第38話 玉鈴

「玉鈴とは?誰だ」

「本当にわからないいんですか?確かに着ているものは少々男性っぽいですが」

「いや。まったっく、わからない」

 フェイはファンリーの顔をじっとみる。

「本気ですか、まぁいいですけどね。」

「保険ですかね。リー殿がもし似たような女性をつれてこられなかった時の為のです。玉鈴なら姫の為だったら命はいくらでもかけますから」

「姫とは背の高さも顔も全然違うだろう。」

「だから、保険ですよ。玉鈴は化粧がうまいんですよ。背も衣装で誤魔化し化粧をすればかなり似せる事ができます」

「だったら、最初から玉鈴にやらせればいいだろう。俺がこんなに苦労することもない」

「姫と玉鈴はやっぱりどこか違うかんじがするんです。失敗は許されないし、失敗したとしても後腐れのないもではないと」

 後腐れのない…。ファンリーはその言葉に胸の中心がぎゅっとなった。そうだその為に娼館や孤児院を渡り歩いて探したんだ。

「玉鈴はもう必要ないだろう。」

「玉鈴は化粧や衣装選びがうまいですから姫に似たような背丈の子をつれてこればかなり姫に似せることができるんです」

 顔を赤らめフェイはかなり小さな声なる。

「それに玉鈴は私の妻です。家を捨てて押し掛けてきたから私と離れないでしょう」

「妻!お前いつから男色になったんだ。ハハハハハッ」

 ファンリーは豪快に笑う。ファンリーの顔をめがけて短刀が現れた。少し背を反らし避けた。よほど強い力でなげつけたのかあった木の短刀が強く揺れていた。

「本気でなげただろう!」

「いやー。煩い虫がいたものでね」

 ハハ

 フェイの笑っているが目が鋭くファンリーを睨んでいた。


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