12・幕間:速度の重要性についての雑感
最近、痛感していることがあります。
小説を、マーケティング的な戦略のもとに書くには、筆の速さが必要不可欠です。
そして、私にはその速さが足りないようです。
例えば。
あるジャンルの市場が成長の途中にあり、それを観測して構想を練ってプロットや本文を作り、最終的にお出しするとします。
筆が遅いと、アップロードするころには、そのジャンルの市場がピークを過ぎ、衰退に向かっているかもしれません。
この例でなくとも……生産速度を上げて色々試み、その多数の反省を活かしてよりよい創作活動をすること。複数の作品を同時並行で進め、最終的には集客成果を上げること。書き溜めに頼らずリアルタイムで、毎日切れ目なくアップすること。
完全に言い訳ですが、私の速度では、採りがたい戦略が非常に多いです。
遅いので、たとえ書き溜めであっても――不定期更新のエッセイを除いた、通常の作品の――同時並行は無茶。書き溜めに頼らなければ、たとえ細かい工夫をしたところで、更新間隔が結局は空きすぎ、安定した供給速度を維持できない。何より、試行錯誤や実験の速度が遅く、当エッセイで述べていることを試す機会が少しずつしか得られない。
こういった私の経験と実感から言わせてもらえば、速度は何度強調しても足りないくらい重要です。特にマーケティング的手法を用いるならなおさらでしょう。
もしこれが、例えば公募への挑戦だったら、書き溜め方式で行うしかない、というか細切れにアップロードする余地はないので、速度はそれほど重要ではないと思います。プロになった後はともかくとして。
しかしこれはウェブでの連載。筆の速い人たちは、書き溜めの時間を省き、リアルタイムで毎日更新を実現しているような場所です。
筆の速さは大きな壁です。
現に、このエッセイでさえ、注目されてから即座にバンバン更新することはできていない状況です。
それが正解だと分かっていて実行できないのは、結構な苦痛です。目の前の獲物を捕まえられないような気分です。
というわけで。
私はなんとかして、徐々にでもいいので訓練等によって速度を上げていかなければなりません。小さな工夫でカバーしようとするだけではなく、そもそも根本的な、素の速度を上げないと、チャンスを逃すことにもなりかねません。
このエッセイを閲覧なさっている皆さんも、筆は早ければ早いほど有利なのは間違いないので、余計なお世話かもしれませんが、速度を上げることを強く勧めます。
質も重要ですが供給速度もかなり重要。
媒体がネットでなければ、ここまで速度が問題になることもなかったのかもしれません。
まあ仮定の話をしても仕方がないですね。なんとか頑張ります。
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