第19話【余談】御代の家に宅配



御代は都内のアパートにこっそり住んでいる。




夜守のお屋敷に住むことも当然できる。

だが、仕事以外であんな場所に常駐するのは息がつまりそうだったので

こっそり離れた場所に住んでいた。


仕事とプライベートは分けるのが、長く続けるコツかもしれない。





非番の本日





夕食時、

御代はラフなカッコで、スマホを覗く。

外食しても良いが、

着替えるのが面倒だな

着物は着付けに時間がかかるし


こんな時は、料理屋の宅配サービスが便利だ。



「あそこの和食屋のヒラメの煮つけがちょうど食べたかったんよ」



前に食べた事を思い出しながら

ごきげんで鼻唄を口ずさみながら、料金を準備して料理が届くのを待つ。


今の自分のカッコ・・・配達員を迎えるにしてはちょっとだらしがないだろうか・・・


まぁ、かまわへんやろ

一瞬しか会わんのやし




ピンポーン




チャイムの音

「ちょっと待ってやー」

声を掛けながら玄関を開くと・・・




「!」




この眼付きの悪そうな男子には見覚えがあるな・・・

ああ、あれは・・・六畳のとこの弟子の・・・



「四冥君・・・」



その声で、向こうも気づいたのか「あ」という顔をしている。




油断しきっていた所の・・・

まさかの知り合いとの遭遇に、内心冷や汗が止まらない。





”御代様w”


”だらしない独身女性イイね!”

”ブラ紐ブラ紐”

”チラ見せがまたイイ!”


”ババアじゃん?”

”ロリコンは黙ってろ”




「あの・・・四冥君、今この瞬間の事は・・・黙っててもらえると嬉しいんやけど・・・」




四冥は騒いでいる米達を横目で見ながら

冷静な顔を崩さない。


「お客様については守秘義務がありますので」




「君はホント・・・ええ子やねぇ」




といいつつチップは弾んでくれる御代だった。




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