第4話 魔法の勉強
ホルンの町へ着いた、俺とクイン。
クインは、透明になって不可視化することも出来るらしいが、従魔だと言えば大丈夫だと言ったので、そのまま着いて来た。
ホルンの門兵に冒険者カードを見せて、従魔の件は今から登録しに行くと言って中へ入った。
冒険者ギルドへ先にいってクインの登録を行った。
それから、ホルンの町を散策してみた。
ファンタジーの世界が目の前に広がっているだけで、俺は、ワクワクした。
剣と魔法の世界。
大好きなゲームの中へ入ったようなこの世界。
「よっしゃー!楽しくなってきたぞ!」
「ふむ、楽しそうだが、死とも隣り合わせじゃと言う事も忘れるんじゃなぞ、ふっふー」
死?ああ、そっか、魔物のいる世界、それは死ぬ事もあるって事だよね。
冒険者ギルドの対面には、魔術師ギルドがあった。
「クイン、ちょっと魔術師ギルド寄って行くよ」
「ふむ」
中へ入ると、如何にも魔術師って感じの色気のあるお姉さんがカウンターの中から声を掛けてきた。
「いらさ~い、あ~ら、僕ぅ、ここは魔術師ギルドよぉ、何か御用ぉ?」
「あ、えっと…ちょっと見てみたいなと思って」
「どうぞぉ~」
魔術師ギルドの中へ入ると入り口には、お姉さんのいるカウンター、ショップになっているようだ。奥には、広間と教室が見えた。
「お姉さん、どんなもの売っているんですか?」
「ん~、ここに売っているのは、様々な知識の巻物よぉ、魔法はイメージが重要なのよぉ~だ・か・ら、この巻物を開くとあらぁ不思議、そのイメージが頭に流れ込んで、その知識を身につけれるってわけ、勿論、強さは魔力によるけどね、チュッ!」
ボインの黒い服を着ているお姉さんはそう言って、投げキッスしてきた。
「はあ‥なるほど」
俺は、並んでいる
翻訳スキル金貨25枚、索敵スキル金貨13枚、身体強化スキル金貨30枚、鑑定スキル金貨100枚、他にも、字が上手くなるスキルや、床上手になるスキルなどなど‥あった。
魔法巻物はというと、ファイヤーボール金貨1枚、アイシクルアロー金貨1枚、いろいろと種類も豊富だった。
しかし…中々の値段だ…スキルに関してはあの翻訳スキルって日本円で25万もするんだね…そりゃそうか、一生物そうだしな、そして、金貨も全く足りない。
「お姉さん、マジックボックスとかはないのですね?」
「僕ぅ…
そうなんだ…小って、大きさもあるんだ?俺のっていくらでも入りそうだけど…
「そ…そうなんですね」
「そうそう、僕ぅは、魔法を勉強したいのぉ?今なら体験学習が銀貨1枚よぉ?」
「銀貨一枚?やります!」
「じゃあ、こちらにいらさ~い」
お尻をふりふりしながら、奥に行くお姉さんについて行った。
3人くらい少年少女がそこにはいた。
「ではぁ~体験授業をはじめま~す」
俺を含めて4人、このお姉さんが授業をするようだ、店には別の人間がカウンターに代わりに座っていた。
クインは、俺の近くで丸くなって床で寝ている。
「まずぅ~掌に水を作るイメージをしてください~」
掌に、水玉をイメージすると、じわじわと水が溢れて玉になった。
「おお…」
「あらぁ…僕ぅ、筋がいいのねぇ」
4人ともなんとか水を作り出すことが出来た。
「水は基本ですよぉ~水さえあれば、ダンジョンで閉じ込められても生きていけますからね~」
ダンジョン…そんなものあるのか、やはり異世界。
「次は火ですぅ~、魔法はイメージです、出来ないようなら詠唱するのもありですよぉ~、そうねぇ、例えば、火の精霊よぉ、この掌に集いし業火を起こせぇ~とか口に出して、想像するのです」
言うのそれ…それは、恥ずかしい…
普通に、火はイメージできる、カセットコンロのようなガスと火をイメージして‥
ボウ!
でた!カセットコンロの火!
「な!なんですの?あなたのその火はぁ!」
「え?何って火でしょ?」
「火は赤く燃える物よぉ…その火は青いじゃない、まるでドラゴンの吐くブレスのような…」
あ…これはやっちゃいけないやつだったのかな?
可燃性ガスをイメージしたからか‥しかし、魔法って面白いな、イメージした物が具現化するのか。
結局、少年達は、小さな火を起こすことは出来たが苦戦していた。
そうこう1時間経って、体験授業は終了したのだった。
「僕ぅ、あなた見込みあるから、また来なさい~サービスしてあげるわよぉ~チュッ!これは、僕にあ・げ・る」
「これは?…」
渡されたのは、赤い札だった。
「これはねぇ、使い魔呪術札と言って、魔物を服従させて自分の使い魔とする呪術が込められた札よぉ」
呪術札?なるほど…これで魔物を使い魔に出来るってことかな?
「またねぇ~」
「はは‥はい」
俺とクインは、魔術師ギルドを後にした。
次に、その辺にあった武器屋に入った。
スキンヘッドのおっさんがこっちを睨む。
いろんな武器が並んでいる。
鉄製ショートソード、銀貨3枚。
鉄製戦斧、銀貨4枚。
ふーん、高いのか安いのかわからないな…
げげげ…なんか破格の値段のやつがある。
ミスリル製ショートソード、金貨5枚。
「坊や、お目が高いな、それはこの間ドワーフから作って貰った一級品だ」
「はあ…ミスリル製…5枚か、何が違うんですか?」
「ミスリルか?そりゃあお前、作ってる素材が全く違う」
そこで武器屋のおっさんの話も聞いてみた。
素材鉱石は、青銅、銅、鉄、銀、金、白銀、ミスリル、エレクトラム、チタン、アダマンタイト、モリブデン等、地球にはない鉱石もあった。
他には、希少なオリハルコン、ヒヒイロノカネなどがあるらしいがそんなものは中々出てこないらしい。
「ミスリルってのはな、魔力を通しやすいからエルフなどが好んで使ったりしている、魔力で強化などができるからな」
「なるほど…」
いろいろ教えてくれたスキンヘッドのおっさんに、そのうち良い武器を買いに来ますと別れを言って、武器屋を後にした。
「なあ、クイン、俺はハーフエルフだから魔法使いの方があってるんだよな?」
「ふむ、職業やスタイルは人それぞれではないかの?ふっふ」
「クインって魔法使えるんだよね?町の外でちょっと教えてよ」
「良いぞ?ふっふ」
クインと俺は、門から少し離れた場所で魔法の訓練をすることにした。
火をイメージして、掌に作ってそれを、風魔法に乗せて飛ばす訓練。
クインは結界魔法や、無属性、風魔法を得意とするらしい。
「ふむ、アラタ、中々筋が良いではないかの、ふっふ」
「ああ、地球で、魔法はないけど科学ってのがあって、イメージは大体その応用だよ」
風はドライヤー、扇風機から、火はさっきの可燃性ガスと酸素みたいに。
暫く、訓練をして魔法もだいぶ慣れてきて、休憩していると‥少し先の森の中から戦っている音が聞こえてきた。
その場へクインとそっと近づいて行くと、漆黒の馬体の魔物と冒険者が3人戦っていた。
「ふむ、ナイトメアじゃな、ふー」
あの魔物ナイトメアって言うのか‥少しカッコイイかも。
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