第9話 六畳の剣術





六畳家の技は、祓い屋の中でも特に異質とされる。






基本的に祓い屋は『祓力』を行使する。

『護符』を用いた防御は基本的に祓い屋ならば誰でもできる。

事前に紙に『祓力』を溜めて、体を『祓力』で鎧の様にガードしながら戦う。


先刻、修二の体がダメージを受けたのはそれでも穢れの貫く力が勝っていたためである。




だが、六畳の人間は異なる。




ほぼ、穢裁刀のみで戦う。

それでも、すべての祓い屋の中で、

最強と目されるほどの人物を歴史上何人も輩出している。






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距離を取る断罪ギロチン

四冥は刀を構え、それと対峙する。



(ちっ、不意打ち失敗・・・)



横目に見える、腰を抜かした女子と怪我をした男子・・・


あれは穢裁刀?


(げ、もしかして、夜守の連中か・・・)




”よし、貴重な女子高生は守れらたな”


”男の方が死にかけだが”


”まぁ男ならいいか”





師匠の「夜守の連中にかかわるな」という言いつけが、四冥の頭をよぎる。


瞬間、大きな黒い影が、腕を振りかぶる。



断罪ギロチンの攻撃を咄嗟に四冥は刀で受ける。

鋭い金属音が周囲に響く。




痺れる腕・・・




こいつも強い

考え事して勝てるほど、甘くないか




四冥は改めて穢れを凝視し、呼吸を整える。





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