第2話 クビになりました

クビになりました


 久し振りにまとまった時間ができたリュウは職場の最寄り駅の大きな本屋にやって来た。リュウは頼まれて出勤前に勤め先のオーナーの家事をしている。オーナーの健康と、共に暮らす3才下の弟の虎太郎と自分のお腹を満たすために、安くて美味しい料理の本を探したいと最近ずっと考えていた。料理本コーナーの前で一冊の本を手に取り熱心にページをめくっていた。

「オーナーにはやっぱり魚かな?でも、あの人、なんのかんのと言って魚は食わへんなあ。」

顎に手をやり、どうしたもんかと考えていると、後ろからふいに声をかけられた。

「あの、すみません。もしかして、この先のファーストフードで男が暴れたとき取り押さえてくださった方ですか?」

振り返ると、毛玉の目立つブラウンのセーターにジーンズの高校生ぐらいの女の子が立っていた。

「ん、そうだけど。」

「やっぱり!あの時は本当にありがとうございました。」

女の子は化粧っけのない顔を大きくほころばせて、ペコリと頭を下げた。

「ああ、あの時の店員さんか!あれから時々コーヒー飲みに行くけど会わへんね。バイトの時間帯変えたん?元気だった?」

「あ、元気だったんですけど、実はあの後,,,すぐクビになってしまいました。またコーヒー飲みに来てくださってたんですね。ありがとうございます。」

「クビ?どういうこと?」

状況が読めず、リュウは眉をよせた。


「,,,お客さまを怪我させて、警察沙汰にしたことが店長の怒りに触れてしまったんです。お客さまの怪我の治療代とお店の器物を壊した弁償代はバイト代から差し引く、足らない分は会社で出してやるからお前はクビと言われました。」

リュウは立ち読みしていた本を棚に戻すと頭に右手を当てた。

「それ、おかしくないか?あの場を納めなアカンかったんは店長やん。アイツ、聞こえてて、わざと事務室から出てこんかったんやで。」

「あの、あの、そうですが,,,」

「俺、店長に文句言ったるわ。君が弁償する理由なんて全くない。」

リュウが本屋の出口に向かおうとした。

「あ、あの待って,,,」

リュウを止めようと女の子は腕を伸ばした。

グーっ!!

お腹が盛大に鳴った。

女の子は手を伸ばしたまま耳まで赤くしてうつむいてしまった。

ググッ!!

再び鳴った。女の子はますます赤くなり、リュウに小さくお辞儀をすると走り去ろうとした。しかし、立ち止まったリュウに手首を捕まれて、その場から動けなくなった。

「あ~俺、コーヒー飲みたくなった。悪い、付き合って。」


本屋の隣、女の子が働いていた店とは違うファーストフードに二人は入った。

「俺はエビバーガーセット。自分、なんにする?」

いきなりの展開に目を白黒させ、女の子はなかなか決められなかった。リュウは女の子に嫌いなものがないのを確かめると、エッグベーコンバーガーセットとフライドチキンを頼んだ。

「まあ、食べて。」

セットをのせたトレーを四人席のテーブルに置くと、女の子の向かいに座り、リュウは一人コーヒーをすすり始めた。モジモジしながらもハンバーガーをチラチラ見ている女の子。リュウは微笑みながら女の子にハンバーガーを勧めた。

「好みじゃなかった?」

「そんな事ないです。」

「じゃあ、食べて。若いんやから遠慮なしやで。店長のところに行くのはひとまず置いといて、食べながらゆっくり話聞かせて。」

ようやく恐る恐るハンバーガーを持ち上げ、包み紙を剥がして一口かじると、勢いがついたのかパクパクと食べ始めた。

食べ始めた女の子を改めて見ると、顔色はあまり良いとは言えず、以前見た時より痩せたように見える。服装もよく着込んだ毛玉がたくさんついているセーターにヨレヨレのジーンズ。豊かな生活をしているとは思えない。

