第4話 道の途中で





 ドワーフの戦士達と別れて草原を歩く事1時間、ようやく街道にたどり着いた。


「ふう~やれやれ、運動不足がたたって足が痛いな、こりゃ明日は筋肉痛か」


ちょっと歩いただけで足が痛くなってきた、走るのは論外だ、メタボだし。すこし休憩だ、街道に出たし、それに確かめたい事もある。


まずはアイテムのコマンドだ、メニューコマンドと念じる。


アイテム、スキル、ステータス、この3つが表示された。


アイテムのコマンド表示を試しに指でタッチしてみる、・・・おお、出来た、仕組みは分からんが。アイテム一覧が表示された、今のところ服とハンドアックスだけだ。


異世界物の小説やなんかでアイテムボックスなんてのがある、物がいっぱい入るやつだ。


試しにアイテムボックスと念じてみる。


・・・何も起こらない、・・・そこまで便利じゃないらしい。


本当に持ち物だけアイテム一覧に表示されるだけみたいだ。


ただ一つだけ気になるのは、アイテム一覧に表示された物に説明文が一緒に表示される事だ。これは使い方によっては便利なのではなかろうか。


例えば服、これは「日本製の背広」、と表示されている。


ハンドアックスも同様に、「戦闘用の手斧」、と表示されている・・・攻撃力は+1らしい。


続いてスキルだ、これは先程、「異世界語」、と言うスキルを習得したのでやり方は分かる、SP《スキルポイント》を消費してスキル一覧から必要と思うスキルを選択して習得するタイプだ。


スキル一覧には今現在、俺が習得できるやつしか表示されていない。


次はステータスだ、指でタッチする。



 LV1

 HP3  MP0

 力 3

 体力 1

 すばやさ 1

 器用さ 5

 魔力 0

 幸運 2


 ユニークスキル メニューコマンド

 スキル 異世界言語


 BP1  SP0


・・・やっぱり低い、こんなんでやっていけるのかな、不安になってきた。


このBPってのはなんだろうな? ゲーム「ラングサーガ」には出てきていないからな。・・・仮にボーナスポイントとしておこうか、このBPの使い方とか意味が解らない。


試しにBPと念じてみる、・・・何も起こらない、保留だな・・・その内なんとかしないと。


取説が欲しい、マジで。


大体こんな所か、いい感じに休憩も取れたし、そろそろ行くか。


俺のゲーム知識が確かなら、この街道はバーミンカム王国の王都バーミンカムから王国の端っこにある街、サラミスまで続いている筈だ。


「と言う事は、東に行くと王都で西に行くとサラミスの街か、よし、西へ行こう。サラミスの街の方が近い筈だ」


と、言ってもゲームと同じマップとは限らないけど、行くだけ行ってみよう。ドワーフの人達との会話でもとくに不信がられてなかったし。その辺はゲームと同じだったりして、なワケないか。


とにかく行ってみよう。


街道を西へ歩いて30分、今のところモンスターとの遭遇はない、静かなものだ。


「う~ん、道が整備されているだけでなんて歩き易いんだ」


ひとつ伸びをする、いい天気だ、今何時くらいだろうか。太陽は真上にきている、昼だな。


「そういや腹へったな、コンビニに行くつもりで異世界に転移されたんだっけ」


今考えると無茶苦茶だな、あの喫茶店? は。


「ん?なんだ、人影が見えるぞ。3人いるな」


街道を歩いていると遠くの方から3人の人影が見えてきた。武装している姿格好から推察すると、どうやら冒険者風の人達のようだ。


「まさか山賊とかじゃないよな」


そのまま歩いて近づく、どうやら一人座り込んでいるようだ。ほかの二人は立ちつくしている、何だろうな。


このまま素通りするのも何だかなあ、話かけてみるか。


「あの~、どうしましたか」


「おお、ちょうどよいところに来てくださった」


「ちょいと手伝ってほしいんだよね」




何かな? おじさんに期待されてもなぁ






 




 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る