第3話 新婚生活

予想に反して茅は私に尽くしてくれた。

「哲夫さんったら……もう朝ですよ。 そろそろ私を解放してくださらないと…… 」

茅は私に背を向けて着物をサッと着ると台所へ向かおうとする。

私は茅の残り香を嗅ぎたくて後ろから抱き留める。

「甘えん坊さんね 哲っちゃんは……」

茅は年下なのに……お姉さんのように私を抱きすくめると

「好きよ…… 残念だけど夜までお預けね。」 そう言って私を置いて行く。

しばらくすると部屋から私の手を引いて、朝食の席に座らせた。


その頃から私は茅の事で一大決心をした事がある。

先ずは茅の担当医と話をして、その後に私の親しい外科医を訪ねた。

「ふ~ん、まあ本人次第だが、整形は可能じゃないか? 」


その夜に彼女をしっかり愛して……整形の話をしてみた。

「君が嫌なら……今のままでも私は構わないんだがね? 」

「そうね……今までは怖かったんだけど、哲っちゃんと一緒なら やってみようかな? 」


茅は整形手術も受けて顔が見違えるほど綺麗に成った。 少し厚めに化粧すれば、その辺の美女に引けを取らないレベルだ。

私は早速彼女をデートに誘った。 海辺のレストランで夕食を戴き、車でドライブ。 あちらこちらを見て回って……茅の笑顔を確認する。


幸せを感じて毎日を過ごしていると、茅が「赤ちゃんが出来たかも…… 」と言った。

つわりは それなりに有ったが、母子共に健康で出産は安産だった。


私は神に感謝した。



………… 完結 …………

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自慢の奥方 (茅) 遠野 彬 @miyakeakio5

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