直訳!!~武田信玄~

武田伸玄

第1話

 父親を追放し、若くして武田家の当主になった武田晴信(後の信玄)。

その晴信が治める甲斐国(今の山梨県)は昔から洪水が頻発していた。


 「何とか洪水を防げないであろうか。」


 若き晴信が考え出した治水対策は、


 ”信玄堤”


 と後に言われる素晴らしい堤防であった―



 「御屋形様!?」


 「なんだ、そんなに驚いて。」


 「いや・・・、こんなところに寝ていたら驚きますよ。」


 家臣の馬場信春が目の当たりにしたのは、

川岸にいくつも横たわる晴信の巨像だ。


 「こらっ、それは巨像だ!」


 「あっ、失礼しました御屋形様!」


 「おい、なんで別の巨像に謝っているのだ!!」


 「あ・・・。」


 これらの巨像は晴信そっくりに作られたものだが、

とにかくデカい。


 「わしはそんなに大きくないぞ。」


 「確かに。」


 この巨像たちが増水した川の水を防ぎ、

周辺の村々は大いに発展することになる。


 そして、この巨像はもう一つ恩恵をもたらしたのだ。


 それは国民が毎日、晴信の姿を見ることでプロパガンダ効果が生まれ

忠誠心が高まり戦国最強の軍団になったということでした。


 どこの独裁者だーっ!?


 

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