番外編 王子様は弱者の味方!?

 番外編 王子様は弱者の味方!?


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 最近、奴隷法というものが改正されたらしい。

 正直言って俺には何の関係もないことだと思っていた。

 俺は奴隷を使うこともない一般市民だ。

 こういうのは貴族とか大規模な商会にしか関係のないものだろう。

 そう思っていた。


「え? クビ!?」


 しばらくした後俺はクビを宣告された。

 俺の友達も軒並み仕事をクビになったり、給料を下げられたりしたそうだ。


 今まではそんなことできなかった。

 労働者というのは意外と団結力の高い存在だ。

 そんなことすれば、ストライキでも起こされて大変な目に合う。

 でも今回、ストライキはほとんど意味をなさなかった。

 労働者よりも順応でまじめで安い労働力が誕生したから。


 奴隷法。


 騒ぎが大きくなってからこの言葉をあちこちで聞くようになった。

 どうやら今回の事態はこの奴隷法とかいうもののせいらしい。

 施行目的は、奴隷をはじめとする弱者の救済。


 奴隷は就ける職業や行動に大きな制限があり、今回の改正でその制限が大きく緩和されたんだとか。


「それの何が?」


 どうやらはじめは何の問題もなかったらしい。

 俺たちも上の連中もきちんと理解できていなかったのだ。

 奴隷は人であると。

 なんの教養もない俺らみたいなのにできる仕事は、奴隷にでも簡単にこなせると。


 さて、できる仕事は同じ。

 賃金は奴隷の方が安い。

 どっちを使いますか?


 それでも働きたいのなら、奴隷と同じ賃金で働きましょうね。

 同一労働、同一賃金。

 ……はぁ。


「そういえばこの法改正って、王子の肝いりらしいな」


「王子の……」


 天才。

 弱者の味方。

 ヒーロー。

 まぁ所詮、貴族様か。


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