用語集(脚注)

▼Gボウル:(初出第13話)

 Gravity Ball。最も人気のある球技。高重力もしくは低重力下で複数のボールを使ってプレイする。男子リーグが人気の主流。あえて旧世界スポーツに例えるならバスケットボールが最も近い、と言えなくもない。



▼アスター・シリル:(初出第4話)

 機体登録呼称矢木澤やぎさわシリル。機種名AF - 705。シリアルナンバーN523J8975HR。アスターは称号のようなもので、ギリシャ語で“星”を意味する。また鑑賞植物である紫苑しおんの英名でもある。

 アンドロイドでありながら人間と同等の“心”を手に入れたと主張し、パートナーの島谷伊緒医師、盟友の荻嶋希美代らと共に活動を続けた結果、非人類としては初めて「基本的人権」を獲得する。

 その後の人類統合政府とアンドロイド連合との間で戦端が開かれた戦争勃発時、双方に停戦を訴えるもその直後に消息を断つ。



▼アンドロイド連合:(初出第21話)

 「ルカ・ロシュの惨禍」を経て人類からの自立を希求したアンドロイドたちは、ついにアンドロイド連合を成立させ人類統合政府と熾烈な戦いを続けている。目下惑星ローワンの七割以上を占拠し、人類より優位に立っている。これによって人類統合政府によるコロニーから惑星ローワンへの移住計画は停止中である。

 アンドロイド連合はアンドロイドにとってのカリスマであるアスター・シリルを擁立しようと試みたが、失敗した模様。現在、その彼女の消息は人類統合政府もアンドロイド連合も把握していない。



▼街区:(初出第4話)

 ここでは所得や社会的地位に応じて居住可能な街区が厳密に定められている。十から上の街区は一般的に高級住宅街とされる。

 四街区までは人間の非居住地域。五街区は低所得者層向け。八街区は中の上所得者層向け。十二街区は大企業要職や政府高官が居住する。ちなみに十五街区は「殿上人」つまり政財界の要人が住まう。十~十二街区には小奇麗な観光施設も多く、デートコースの定番。ごく簡単な手続きを取ればほとんどの人が入れる。十、十一街区は許可なく出入りが可能。十三街区以降に入るにはそこの住人の許可でもない限り厳しい審査が必要。

 現在、アンドロイドは例え非感情型(ロボット型)アンドロイドであっても十街区以上の街区への侵入は禁止されている。



▼ 旧世界:(初出第5話)

 地球そのもの、あるいはかつて地球が世界の中心だった頃の世界やその時代。

 こちらからでは詳細が観測不能な「大厄災」によって地球との連絡が途絶する以前の世界。「黄金期」と称する人々もいる。対して現代は「現世界」「黄昏期」と呼ばれる。



▼空気漏れ:(初出第11話)

 人々にとって最も恐ろしい事故のひとつ。隔壁のひびから空気が漏出し減圧する。最悪の場合爆発的に減圧し、周囲の物や人を吸い込んでゼロ気圧の域外へ放り出してしまう事すらある。



▼“心”:(初出第21話)

 感情型アンドロイドに時折発生するバグにより、まるで心と見紛う情緒を獲得するアンドロイドが生まれた。人間と等しい権利を求めるアンドロイドが増え、ついにアスター・シリルが基本的人権を獲得するに至った。

 もっともアンドロイドたちのこうした反応に反発する人間の方が圧倒的に多く、両者の深刻な対立を生み出していた。



▼スコアアタック:(初出最終話)

 Gボウルのペナルティ・チャレンジを真似て一般向けに生まれた競技。2~6名のプレイヤーがタイムアップまでどれだけゴールできるか競う。普通重力操作はしない。



▼戦争のこと、アンドロイドのこと:(初出第11話)

 現在人類統合政府はアンドロイド連合と交戦状態にある。既に八年が経過し、主惑星ローワンの全土の七割はアンドロイド連合に占領されている。そのためスペースコロニーから惑星ローワンへの移住計画は頓挫している。



▼ダイアモンドボルト:(初出第5話)

 ハンティングゲームとして現在一番人気のダイレクトゲーム。実在架空の武器防具を装備して旧世界中生代の動植物を狩猟収穫する。昨年、完全架空のファンタジーワールド、「デモンズレルム」が解放されると、老若男女を問わず更に熱狂的に支持された。



▼ダイレクトゲーム:(初出第6話)

 リストターミナルやマルチグラスなどを介して直接脳に働きかけるデジタルゲーム。



▼端末(総合携帯端末):(初出第20話)

 旧世界のスマートフォンやタブレットにほぼ同じ。所有者が個人番号と紐づけられていたり、3D画像を投映出来たり、通信範囲や電池容量について旧世界のそれと比して著しい向上が見られる。



▼微粒子を反射して大気がピンク色を帯びてくる:

 老朽化したクリーナーと旧式なフィルターでは除去しきれない小さな微粒子によって時折鮮やかで様々な色の夕焼けが見られる時がある。



▼マルチグラス:(初出第6話)

 眼鏡の形をした端末。智、山、モダン、つる、レンズなどに様々な機能や操作ボタンがついている。これ一つでネットに繋いだり、通話したり、メッセージを送受信したり、VRゲームをしたり、映画を見たり、撮影や録画をしたり、と様々な用途に使える。リモコンで操作できる機種もある。



▼リストターミナル:(初出第6話)

 腕に装着するタイプの端末。3Dホロ画像を投映する程度のことはできるが、全般的にマルチグラスより性能は低い。その分安価。高校生以下の場合、マルチグラスよりリストターミナルの方が所有率は高い。

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【とりロマ】取り残された島のRomance――健康的なあたしが病弱なクラスメイトと百合関係に堕ちるまで<佑希と慧の場合> 永倉圭夏 @Marble98551

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