第15話 『御代』の逆鱗に触れる その5





重く戦慄の走る空気





四冥は顔を上げはっきりと言葉をつむぐ。




「夜守に所属する気はありません・・・それに不肖の弟子、緋鶴は、こちらで探し出して処分します、俺はそのためにここに居る」




その言葉を聞いた瞬間

空気が若干ゆるむ。


御代はふっとため息をつく。



「なるほど、君が汚名をそそぐってわけやね」


「ええ」




「その言葉聞けて、安心したわ・・・もう夜遅いし、今日の所はお開きにしよか」



周りの蝶と植物がぼやけて消えていく。

茶道の道具すらも、実物じゃなかったのか・・・



「壬屋子ちゃん、行くで」

「はい!」




そうそう、これ




最期に彼女は封筒を寄こす。


「穢れた退治の報奨金や」


「え、でも」




「仲間としては認めんが、仕事に対して、けじめはつけんとな」




あくまで、ビジネスの関係だと念を押して

彼女は去って行った。




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