第12話 最後は笑顔で......また逢いましょう

「私も、美果子のことが大好きだ。いかなる時も、ずっとおまえを見守っているよ。さらばだ、美果子」

 涙を浮かべた凜々しい目に、優しい光が満ちている。微笑みながら、別れを告げたジャンヌは、まばゆい銀白色の光となって消えた。


 もう、後ろを振り返らない。私は、ひとりじゃない。だから……しっかり前を向いて、進むんだ。

 黒、赤、緑の光線が、物凄い速度で飛んでくる。前方から飛んでくる光線を、再び半円形状に広がった結界が弾く。

「そう何度も、同じ手に引っかかるもんですか!」

 自力で結界を解き、右手に携えている黄金の剣封印のつるぎを垂直に構えた私は剣を振り、光線を放つ。銀白色の光線が巨大な光の球となり、前方に佇む三体の下級悪魔に命中した。

「今の私を、ほんの数分前の私だと思って甘くみないことね!」

 啖呵たんかを切った私はすかさず、

「神聖なる力を秘めし剣よ!なんじの力を以て、この世に解き放たれし闇の使者を封印せよ!」

 しっかりとした口調で呪文を唱えながら天高く飛び上がり、黄金の剣封印のつるぎを三体の下級悪魔めがけ振り下ろした。

聖なる刃セイントブレード!」

 最後にそう叫び、身の毛もよだつ断末魔をあげた三体の下級悪魔を封印。一件落着となったのだった。

 私は、自身がロビンの使い魔だったことは覚えていない。けれどなんとなく……誰かを愛し、その人の役に立ちたいと思っていたような気がする。

 いつも困ったことがあると相談に乗ってくれて、力を貸してくれる。時に厳しく、時に優しく見守っていた人が、私のすぐ傍にいたような気がする。でも、その人が誰だったのか、思い出せない。

 温かい目で私を見守っていたその人も、私のことを愛してくれていたような、不思議とそんな優しい気持ちが心を満たしていた。

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本当は...... 碧居満月 @BlueMoon1016

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