第35話 ミーティング
7月9日
陸海警備保障のメンバー5名は本社会議室に集まって明日のミーティングをしていた。
ホワイトボードには日野市警備案件概要説明と書かれており、その下に隊長を含めた5名の隊員の名前、そして瞬と凛に既に伝えてあるフォーメーションの記載がある。
きれいな文字で書かれているが、ホワイトボードに書いたのは副隊長の加賀このみだ。
5名の隊員には既にGPS、警戒棒、ビームライトが配られている。無線機は当日に貸与する予定だ。
ビームライトは非常に明るい懐中電灯だが、かなりずっしりとした重みもあり、いざというときには護身用具にもなる。
「近藤、先行しすぎるなよ、何があるか分からん」
「はい、隊長」そう返事をしながらも近藤はどこか歯切れが悪い。
「何か言いたいのか?」
「魔女狩りですか?」
「そういうわけではないな」
「令和の時代に魔女ですか、ただ、うちが動くということは防衛省案件ですよね」
「まあ、そういうことだ」
「
「何が言いたい?」
「いえ、大丈夫です」
少しの沈黙の後、
「近藤君には期待しているわ、今回近藤君を推薦したのは私なの、頑張ってくれるわよね?」副隊長の加賀このみが少し上目遣いに近藤の方を見る。
「は、はい」顔を赤くしながら近藤は短く返事をした。
「亜香里は近藤と本体の中間地点だ、ちょっと大変かもしれないが頼んだぞ」
「はい、最上隊長」まだ大学生にも見える真島亜香里がきびきびとした声で返事をする。
亜香里は新卒で入ってきて2か月の研修を終えたばかりだ。研修所からは過去最高の成績という報告が入っている。
「山田は後ろに回ってもらう、
「はい、ホラー映画では一番やられそうな位置ですね」5人の隊員から笑いが漏れる。
「みんなそれぞれ考えはあるだろうが、今回は48時間勤務に加えて特別褒賞も支給される、頑張ってもらいたい」
「はい」4人の声が揃う。
「では、解散」
18時丁度に解散となった。明日は朝7時には本社集合だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます