(二)-2

 しかし、「今はナポリへ買い付けに行っており、いない」とのことだった。

 いつ会えるか聞くと「明日には戻る」とのことだった。

 仕方ないので僕たちは一日待つことにした。

「ところでお前ら、宿は取ってあるのか?」

 もちろんこの島にはさっき到着したばかりでまだとっていなかった。そう言うと、男性は商会の事務所の三階にある寝室を貸してくれるとのことだった。

 この商会の建物はレンガ造りの四階建てだった。一階と二階は商会の事務所になっていて、三階と四階が商会の人間が利用する宿泊施設になっていた。別の島や遠方から来た商会のメンバーが泊まれるようになっているのだ。そこに特別に泊めさせてもらえる、という話だった。


(続く)

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