「俺は須崎龍太郎。この近くのクラブに勤めてるねん。君は?あそこのバイトやめて、今は何をしてるの?」

「私は棚橋もと子です。バイトを探してるところです。」

口の端についたケチャップを指先で拭った。

「じゃあ、もとちゃんは今、お小遣い無くて大変なんやな」

下の名前をちゃんづけで呼ばれて女の子は顔を少し赤くした。

「んー、1人暮らしなのでお小遣いじゃなくて生活費をやりくりしてます。」

「高校生で一人暮らしなん?寮かなんか入ってるの?仕送りはあんまりないの?」

「えへ、高校生に見えますか?これでも専門学校の二年生で二十歳なんですよ。」

もと子は口の端についたケチャップを指先で拭うと初めてニッコリと笑顔を見せた。

「ごめん、ごめん。かわいいから高校生かと思たわ。何を勉強してるの?」

かわいいと言われて、ますます顔を赤くしながらも、もと子はしっかりポテトに手を出していた。

「看護師目指してるんです。寮に入れてもらっているんですが、親がいないから仕送りはなくて、奨学金だけが頼りです。」

「え、それってバイトないのはキツいんちゃうん?奨学金だけで学費入れたら生活費足りへんやんな?俺の大きなお世話のせいやな。うわーごめん。」

思わずリュウは椅子の背もたれにもたれ直して、右手で顔を覆ってしまった。

だからなのか、目の前の痩せたもと子をあらためて見た。



心配そうな目でリュウが自分を見始めたのに気づき、慌てて両手を顔の前で振った。

「大丈夫ですよ。学費は看護師になったら、その病院に勤めることが条件の奨学金でまかなえるんです。生活費の足しにしている別の奨学金があるし、少しは万が一のための貯金もあります。変な事を言ってごめんなさい。」

あ、このハンバーガーすごい美味しい!と別の話題を振った。だが、もと子がお金が無くて困っているのは明白。リュウは真面目な顔でもと子を見据え、話を戻した。

「バイト、あれから探してるのに見つかれへんねんな。」

もと子はうつむいてしまった。

「はい。私、面接が苦手なんです。」

うーん、リュウは顎に手を当て、少し考え込んだ。そしておもむろにもと子の方に顔を向け、姿勢を正して座り直した。

「あのな、もとちゃん、俺ももとちゃんのバイト探させてもらいます。」

「そんなご面倒かけられないです。お礼が言いたくて声かけたのに。私、声かけなきゃ良かったです。ごめんなさい。」

もと子は慌てて、持っていたウーロン茶のカップを置いて、ちがうちがうと両手を振った。

「何言ってんの。声かけてくれて良かったんやで。夢叶えるために頑張ってるのに、このままやったら看護師なれんようなるで。実習もあるんやろ?しっかり食べへんかったら実習も勉強もでけへん。途中で学校を辞めることになったら、病院の借金もできるんやで!」

リュウは身を乗り出し、声が大きくなりそうになるのを辛うじて堪えた。



仕事の場所柄、女の子が学費や奨学金の返済のために水商売に入り、身を持ち崩して夢を失っていく話をいくつも聞いた事を思い出した。

「あんな、俺はこの近くのクラブのスタッフやねん。夜の仕事してるとな、夢を叶えるための学費や生活費の借金返済のために働き始めたのに気がついたら体を壊したり、身を持ち崩して、夢を失ってしまう女の子の話がいっぱい聞こえてくるんや。もとちゃんだっていつそうなるかわかれへんねんで。」

「え、そんなこと…」

言葉に詰まったもと子の目をリュウはジッと見据えた。

「知らなかった?よくある話やで。だから、俺もバイト探し手伝う。生活費の足しになる奨学金があるねんな。ファーストフードのバイトぐらい稼げたらええんやな?あんまり給料のいいバイトはキャバクラや体売る仕事になるから気をつけて。うまい話に乗ったらアカン!」

「は、はい」

リュウの勢いにのまれ、もと子は目をまん丸にして、瞬きすら忘れたようだった。

「あんな、初めてのところに面接に行くより、知り合いのところに行った方が採用されやすいやろ?もとちゃんは真面目なんやから、働き始めたら絶対もとちゃんの良さをわかってくれる。大丈夫やで。」

もと子は少し顔を赤くして唇をかみしめた。

「知り合ったばっかりの奴にこんなん言われてビックリしたやろ。ごめんな。」

「そんなことないです。ありがたいです。」

「そう言ってくれて安心したわ。じゃあ、連絡しあうのに、LINE交換しよう。」

スマホを取り出したが、もと子はあまり詳しくないようで、リュウがもと子のスマホを預かった。もと子のスマホのLINEを開け、トークを見ると、二十歳の女の子なのに学校のクラスラインと実習グループのラインしかなかった。

LINEができるようにして、もと子にスマホを返した。

「試しに送るで。」

リュウは名前と電話番号を入れた。

「来ました!私もお返事しますね。」

もと子から名前と電話番号の返事が届いた。

「これで大丈夫。もとちゃんのバイトの話、周りにしてみるな。いい情報が入ったら必ずラインするから。もとちゃんもバイトの面接受けるときは事前に知らせてな。」

もと子は大きく頷いた。


「ごめん、ちょっとトイレ行ってくる。」

リュウはトイレにむかい、帰りにカウンターで持ち帰りの紙袋とビニール袋をもらってきた。

腕時計をチラリと見ると、すっかり冷めたコーヒーを飲み干して、リュウは手をつけていない自分の分のハンバーガーとポテトを紙袋とビニール袋に入れて、もと子に渡した。

「悪い、俺、今から行くところあるから、よかったら食べてくれへんか?」

「え、いいんですか?助かります。明日の朝御飯にしますね。」もと子は嬉しそうに手渡されたビニール袋を鞄に入れた。

店の前で別れ際、リュウはもと子に向き合った。

「とりあえず、来週もう一度会おう。メシ食いながら、作戦立てよう。」

そう言うと何やらティッシュにくるんだものを、もと子の手に握らせた。

「え、え、何ですか?」

渡された物を見ると、ティッシュから福沢諭吉の顔が見えた。

「え、困ります。私、そんなつもりじゃないので。」

「声大きいって。バイトが決まるまで、これ足しにして。」

「でも,,,」

「ちゃんと食べへんかったら勉強も実習もでけへん。もとちゃんがバイト失ったんは俺のせいでもある。頼むからもらって。」

「でも,,,、今日会ったばっかりなのに,,,」

「じゃあ、返してもらうのは出世払いでならエエ?あのな、みんな見てるやろ?俺ら、援助交際でもめてるみたいやん。」

そう言われて周りを見ると、道行く人たちがチラチラと好奇心を隠しきれないように自分達を見ている。

「わかりました。絶対返しますので今日はありがたくお借りしますね。」

「律儀やな。」

苦笑いをすると、軽く手を振り、じゃあとリュウは立ち去った。




一週間後、リュウともと子は先週出会った本屋の前で待ち合わせて、近くの居酒屋に入った。

「お、この間より顔色ええやん。ちゃんと食べてるねんな。」

「はい、ちゃんと食べるようにしてます。」

幼さの残る顔をほころばせた。二人は飲み物と料理を何品か頼んだところで、早速本題に入ることにした。

ところが、結果は芳しいものではなかった。この一週間、もと子は学校の学生課に来たアルバイト募集に数件申し込みをしたものの全滅。リュウは親しい常連さんに声をかけてみたが条件が合わなかったり、つい最近、決まってしまったりと、これまた何も成果を持って来れなかった。2人は顔を見合わせてため息をついた。運ばれた料理をつつきながら、もと子は黙々と暗い顔をしてご飯を食べた。リュウは天井をしばし見上げたと思うとオッと声を漏らした。さっきまでの浮かぬ顔から一転した笑顔でもと子に話しかけた。

「なんや、もとちゃん、ガッカリがご飯食べてるみたいやな。元気出し。今、エエこと思い付いた。」リュウは伝票を掴むと、もと子に笑顔で行くでと声をかけた。

「もうこうなったらママに相談するわ。ごめん、もう一軒付き合って。」

「ママ?」

もと子は顔に?を浮かべた。リュウは、こっちこっちと手招きして、どんどん歩き始めた。


繁華街の路地を一本入ったところにスナック「ピンク」があった。飴色になった木製のドアを開けると、大柄でガッチリしたニューハーフのママがカウンターに立っていた。ママは明るい茶色の豊かな髪に緩いカールをし、ラメたっぷりのアイシャドーで色っぽい流し目をしてメンソールの細身のタバコを燻らせていた。

「いらっしゃい、リュウ。あら、かわいい子。新しい彼女?」野太い声が上から降って来た。

「ママ、この子は前に話したファーストフードの店員さん。」

「で、あんたが無職にしちゃった彼女ね。」

「そ、そういうこと。」リュウは頭をかいて、苦笑いをした。

「お姉さんもとんだ災難よね。ピンチに王子様が現れたと思ったら、とんでもない王子様だったわよねー。」

ママはリュウともと子におしぼりを渡すと親しげに話しかけて来た。

「とりあえず、何飲む?俺、ビール。」

「私はウーロン茶をお願いします」

はあい、と野太く甘い声で返事をすると2人の前に柿の種と飲み物を出してくれた。

「お姉さん、新しいバイト決まった?」

「ママ、鋭い!それを相談しに来たんや。」

「ええ?まだ探してるの?決まってないの?」

「すみません、私、人見知りで面接が苦手なので,,,」

もと子は困って、うつむいてしまった。

「あ、あ、もとちゃんは悪くないねん。ずっとバイト募集してたところがあったんやけど、少し前に決まったりとか続いて、なんかタイミング悪いねん。もとちゃんは頑張ってるんやんな。俺はわかってるで。」

