第11話 相場

「金貨50枚は高くないか?小さなの家が買えると思うが!」

 交渉が苦手なファンリーなりに女主に交渉をしてみた。

 姫の身代わりでどうしても彼女が必要なんだと頭では分かっているものの部屋で微笑む姿を思い出し胸をきゅっと握られる。彼女をここから連れ出してあげたいという思いが方が強くなっているのをファンリーは自分自身で気付いていなかった。

「なんだい。私の娘は金貨50枚の価値もないのかい?」

「う。それはそのだな」

「可哀想な娘だよ。ううう」

 払えない金額とわかると意地悪で誰が見ても嘘だとわるように女主は泣き始めた。

 クッソ。足下みやがって。

 表にはだしてないが頭の中でファンリーは地団駄を踏んでいた。とその時ふと頭の中をある事が横ぎった。

「ちょっと待ってくれ」

 ファンリーは考え込むような顔し、食堂でた。


 しばらくすると戻ってきて女主の前に5個の小袋をおいた。

 女主は袋をのぞく。

「なんだいこの石ころは!」

 女主は袋を投げ机の上に捨てすてる。

 ファンリーは少し中身がでた石を袋に詰め込みニッと笑う。

「粗末に扱わないでくれ。これはヨウ鋼鉄だ」

「ヨウ鋼鉄だと」

 女主の顔が真顔にかわる。

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