第18話 修二君の嫉妬



「バイトの片手間にやるなんて・・・『祓い屋業』を何だと思ってるのよ!」




壬屋子は四冥に怒る。

なんと気高いご高説・・・


四冥は右から左に聞き流す。


(ちっ、もう関わらなくていいと思っていたのに・・・)





その様子を見守る修二は、心中穏やかでなかった・・・





壬屋子は少々目が鋭いが、どちらかというと美人だ。

それは、同じ高校の同世代どころか他校の生徒にまで注目を集めるほどである。


だが、生来の男嫌いと彼女の迫力に敗けて誰も彼女とお近づきになれなかった。


そんな中幼馴染の修二だけは別だ。

壬屋子の激情に振り回されながらも、少しは心を許してもらえていると思っているし

異性でかかわりがあるのは自分だけという優越感もあった。




それなのに・・・それなのに・・・




壬屋子が自分から同世代の男子に話しかけた。

しかも、親し気に話している・・・だと?




なんだよこれ・・・




心の中にモヤモヤした気持ちが溜まっていくのを感じる。





”脳破壊\(^o^)/”


”脳破壊\(^o^)/”





「おい!」


四冥は修二に呼びかける。

ぼんやりしていた修二はびくっとして、四冥の方を向く。



「あんたの所の『御代』とかいうトップが俺ともう関わるなって命令だしたの知ってるよな?」


「ああ、聞いてる」





「お前のこいつの『相方』なら、ちゃんと言い聞かせとけよな!」





『相方』・・・



相方・・・

相方・・




その響き・・・良い

俺と壬屋子の関係が『そう』見えたって事か・・・


こいつ良い奴じゃん!



修二の中で、四冥への敵視がやわらいだ瞬間であった。




”は?ちょろ”

”それでいいんだ、修二君”




四冥はなんでもいいから壬屋子をどかして欲しかった。






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