第2話もてたい少年リベンジマッチ

なんだろうか、俺のこの話が地味に人気が出てしまった。

理由はよく分からない…だがまぁ、みんなも思っているのだろう…。

モテたいと!

ならばこの俺が先陣を切って色々試してやる!見とけよ!俺の生き様!


さて、巷では…「隣の人がからかい上手」っ的なのが人気があるそうな。

ふむ。確かに隣の席の人が可愛くて、自分のことをいじってくれたらそりゃ嬉しいだろうよ。

ってな訳で実践してみた。


「ねーねー、水瀬さん。俺の事弄ってみて」


「えっと…誰?」


検証終了だ。

結果俺の存在は隣の人にすら覚えられてないとわかった。


まぁ…な。陰キャなんてそんなもんさ。

てか、別に隣の人もそんなに可愛くないしな!ゴリラとカバを足して2で割ったような顔しやがって!


まぁ、気をとりなして…次だ。

なになに、教師とのいけない関係…だと?

まぁ、なるほどな。教師に目をつけるとは最近の作家さんは凄いな…。マジで尊敬します。

でもまぁ、やっぱり親戚とか、年上の幼なじみとか、そういうちゃんとした設定の上で成り立っているからセーフなのだろう。

ふっ…なるほどな。

これなら俺にもいるぞ、知り合いの先生が…。


「ってな訳で来たぞ。坂本先生!」


「あら、龍馬くんじゃん。どしたの?」


「俺はな切実にモテたい。そして、坂本先生とのラブコメを始めてみようと思ったのだ!」


「ごめん。さすがに弟とは無理だわ…」


「だよね。知ってた」


「あ、今日カレーにするから買い物よろしく」


「りょーかい」


ふむ。万策尽きたぞ…。

何かいいアイデアはないものか…。

そう考えていると俺は、はっ!っとした。


「そうだ…忘れていたぞ。確かラノベ物ではよく出てくるじゃないか!義妹が!」


そう。義妹ものだ。それは多岐にわたり、仲の良かった後輩とか、美少女の同級生、更には年上のお姉ちゃん物まで多岐にわたるものが!


「ふふふ…そうと決まれば…!」


俺はすぐさま家に帰りテレビをのんびり見ていた父に俺は言い放った。


「親父!再婚してくれ!」


「おま!物騒なこと言うなよ!再婚も何も俺とママはめちゃめちゃラブラブだからな!」


「くそっ!息子が一生独身でもいいのかよ!」


「なんで息子の独身と俺の再婚が関係あるんだよ!」


「いいじゃねーか!ただハンコ押すだけだろ!」


「おま!なんてこと言いやがる!俺はなぁ!一途なんだよ!」


「なんで親父にのろけられないといけないんだ!恥を知れ!」


「恥を知るのはお前だよ!」


「そうだな!ごめん!」


「分かればいいのだよ!息子よ!」


俺はそのまま自分の部屋に帰ってきた。


「くそっ…どうして現実はこうも上手くいかないんだ!」


俺は考えた。何が間違っていたのかを…そして、答えは出た。


「そうか、俺がモブキャラだからか…?」


そうだ。俺に足りないのは圧倒的な主人公力なのだ。

しかし、俺は身につけるものではなく、生まれた時に決まっているものなのだ…。


「こうなったら…催眠術か…?」


こうして俺の思考は更に迷宮入りするのであった。

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モテたい少年は今日も頑張る〜何も努力もしてない奴がモテてたまるか! 青の空 @ShimonZu

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