第33話 奥間①
その室内、綺麗に二列に並べられた座布団の一つにイチ達は居た。
「トットット、どうしたものかのぉ?」
「 …… 」
セフェクは一貫して黙している。
「 …… (相変わらずの圧倒的な自己主張で勢い任せに喋るかと思ったら、随分静かだなぁ)」
イチはチラチラとセフェクを見ては不思議そうな表情を浮かべていた。
「
「お前ら
「開円様、相変わらず大きくずれてますが論点は二つです。一つ、八つ国内部へ侵入するに至った我々の知り得ない経路の解明。二つ、セフェクさん、トトさんの人体的構造の解明。敵対心や動機などは今必要ありません」
開円に意見するのは、『
「いこるよぉ、お前はただ単に刺激的な検体が降って湧いたもんだから、飲み込みてぇだけだろが」
「それは否定しません。が、今必要な論点ではありません」
「かーっ! 相変わらず感情的なものを感じねぇな」
「開円様、人が集まる場では必要な話のみして下さい」
「とっとっと、人それぞれの視点があるからのぉ。目的違いで集まった者では答えは
「 …… (ねぇ、セフェク。どうなっちゃうのかな? セフェクっ!)」
イチは微かな声でセフェクに話しかけるが、前を向くばかりで応答はない。
「さて、ワシが決めていい?」
「はっ!」
即座に、ここに集められた者達が
「まず、セフェク殿には感謝を申し上げる。我々の知り得ない情報というのは、
「それいいなっ! 気に入った!」
「え? セフェク?」
今まで一貫して黙していたセフェクが、ここで声を発した
「トッ! 何? 突然に理解頂けた感じ …… なの?」
八千矛は、突然のセフェクの声に驚き、慌てては特異なポージングとなり、キャラを忘れた。
「では …… 」
「それくれ! その浮くやつだ!」
「え?」
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