第13話 期待はしない事

 ユナは寝台の隅に申し訳なさそうにちょこんと座っている。

 待ってる時間は長いな。どうなったんだろう。

 期待はしないでおこう。期待すると後が悲しくなる。

 何度も何度も期待をした、あがいたけどどうにもできない。わかってる。


 お母さん、お母さん 私、いい子でしょ? お義父さん、ちゃんと家のお手伝いしてるよ。

 わたしはいらない子?いない子? なんで生まれてきたのだろ。


 小さな音がする度に扉の方をみてしまう。

 ユナを期待してダメだよ。ユナは自分自身に言い聞かす。

 ユナはファンリーの顔を思い出した。優しい顔する人だったなぁ・・・。


 さぁいつもの日にもどるだけだよ。

 自分のほほを両手で2回軽くたたく。寝台からたちがると階段を上がる音が聞こえてきた。階段を上る足音が段々大きくなる。


 ユナの期待が少しづつ膨らんでくる。扉の前で音がやむ。ユナはぎゅっと両手を握る。

 そして勢いよく扉が開いた。

「悪い、待たせてしまった」

 ファンリーがお日様のみたいな笑顔で入ってくる。ユナにはそう見えた。


 ひょいとファンリーの後ろから女主が顔だけみせた。

「本当にこの子でいいのかい?でるところきちっとでてる子もいるよ」


「この子じゃなきゃ、だめなんだ」


「やとぱりあんたは少女趣味ロリコンかい」

「少女趣味じゃない---!」


 ファンリーは顔を真っ赤にしてさけんだ。

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