第2話 SNSとイラスト

 初めて絵を描いたのは幼稚園の時だった。先生や親に褒められて絵を描くのが好きになった。

 小学生に上がるとアニメや漫画の絵を描くことが増えてきて、高校生になるとSNSにイラストをあげるようになった。


 軽い気持ちでイラストを上げていたけれど、いいねをくれる人がいることに喜びを感じて、どんどん筆が進んだ。

 ああ、私のイラストは誰かにとって評価されるものなんだと嬉しくなったのを覚えている。


 初めは趣味で描いていたものだったが、いいねの数が増えるたび、フォロワーの数が増えるたび趣味の領域を超えていたのだと思う。どこかで自分は絵描きなんだと自負するようになっていた。


 だからだろうか。いいねがもっと欲しい、なぜ私より下手な奴が多くいいねをもらっているのかといいねの数に執着するようになっていた。

 気付いた時にはもう遅く、わたしはイラストを描き続ける絵になっていた。

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