第20話 レッドカードと星4つ。

俺達は57階に降り立った。

此処はまだワーウルフのシマらしい…ハイワーウルフが出て来る。集団戦に長けており中々ウザい。速さもあるのでソロはキツそうな階になると思う。

だが、俺達には通用しない。速さも防御力もケタ違いなのでもちろん無傷。攻撃力もケタ違いって事でサクサクと斬り捨58階にてて行く。

あっという間にボス部屋に到着した。



種族:プラズマワーウルフ(フロアボス)


レベル:68

HP:5347/5347

MP:2930/2930

攻撃力:4725《✕1.35》

防御力:1390

回避:2573《✕1.35》

幸運:92

スキル:威圧、咆哮Lv8、《金剛石の爪》、《雷光》、サンダーネイルLv7、プラズマアタックLv7

雷属性のワーウルフだろうか?魔力の殆ど無いはずのワーウルフなのにMPのステが高い。魔法も持っており、攻撃力も回避も突出している。上の階のワーウルフマスターをやっと倒して此処に来たなら間違い無く瞬殺されるな…本当に嫌らしい布陣だ。


プラズマワーウルフは俺を見ると直ぐに攻撃を仕掛けて来た。

きっと初見殺しの技なのだろう、プラズマアタックを仕掛けてきた。

しかし俺には通用しない。その速さでさえスローに見えてしまう。俺はかわしざまに一撃カチ入れて真っ二つにした。


雷光の指輪:討伐ドロップアイテム。回避(+500)、雷光の付与✕1.35


コレって上の階のワーウルフマスターの指輪の上位互換なんじゃ??それともまた幸運発動によりレアアイテムを手に入れたのか…?


取り敢えず余ってる指に指輪を着けると更に回避が上がる。この速さのアイテムを手に入れたのは俺単体としては非常に美味しいアイテムである。魔獣武装(ビーストアームス)していない時のステが上がるのだから。

やはり俺単体でもソコソコ強さが無いとテイマーとしての活動が出来ない。常に魔獣武装(ビーストアームス)を出来てれば大丈夫なのだが、場合によっては無理な時もあるかも知れない。だからこそ俺自身の強さが求められる。


更に下の階に向かう。

次の階は何が出て来るのだろうか?


58階は全く出て来なかったゴーレムの世界だった。デカいゴーレムがとにかく沢山出て来る。何この罰ゲーム…だが『朱刃』の斬れ味は全く鈍らなかった。まるでスライムを斬る様に硬いゴーレムの身体を斬って行く。


そしてこの階で鑑定のレベルが上がった。

派生スキルとして〔偽装〕と〔看破〕を獲得した。


偽装︰ステータスの偽装をする。偽装者より鑑定レベルが低い者には見破れない。


看破︰ステータスの偽装を見破る。偽装者より鑑定レベルが低いと看破出来ない。


ほうほう、ステータスの偽装と看破ね…俺の場合だと魔獣武装(ビーストアームス)のスキルを偽装するか、魔獣武装(ビーストアームス)時のステータスを偽装するとかかな。



ゴーレムのドロップアイテムは魔石とゴーレムの種だった。


ゴーレムの核:錬金術師がゴーレムを造る為に必要。ゴーレムの身体の素材により数が変わる。土︰1、鉄︰3、ミスリル︰7、オリハルコン︰10


おいおい…コレでゴーレム造れんのかよ…。

そうか…いずれ錬金術師に頼んでゴーレムを造らせてテイムするか。そうなるとミスリルかオリハルコンだよな…って相当な素材量が要るわな…まず無理か。しかもオリハルコン何て指先くらいでもとんでも無い値段だしな…。

とにかく少しでも多く手に入れる為にしばらく此処に篭り、ゴーレムを斬って行く。


予想以上にゴーレムを相手してたので本日は時間切れになった。仕方無いのでボス部屋で最後にしよう。


種族︰ミスリルゴーレム(フロアボス)


レベル:71

HP:6478/6478

MP:3247/3247

攻撃力:4238

防御力:4690

回避:909

幸運:80

スキル:ハンマーパンチ、踏み付け、魔素砲Lv7


嘘だろ…まさかの造りたいゴーレムが出て来たよ。しかもかなりのステータスだな。何気にガッツよりもステータスが高い…まあレベルがかなり違うからな。


ミスリルゴーレムはハンマーパンチで攻撃して来た。しかしながら鈍いので軽くかわした。するとミスリルゴーレムは魔素砲をぶっ放して来た。俺は何とかかわしたが、魔素砲自体の速度は速い。俺は一気に間合いを詰めてミスリルゴーレムを袈裟斬りに斬って捨てた。


ミスリル︰討伐ドロップアイテム。ミスリルゴーレムを形成していた素材。魔法を通しやすく硬い金属。ゴーレムの核と魔石が有ればゴーレムを造れる。


何と…ミスリルが手に入ってしまった…後は錬金術師に頼むだけか…魔石は色々な魔獣のが手元に有るし。


俺は転移の魔法陣に乗り地上に帰る事にした。


今回のダンジョン攻略で俺のレベルが15、ガッツは7、ラッキーは1レベルアップしていた。レベルが段々と上がりにくくなってる…。


【サルナス】

職業:魔獣使役ビーストテイマー

ランク:D

レベル:133→148


HP:644/584→644

MP:261/261→291

攻撃力:589→664(+2030)《✕1.7》

防御力:501→561(+900)《✕1.25》

回避:153→168(+32→652)《✕1.2→1.75》

幸運:757→832

スキル:魔獣武装(ビーストアームス)Lv3、〔ステータス統合〕、鑑定Lv3→4、〔偽装〕、〔看破〕、《鬼道》、《金剛》、《疾風》✕2、《強奪》、《鉄壁》、《雷光》、ウォーターボールLv3、ヒールウォーターLv8、シャドーミストLv2

