最終話 メイド
最終話 メイド
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「さて、ねぇケレス。私が何をしたいのかだったかしらね」
「ええ。人間のトップに立って、何がしたいのかわからないわ」
「そうね、少し昔話をしましょうか」
「昔話?」
「ええ」
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昔々、とある学園には悪い悪い公爵令嬢がいました。
ある日その学園に、秀でた才能を認められた一人の女の子が入学しました。
学園には、本来貴族しか通うことができません。
公爵令嬢は、毎日のように少女をいじめていました。
公爵令嬢には婚約者がいました。
彼は、この国の王子で文武両道の完璧美少年でした。
王子はある日いじめを目撃し、少女を助けてくれました。
そして、いじめなんて卑怯なことをした公爵令嬢をひどく非難しました。
王子と少女の距離が縮まる日々、公爵令嬢は嫉妬し少女を殺害しようと計画しました。
しかし、すべて王子はお見通し。
計画は失敗し、王子は公爵令嬢との婚約を破棄。
公爵令嬢は公爵家から追放されました。
王子は王となり、少女は王女となり二人は幸せに暮らしました。
ーーめでたしめでたしーー
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「このお話が、どうしたの?」
「私ね。かわいいは正義だと思うの」
「きゅ、急にどうしたの?」
「ケレスって、本当にかわいいわよね」
「……イリスも」
「ん? どうしたの?」
「イリスもかわいいよ」
「……思ったより、いわれると恥ずかしいわね。私とっても偉くなったでしょ?」
「そうね」
「実は私、メイドがいなくて困ってるの。私も偉くなったし、影武者もできるように、顔の似た子がいいなって」
「私、メイドは得意よ」
「本当?」
「だって、ずっと見てきたもの」
ーー完ーー
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ステータス
名前 イリス
種族 ホモ・サピエンス
レベル 100
HP 4000 才能D
MP 2000 才能D
攻撃力 400 才能D
防御力 400 才能D
魔力 400 才能D
素早さ 400 才能D
スキル
なし
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ーー7・1財団 機密資料
世界の頂に立った、一人の少女。
時代の波に飲まれて消えるはずだった、神に選ばれなかったはずの少女。
名をイリス。
少女は神に選ばれず……されど神に選ばれた。
ーー○○ブログ
突如として情報が解禁され、あの時代にもう一人の天才がいたことが明らかとなった。
これまでの矛盾を説明する、キーとなるであろう人物であることは確かだ。
しかし、解禁された情報はほんの一部に過ぎず。
結果的には、より理解不能な時代になったといえる。
7・1財団(旧ケレス財団)は、「事前に指定された年数が過ぎたため情報を解禁した。これ以降もそれは変わらない。」としている。
……この時代のことが、明らかになる日は来るのだろうか?
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完結しました。
少しでも面白いと思っていただけましたら『ブックマーク』『評価』よろしくお願いします。
ーーあとがきーー
全体的に少し駆け足気味になってしまいましたが、無事長編小説を完結できました。
気が向いたら、リメイクして細かく書き直すかもしれませんが、今はここで完結ということで。
悪役令嬢がざまぁされたところに影武者が出てきて……という一発ネタから書き始めた本小説ですが、無事そのシーンも描くことができ作者は満足です。
長い間この小説にお付き合いいただいた読者の皆様、ご愛読ありがとうございます。
またどこかで出会うことがございましたら、その時はまたよろしくお願いします。
乙女ゲームの世界に転生して悪役令嬢の影武者になりました。が……影武者「本物がざまぁされたので、今日から私が本物の公爵令嬢ということでよろしいか?」 アレン @aren_novel_No100
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