原作編

一話 主人公ちゃん登場

 一話 主人公ちゃん登場


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「ご主人様、ご主人様」


「どうしたのフローラ?」


「それが、私の出身地から学園入学者が出たらしくて」


「ああ」


 ついに来たのか。

 主人公ちゃん。

 貴族しか入学できない学園がその才覚を前に、規則を捻じ曲げて入学させた逆鱗児。

 王国建国以降最大の天才と言われる王子が認め、実際に並ぶとも劣らない才を持つ天才。


 ……そして、ケレス・アルベードが転落人生を歩むことになった元凶。


 ケレス、原作とは大きく性格は変わってはいるけど、果たしてうまくやれるだろうか?

 そもそもすでに婚約者のいる男を誘惑するって、とんだビッ……。


「同じ土地のものとして誇らしい限りです。って、ご主人様なんか反応薄くないですか?」


「いや、驚いてる驚いてる」


「ほんとですか?」


 時間の流れというのは早いものだ。


 特に私なんて、人生二度目だからね。

 人生の体感時間は、20で折り返し地点を超えるという。

 その理論で行くなら、私は人生の半分以上を消費した状態でやり直しているわけだし、当然ではあるが。


 目的も何もなくだらだら生きた前世とは違って、今世は目的意識をもって生きた。

 私は、昔からやればできる子だといわれて育った。

 自分でもそう思っていた。


 私が本当にやればできる子なのか、私の人生に意味があったのか。

 あと数年ですべての結果が出る。


「それに、その子がたまたま優秀だっただけで、別にあなたは無能なフローラのままだからね」


「むむむ、聞き捨てならないですね。確かにご主人様と比べたらあれですけど、これでも私国内最大級の商会の会長ですからね。えっへん」


「お飾り……」


「え? なんて?」


「何でもないわよ。じゃ、会長さんはお仕事頑張ってくださいね」


「はーい」


 最後の何手か仕込みましょうか。

 私は勝てない勝負は大っ嫌いだし、負ける可能性もある勝負も基本NGなの。


 絶対に勝てる。

 私が勝負をするときは、その確信をもって挑む。


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