「バイトなくて大丈夫なの?」

「いやあ、もとちゃんは仕送りないから大変なんよ。」

「ちょっと!マズいじゃない。どうすんの?この子、手っ取り早く稼げる夜のお仕事系は無理そうよね。」

ママはうつむいたまま小さくなっているもと子を見た。

「で、ものは相談なんだけど、ママの知り合いで誰かもとちゃんが出来そうなバイト探してるところない?」

「聞いてみてもいいけど、もとちゃん、だっけ?あんた、どういう身の上なの?」

ママは心配そうにもと子を見た。


ママに尋ねられてポツリポツリともと子は自己紹介を始めた。親が死んで奨学金で看護師の専門学校に通っていること、学費は就職する事を条件にある病院から出してもらっていること、奨学金では足りない分の生活費をバイトでまかなっていること等、自分の身の上を説明した。

「あんた、苦労してるのね。予定通りに看護師になって、学費を出してくれた病院の年季奉公がきちんと済まないと全部借金になるじゃない。すごい金額になるわよ。」

ママはその小柄な女の子をあらためて見た。もと子は化粧っけの全くない顔に毛玉のだらけの着古したセーターにジーンズ、安物のスニーカーを履いて身を縮こめている。若い女の子にしてはくたびれた格好をしているのはそういうことだったのか。もっとお洒落したいだろうに。でも、大変な境遇に負けずに夢を叶えようとしている、この小柄な痩せっぽちの女の子を是非応援してやりたいと思った。ママはもと子の手を握った。

「分かったわ。もと子、アタシも探したげるわ。」

ママとリュウともと子の3人はもと子のバイト先について相談を始めた。もと子のお財布事情を考えるとやはり賄い付きがいい、夜は何時ごろまでなら働けるかなどバイトの条件を紙に書き出し、ここはどうか?あそこは聞いたのか?と熱心に話していたところ、

コンコン。

ドアが開き、丸眼鏡の若い男が顔をのぞかせた。


「すんません、宝来軒です。出前お持ちしました!」

「健ちゃん、ありがとうね。」

健ちゃんが岡持ちから出したラーメンをママは注文した客に渡した。

「あれ、お久し振り、健ちゃん。大将と女将さんはお元気?どうよ景気は?」

「お、リュウさんやん!たまには顔見せてよ。お陰さまで忙しいよ。猫の手も借りたいよ~。」

健ちゃんの言葉にリュウともと子とママはハッと顔を見合わせた。

「バイト募集中?」

「そうなんすよ。だけど全然来なくて。」

健ちゃんは釣り銭の用意をしながら手元の小銭を探していた。

「あんた、この子、どう。」

「へ?」

健ちゃんは思わず顔を上げた。

「中華屋さんですよね?私、頑張ります!」

「健ちゃん、店に戻ったらすぐ大将と女将さんに聞いて。よかったら今からでもすぐ面接に行きますって。あたしとリュウの推薦する女の子なのよ。」

ママは健ちゃんの肩を掴むと激しく揺すった。健ちゃんは目を白黒させた。

「ああ、焦れったいわ。もう電話しちゃう。」

ママは健ちゃんに店へと電話させた。

「もしもし、あたしよ。ピンクのミミコよ。バイト探してるんだって?アタシとリュウの知り合いの二十歳の女の子がバイト探してるんだけど、どうかしら?真面目でいい子なのよ!良かったら今からリュウとその子、向かわせてもいい?ありがとう!健ちゃんと一緒に行かせるわね。」

電話を切るとママはリュウともと子に親指を立てた。

リュウともと子は店に戻る健ちゃんと一緒に宝来軒に向かった。宝来軒はリュウが高校生の時にバイトさせてもらった馴染みのお店でもあった。

「ただいま戻りました。」

健ちゃんに続いて、リュウともと子が店に入った。

「おっちゃん、おばちゃん、お久し振りです。」

「初めまして。お邪魔します。」

「おう、久しぶりやんか、リュウちゃん、元気だったか?電話の子はこの子やな。まあ座りや。」

宝来軒はちょうど、客の波が一段落したところで、大将は自分の前のカウンターの空いた席に2人を座るよう勧めた。

「はじめまして。棚橋もと子と言います。…」

もと子の身の上を聞いた大将と女将さんは一人で頑張っているもと子に多いに同情して、賄いつきで採用となった。

「ありがとうございます。一生懸命頑張ります!」

「リュウちゃんの友達なら大丈夫や。リュウちゃん、あんたもたまには顔見せや!」

「おっちゃん、おばちゃん、ありがとう。ホンマに助かりました。これからは時々、食べに来させてもらうわ。」

リュウともと子は宝来軒の大将と女将さんに何度も頭を下げた。もと子は早速明日からお世話になることになった。

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