第2話 巻き込まれ召喚2


 俺は先ず神眼鑑定の指示で

前頭葉に映る画面に時空間収納を呼び出す

脳内に有る最初の目次を開き項目を見る

初心者用装備品と有ったので

其処を感覚でタップすると画面が変わった

画面が変ると最初に装着する必需品と書かれており武器装備瞬着用品が点滅していた

説明書きを読むとタップしながら『瞬着!』と唱えると装着出来るシステムらしい

それを素直にやってみると

行き成り俺の服が白ぽい斑模様で兵士が着る様な戦闘服に変わった

黒いブーツに白いブーツカバー

腰のホルダーには黄色の銃(テーザーか?)

白斑の防弾チョッキも装着してるし

腰には山刀かな?

昔山好きの爺ちゃんが持ってた感じの物だ

他に小型のナイフ

そしてそんなに厚着もしてないのに暖かい

ヒートテックの上位版らしきインナーを

着込んでるからだろうか?


ほぼ濡れた状態の服から

新しい服になった事で爽やかな気分になり

俺も少し落ち着いた頃

強風が治まり始めて来た


礼司)『遠くに城壁が見えるな』

俺は心の中で神眼鑑定に話し掛けた


神眼)『ゴーレム式機動馬を召喚し

城壁とは反対方向の北に進んで下さい』


礼司)『エッ!何で?

普通は温かい南でしょ』


神眼)『北の山中でレベル上げを行ないます今の儘でのレベルでは市街地生活事態がリスクを伴ない過ぎます』


神眼の説明では

俺の戦闘レベルが余りにも低過ぎて

市街地に入る事事態が危険だと教えてくれた

特に危険なのが貴族や衛兵らしいが

他にも危険な存在が大勢いる様だ

ともかくゴーレムの馬を収納から召喚し質問をする事にした


礼司)『なんちゅうか馬がデカい

全高だけで1.8メートルは有るぞ』


神眼)『鞍脇の青ボタンを押すと

鞍から梯子が出て来ます』


確かに指示通り青ボタンを押すと

直ぐに幅40センチ位の梯子が降りて来た

ゴーレム式機動馬は見掛け生きた馬とは何ら変らない芦毛の鎧馬だ

地球で言えば足にも長い毛の有る

北欧産の巨大馬がモデルなんだろうか?

オマケにゴーレムなので腹周りには小さなトランクルームも有るし

熱をも遮断する結界が標準装備されている

俺は馬に跨りながら質問を続けた


礼司)『そんなにも治安が悪かったのか

やっぱり恐ろしい世界なんだな』


神眼)『ともかく

北の森林地帯を目指しましょう』


礼司)『北の森林地帯は安全なんだ?』


神眼)『いいえ

大魔境と呼ばれる程の危険地帯ですが

レベル上げには最適な場所です

創造神様からも強力な結界石を預かっております』


礼司)『何故そこまでして森林地帯に向かうの?』


神眼)『理由はレベル上げも勿論有りますが

強力な魔物達が此の世界の住人を排除をしてくれます

なのでスキル解放及びレベルが上がるまで情報を隠蔽してくれます

また魔境で産出する薬草、鉱物、魔物等の質が高く高価な素材集めも楽に行えます

オマケに魔物の肉は味も優れています』


礼司)『魔物って食べられるんだ』


どうやら魔物にも食べられる種類と

食べれない種類が有る様だ

そして際目付がこの世界の衛生観念なのだ

けっこう不潔で汚く臭いらしく

俺の異世界に対する精神面も考慮してくれての事らしい


礼司)『そんなにも酷いのか

だったら夏場は絶対に行きたくないな

ところで高品質の素材はポーションや薬の製薬が楽と云う事?』


神眼)『薬物系は主に

製薬ギルドが扱っております

ギルドにはポーションや薬のみに特化した鑑定師がおりまして

鑑定を正しく受けると

高品質の薬物は素材も含め

仕入れ価格が2割以上あがります

但し高品質の薬物に関しましては

殆どがダンジョン産で人類は未だその域には達っしておりません』


神眼の説明では

大魔境産の薬草や魔物は高レベルで

買い取り価格も高いらしい

そして各レベルのポーションや薬にも

三段階の評価基準が有る様だ

但し魔境産の薬草や魔物に木材などは

色と大きさ等に違いが有り

素人でも一見しただけで簡単に見分けが可能な様だ


礼司)『なるほど

でも大陸各地に薬師やポーション師が結構いるみたいだけど?』


神眼)『残念ながら技術を持った者は

其れ程多くはおりません

強いて上げれば

聖ジャリスト教聖王国のポーション師がBマイナスポーションを製造出来る様です

後はダンジョン頼みなのが現状です』


神眼の説明で

此の世界の薬事情は概ね理解出来たが

Bマイナスポーションは高価で

聖ジャリスト教国が各国に対する政治利用の材料にもなっており

俺が高位の薬やポーションを製薬ギルドに卸し始めたら聖王国も黙ってはいない

要は誘拐や暗殺される可能性が高い様だ

全く持って此の世界は恐ろしいな



北に向い進んで行くと

やがて雪混じりの暴風も治まり真上に太陽が昇りきっていた


礼司)『そろそろ昼飯にするぞ!』


早朝から飯抜きだったので

俺も結構腹が空いていた

馬から降りた俺は街道脇に入り

テーブルに椅子

コンロ台にカセットコンロを召喚し

小型の半寸胴に湯を沸かす

メニューは簡単にレトルト牛丼だ

二人分づつ牛丼とレトルト飯を寸胴にぶち込んだ

これ全て俺の車に積んで有った物だ

俺が貰った時空間無限収納には複製機能が有り周りから素材を集め

寸分違わぬ物をコピーしてくれる


礼司)『此れは超便利機能だよな

此れが無ければ早期に詰んでたな』


長期有給のため食料品の他にも調味料系も大量に購入していた

其れ等は全て十倍に増やし収納の中に有る

酒は飲まないので果物やソフトドリンク系を多種購入していたのも良かった

勿論菓子類やスイーツ系も

多種類購入している

何せ俺の車には冷蔵の他に冷凍庫迄も積んで有り足元も車体にロックされているのだ

まあ今は仕方無くゴーレム馬を利用しているが戦闘レベルが上がれば

我が愛車も解放して貰えるだろう


神眼)『今は人目も有ります

なるべく敵は増やしたく無いのです

魔導車は目立ち過ぎます』

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