第52話 89式5.56mm小銃
その時、先頭を歩く近藤から緊迫した無線が入る。
そこには多数の死体があった。
先ほど襲撃してきた人たちと同じような服装の死体が数十体。
銃弾によるものと見られる傷が体のあちこちにあった。
ただ、それだけでなく自衛隊員と見られる遺体が10体ほどある。
制服と装備もそのままだ。
ここで自衛隊の部隊と謎の人々による戦闘があったようだ。
死体は腐敗が進んでおり付近は異臭に包まれている。
凛が耐えきれなくなって泣きながら吐いてしまった。
瞬とこのみが心配そうに凛をさする。
その間に最上隊長と近藤は散乱している自衛隊の装備を回収する。
89式5.56mm小銃 通称『ハチキュウ』
最上隊長には使い慣れた小銃だ。
銃弾もまだたっぷりあるようだ。
このみや凛が使えるか分からないが一応5人分確保する。
凛が胃の中の物を全て吐き出してしまっている間に銃器のチェックを終えた最上隊長と近藤は全員にハチキュウを渡す。
近藤と瞬と凛には最上隊長から使い方のレクチャーをする。
このみは何も聞かずとも体が覚えているのか顔つきが鋭くなった。
5メートル先にあるペットボトルに向けて近藤と瞬が試し打ちをすると見事にペットボトルは砕け散った。
それで合格として進むことにした。
凛はどうやら銃を撃つ気はなさそうだ。
しかし、武装した自衛隊員が10名いて部隊が壊滅したということか?
最上隊長はハチキュウの感覚を懐かしく思いながらも考えていた。
それでも、そこからしばらくは何に出会うこともなかった。
もしかすると自衛隊は全滅したのではなく、制圧して向こう側に抜けているのかもしれない。
そして歩き続けようやく23時を過ぎるころ、ようやく地下通路を抜けて外に出られた。
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