第26話 穢れネコと穢れ鴉



これは余談だが、




穢れが喰べるのは、人間だけではなく、動物や虫など生き物全般が含まれる。


特にここ東京では、『穢れネコ』や『穢れ鴉』が多い気がする。


江戸時代、六畳家の中には、穢れネコや穢れ鴉も全て祓おうとした人も居るが・・・近隣住民に気味悪がられて、役所にしょっ引かれたらしい。



『草』

『草』

『ヤベェ奴しかいねぇなw六畳家』



現在の方針では、人を襲わない限り、これらは無視だ。


師匠曰く、

「ネコにはネコのしきたりや世界がある、ワシらが立ち入る必要はない」


『ネコの世界』ってワードだけがちょっと面白かった事だけ記憶に残っている。






$$$






深夜すぎ、出前の連絡も来なくなった時間帯・・・



今夜も穢裁刀を持って街をぶらつく。



(穢れ・・・居ないかな?)



目線の先、猫が数頭路上で寝っ転がってたわむれている。



(ネコは苦手だ・・・)



穢れかもしれない事もさることながら、自身のセンサーに反応し辛いのも、恐怖に拍車をかける。


だが、暖かくなってきたこの時期、そこらじゅうに奴ら居るんだよなぁ・・・




「ツッツッ・・・にゃーちゃん・・・可愛いでちゅね」




不意に声に反応して横を見る。

そこには夜守の壬屋子とかいう女が、嬉しそうに猫を撫でている。



「あ」



何も見なかった事にして通り過ぎようとした所を気付かれる。




「ちょっと!その嫌な物見た様な顔、何なの!」




そして、なんか知らんが怒られた。





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