装備:剛腕の腕輪、ハイオークのブーツ、金剛の腕輪、疾風の首輪、剛鬼刀、将軍の鎧

ワーウルフマスターの指輪、雷光の指輪


【ラッキー】

種族:リキッドメタルスライム(進化種)

レベル:5→6


HP:16/16

MP:461/457→461

攻撃力:16

防御力:6918→7918《✕3.2》

回避:6596→7596《✕3.2》

幸運︰273→276

スキル:ファイヤーブレスLv10、物攻耐性LvMAX、魔攻耐性LvMAX、《韋駄天》、《護守羅》


【ガッツ】

種族:ハイトロルメイジ(唯一種)

レベル:28→35


HP:8350/6670→8350

MP:9725/7835→9725

攻撃力:2567→3197(+900)《✕1.35》

防御力:2637→3267

回避:670→831《×1.25》

幸運:87→101

スキル:超再生、状態異常耐性Lv6、筋強化Lv6、ファイヤーフィストLv10、サンダーフィストLv10、ファイヤーブレイドLv1、プラズマブレイドLv1、アイスブロッカーLv9、《オーガの怒り》、《俊敏》

装備:角の首飾り、ウラヌスナックル


ガッツのMPはもうすぐで1万の大台超えるな。レベル35でこの数値…流石は唯一種ってトコか。更にガッツは新しい呪文を覚えた様だな。鑑定に掛けてみよう。


ファイヤーブレイド︰炎の太刀を手刀から飛ばす。攻撃範囲と距離はレベル依存。


プラズマブレイド︰雷の太刀を手刀から飛ばす。攻撃範囲と距離はレベル依存。



ふむ、フィスト系と何が違うのかな?今度のダンジョン攻略で使ってみようか。

ちなみに俺達のレベルアップによるステータス上昇はこんな感じだな。


サルナス

HP:+4

MP:+2

攻撃力:+5

防御力:+4

回避:+1

幸運:+5


ラッキー

HP:(+1)

MP:+4

攻撃力:(+1)

防御力:+1000

回避:+1000

幸運:+3


ガッツ

HP:+240

MP:+270

攻撃力:+90

防御力:+90

回避:+23

幸運:+2


ラッキーは極端な上がり方だ。HPと攻撃力は毎回上がらないし、上がったとしても+1しか上がらない。その代わり付与によって防御力と回避は+1000づつ上がるのだから恐ろしい。


俺達は魔獣武装(ビーストアームス)をリムーブして地上に帰還した。そのまま冒険者ギルトで換金をする為、担当さんの居る倉庫へ。


「…またこんなに持って来やがって…俺を殺す気か!」


「そう邪険にしないで下さいよ…この前よりも少ないですから…さほど急いでないのでいつでも良いですよ」


「そうしてもらうと助かる。しかし相変わらずレアなもん引き当ててるな…ゴーレムの核なんて何年かぶりに見たぞ」


「えっ?コレってそんなにレアなんですか?」


「当たり前だろが、鑑定持ちなんだからコレがゴーレム造れるアイテムだって分かるだろ?こんなもんホイホイ出たら世の中ゴーレムだらけになってんぞ」


俺はビックリしていた…100体近くは狩った訳だが、ゴーレムの核が出たのは32個でその中の2個しか換金に出してなかったのだ。こりゃあ残り30個有るのは言わない方が良さそうだな…。


「ゴーレムと言えば腕の良い錬金術師ってこの街に居ます?58階のゴーレムでちょっと知りたい事があって…」


「錬金術師?それなら東の街外れに住んでるメフィストが凄腕だが…」


「何か問題でも??」


「物凄く偏屈だぞ…まあ、根気良く話しなよ。ギルトのタレットの紹介だと言えば話くらい聞いてくれるかもだ」


そうか…担当さんタレットさんって言うんだな。名前初めて聞いたよ…。


タレットさんと別れてギルトの受付のサリーさんの所に行く。鑑定がレベルアップしたのを報告する為だ。


「あっ、サルナスさん!丁度良かった!」


ん?何が丁度良かったのか知らんが、俺は小声でサリーさんに鑑定のレベルアップを伝えてギルト証を渡す。するとサリーさんは水晶に俺の手をかざさせて確認した後、俺のギルト証を持って奥に行った。

しばらくすると俺のギルト証を持って現れたサリーさん。持って来たカードの色が違うのだけど…。


「サルナスさん、Cクラス昇進おめでとう御座います!」


「俺がCクラス??どうして…??」


「それはオークジェネラル討伐の貢献による特別措置です。レイダースの冒険者ギルトからの強い推薦が有りまして決まりました」


「そうか…なるほど。ありがとう」


悪い様にはしない…そう言ってたが、こういう事か。レイダースの冒険者ギルトにも感謝しなきゃな。俺はレッドカードに星が4つ入ったギルト証を受け取り、そのまま外に出た。コレで俺もCクラスか…悪くないな。


そして俺は錬金術師のメフィストを訪ねて東の街外れに行く事にした。

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