いつの間にか

隅田 天美

いつの間にか

私が小説を書き始めたのは何時からだろう?


その時だけは現実の嫌なことを忘れられた。


虐めも


虐待も


暴力も


空想のキャラクターに復讐してもらった。


それから、どれだけの時間が過ぎたのだろう?


私は今でも小説を書いている。


誰かを救おうとか世間に復讐をなんて考えなくなった。


ただ、誰かの側にいて寄り添い同じ夕日を眺める。


くだらない話で笑い合う。


それだけでいい。


元々、インターネットも


小説も


人を馬鹿にしたり


貶すためのものではない。


『誰々が悪い』


『自分が正義だ』


本当にそう思うのなら


作品に落とし込め。


『自分の作品が認められないのは環境や読者が悪い』


違う。


それは自分の腕が未熟だからだ。


もちろん、危機感や使命感はあるだろう。


だが、焦るな。


焦ればロクな結果は生まれない。


――いや、PVは多いし星ももらっている


気が付かないだろうか?


それを言った時点で見下している奴らと同じだということに。


もちろん、PVや星は私も欲しい。


でも、立ち止まって欲しい。


君は何のために小説を書いている?


世の中を変えるなら、それこそ政治家や活動家になったほうが早い。

(もっとも、彼らのクズっぷりは目に余るものがあるが)


私は読者の側にいたい。


だから、時々自分に問う。


――私は私でいいのか?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

いつの間にか 隅田 天美 @sumida-amami

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