく"君の"力ですよ』

『ルナ?』


ルナは何故か悲しそうな口調でそう告げる。


「・・・・・・相真君、どうかしたの?」

「・・・・・・え、あぁ別になんでもないよ」


沙月には念話している俺がずっと黙っている様に見えたようで、俺の顔を覗き込みながら話しかけてくる。

その後も出身地や趣味なんかを話しながら学校に向かった。




沙月を助けてた所から数分歩きようやく校舎に着いた。

周囲の木々が生い茂った風景には似合わない近未来的なデザインの建物が3つほど建っている。

校門から見て1番手前ので真っ白な壁の建物に生徒達が入って行っているので、どうやらあれが校舎のようだ。


「随分とでかい校舎だな」

「うん、学校には見えないね」


俺達は校舎のあまりの大きさに驚きつつも昇降口に入って行く。




「ここが教室か」


1年生のクラスは4階にあるので階段を登ってここまで来た。

因みに校舎は4階建てで、2年生が3階、3年生が2階と学年が大きくなるにつれて階が下がっていくシステムらしい。


『緊張してるんですか、相真君?』

『・・・・・・まぁ少しな』


俺は教室の扉の前でスゥっと深呼吸してから扉を開ける。

扉を開けるとクラス中の視線がこちらに集まる、というか女子を含めたほとんどの生徒は沙月に見惚れてしまっている。


「おう相真、こっちこいよ」

「おう圭一、さっきぶりだな」


俺がクラスを見渡していると聞き覚えのある声が聞こえてくる。

圭一曰く席は自由に決めていいらしいので俺は圭一の後ろの席に座ると、沙月は俺の隣の席に座る。


「私は天宮 沙月よろしくね」

「お、おう俺は片桐 圭一よろしく」


沙月の美少女スマイルに流石の圭一もタジタジらしい。


「てかお前その美少女と知り合いなのか?」

「いや登校中にあったばっかりだけど」

「なんだよそれ、ナンパでもしたのか?」

「違えよ!寧ろその逆だわ」


なんとも心外な事を言う圭一にツッコミを入れていると、教室の前の扉が開き1人の女性が入ってくる。


「皆さん初めまして、私がこのクラスの担任の北条 聡美ほうじょう さとみです。よろしくお願いしますね」


女性はそう名乗ると自分の名前を黒板に書く。

それにしても随分と美人な先生だな。

ルナも風間校長もそうだけど、なんか最近年上で敬語使うキャラの人とよく会うな、まぁルナの年齢へ知らないけど。


『私の精神年齢は相真君と対して変わりませんよ』


俺の思考を(勝手に)読んでルナがそう答える。精神年齢って事は実年齢は違うのか、と聞きたいがそんな事聞く勇気は俺には無い。


「本当は1人ずつ自己紹介とかして欲しいんですが、今から入学式なのですぐに体育館に移動してもらいます。ですが黒木 相真君、雪宮 沙月さん、片桐 圭一君は私の所に来てください」


最後に何故か名前が俺達3人の名前が呼ばれて北条先生の話は終わった。


(俺なんか悪いこと・・・・・・したな上級生2人と喧嘩したな、うん)


俺は若干の不安を覚えつつ2人について行くように先生の方に向かった。




北条先生に呼ばれて俺達3人は先生の席の近くに立っている。


(何かしでかした覚えは確実にあるんだが、さてなんで呼ばれたのかね)


「すみませんね、呼び出しちゃって。3人は今日の入学式で生徒代表として校長先生から生徒ランクのバッジを受け取ってもらいます」


生徒指導じゃ無かったのは良かったが、なんかとんでもない事を色々言われた気がする。


「えーとなんで俺達が生徒代表なんですか、てか生徒ランクのバッジってなんですか?」


「君達が生徒代表なのはスカウトの評価が高かったからです。具体的には上位10%に入っているからですね。生徒ランクについては入学式で説明があります」

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