第23話 ロントとペティとゼア {{ペティとゼア雑談}}

コンコンコン

『ロントー、来てあげたよー』

頼んだ覚えはないがここ最近暇をしていたのは事実。

ペティはそういう空気を読むのには秀でてるんだろう。

「入ってきて」

『邪魔するわ』

入室前の失礼します代わりだろうか、礼儀が出来てるんだか、

出来てないんだか。

《お邪魔します》

「あら、ゼアじゃん、久々だね、うちにくるの。」

『うん、暇だったからついてきたらしいわ』

《うん、何か面白いことないかなって》

「うちってそんな扱いなの?」

《うん》

「あら、クッキー場所変えてるじゃない?あら、これビーフパウダーなんて

 入ってる。ゼア見て!美味しそうよ!」

ゼアと話してるうちにいつの間にかペティが目聡くお菓子とお茶の

用意を始めている。

「ああ、ペティそれは普段のクッキーの五倍するやつで奥の奥に

 隠しといたはずなんだが」

『ちょっと聞いた?!五倍よ五倍!ゼアお茶の用意して』

《分かった。ペティが喜んでるから、このために高いクッキー買ったのね

 ロント》

決してそういう訳ではないのだが、ゼアも喜んでるからいいとしよう。


午後のお茶会を嗜むついでに聞いてみた。

「ところでゼアはホントに暇だからきたのかい?」

《うん、ロントが暇してるんじゃないかと思って》

『そうよ、ロントなんて魔法で槍作るだけだから、道具の手入れの

 必要ないし』

「それはまあ、そうだけど、これでも一応やることはあるんだが」

『どんな?』

「貯まっている本を消化したり、卵焼きの新しい味付けを試したり」

『卵焼きの新しい味付けを試すのは必要な事だけど、本なんて

 いつでも読めるじゃない。それを暇っていうのよ』

一応、本を読む時間はすごく有意義な時間だと思うんだが

一刀両断にされた。

『さあ、夕ご飯でも買いに行きましょ!ロントのおごりで!』

《うん、それなら私もついてくよ!》

ゼアはこれでも現金な性格をしている。

ペティはまあ、最初からこれが狙いだったんだろう。


外を見てみると天気雨。少し外に出るのが愉快になってしまう。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

爆薬大剣使いのサイドストーリー @shougatsuyase

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