第44話 メンヘラは怖いぞぉ(/・ω・)/

 前回までのあらすじ


 役者Aと絶縁した事で不思議と当たり前あらゆる事が上手く行くようになってきたGhost。


 まともなイベントに参加したり、自分が書いている作品が評価されるようになったりと順風満帆な流れを感じていたのですが悲しいかな。良い流れは長くは続いてくれない!

 一緒に路上で絵を描いていたメンバーである元キャバ嬢の絵師Bがメンヘラ拗らせて、極めて攻撃的になっていくのでした。


 ……って言うか、僕も統合失調症だからメンヘラやん!




人の家ヘルハウスをラブホ扱いするな!


 とある週末のこと。いつものように絵を描いていたところ、これまたいつものように絵師Aが言いました。


絵師A

「泊まりに行っていいですか?」


 いつもの事なので普通にOKしたのですが、そのに追随するように絵師Bも


絵師B

「じゃー、アタシも」


 まぁ、こちらもいつもの事。夕方になりお絵描きを切り上げると、みんなで僕のアパートヘルハウスへ向かい、いつものように宅飲みして眠りにつきました。


 さて、朝方のことです。

 何やら声が聞こえて目が覚めました。なにせ僕は様々な精神疾患の影響のためか眠りが超浅いので、僅かな周囲の変化で目が覚めてしまいます。自室の前をネコが歩くだけで目が覚めるし、そもそも両目を見開いたまま眠れるくらいです。殺し屋は片目を開けて眠るというが、もはや僕は両目を開けて眠る特技を持っているくらい(/・ω・)/

 メッチャ、眼球乾くけど(/・ω・)/


 さて話しを戻しましょう。目を閉じたまま声を聴いてみると、なにやら絵師Bが「寂しい」だのなんだのと呟いていて、それに対して絵師Aが寝ぼけた声で抵抗している。

 しかも何やら衣擦れの音までしている。

 おいおい、俺ん家だぞ。ちょっとは遠慮しろよ!


 絵師Aは寝ぼけながらも抵抗している様子なので、コイツはイカン! どうにかして助けなければ!

 あ、ちなみに誤解の無いように言っておきますが、


・襲われてる方

 絵師A♂二十歳前半。健全男子。良き変態。

・襲ってる方

 絵師B♀アラサー、メンヘラ。脱法ハーブ常習者。


 おいおい、ちょっとは遠慮しろよ!

 そもそも家主が気づかないとでも思ってるのか!?


 さて、人の家で致し始められても困るし、そもそも絵師Aの貞操も守らにゃならん。ホント、サークルの代表(?)というのは大変です(普通のサークルはそこまでドロドロしてないと思うの(/・ω・)/)。

 スキを見て咳でもしながら目を覚まして、そのまま朝飯でも作ってお茶を濁そうと思い、二人の(正確に言えば絵師Bの)気配に集中していた時です。

 なにやら背中がゾクゾクとしてきて


Ghost

(なんだろぉ、おかしいなぁ、怖いなぁ、やだなぁ、やだなぁ)


 と思っていると部屋の別の所に何かの気配がある。すると、その気配が向こうの方からスーッとスーッと来るんですね。


Ghost

(やだなぁ、やだなぁ)


 背中がゾクーッとしたかと思うと気配が首元まで上がってきて、フッと身体が動かない。


Ghost

(ウワッ、金縛りだぁ!)


 心の中ではそう思うんですけどね、身体は動かない。そう思っている間にも絵師Aの貞操は危機にさらされている。


Ghost

(怖いなぁ、怖いなぁ)


 でも、どうにかしなきゃってことで、うろ覚えの般若心経なんかを心の中で唱えてみたりするんです。


Ghost

(かんじ―ざいぼーさつぎょーじんはんにゃーはーらー……)


 けれども、うろ覚えで付け焼刃のお経を唱えたところで金縛りはおさまりません。


Ghost

(……くうねるところにすむところやぶらこうじのぶらこうじ……)


 唱えていた般若心境も途中から寿限無に変わってしまうありさまで、刻一刻と絵師Aの貞操の危機が迫っていきます。


Ghost

(やだなぁ、やだなぁ、もう最後の手段しかないかぁ)


 というわけで最後の手段にして僕の最強の武器を発動する事となりました。

 それは……


Ghost

『ボォォォォォォォォ!!!』(デスボイス)


絵師A&B

「うわ、ビックリした!」


 デスボイスでシャウトした後、ゲホゲホ咳をしながらメガネを探す振りをしていました。ホレ、今のうち服装を整えんかい。


絵師A

「なにがあったんすか?」


Ghost

「いやー、金縛り。いつもの事よ。さて、朝飯なに食う?」


 と言った感じで超強引にトラブルを回避! いえあ!!




 ……後から聞いた話なんですが、この後、絵師Aは絵師Bに告白されたけど断ったそうな。

 ……うーん、そりゃ二十歳前半の才能ある若者に、メンヘラ拗らせてSNSで毒吐きまくっている攻撃性の高い脱法ハーブ好きのアラサー女ってさすがに重すぎですよ。




〇「わかりました。死にます」なんも分かってねぇぇぇぇ!!


 前回のエピソードでご紹介した、商店街でのお祭りに参加する直前の出来事です。

 みんなでイベントの前に打ち合わせをしたのですが(絵師A、絵師B以外にもメンバーが居るのよ)、絵師Aは用事があって欠席。

 欠席の理由は前に路上で知り合った家出少女が高校入学が決まったとの事で、お祝いもかねて遊びに行く約束をしていたそうな。それなら仕方ないね、と言った感じで誰も気にしていなかったのですが、これに対して絵師B逆上。


 打ち合わせの数日後、


絵師B

『大事な打ち合わせに顔を出さない絵師Aに謝罪を要求する』


 という旨のメールがに来ます。とはいえ僕は別に気にしてないから、


Ghost

『謝って欲しいなら直接絵師Aに言ってね』


と返すと


絵師B

『わかりました。じゃあ死にます』


 ……?

 ……?

 ……何がどうなって、そうなった!?


 その後、ホントに死なれても夢見が悪いのでとりあえず僕が謝ったのですが、結局、三日間ほど音信不通。どうやらODやってたようで三日ほど気を失っていたそうな。


※注

OD……オーバードーズ(over dose)。直訳で過剰用量。処方薬等を過剰に摂取する事ですね。

とはいえ、彼女の処方されている薬はキロ単位で飲まない限り死ぬことはありません。

肝臓に負荷がかかるので、多量摂取してはいけない事に変わりはありませんけれど(^_^;)


 こう書いていると大事件のようですが、この頃の絵師Bは月一ペースくらいでODやって気を失って、その状況をmixiで報告して注目を集めてた人だったから、きっかけがあればとりあえずODしてたと思う。


 さて、その後の事ですが、商店街のイベントの参加のために絵師Bの機嫌を取る必要が出てきました。そこで彼女の絵をモチーフにしたオリジナルの名詞をデザインし、ついでに他メンバーの名詞も制作しました。

 これによりイベントが終わるまでの間は一次的に落ち着いてくれるのですが、そう長い時間を置かず、絵師Bは再び暴走します。




〇直接言えないからネットで暴走。


 さて、この辺りの暴走っぷりエピソードは沢山あったので箇条書きしていきますん(/・ω・)/

 数々の暴言は全てmixi上で発せられていました。


・好きな人にフラれた挙句、その人は小便臭いガキの相手ばっかりしてる。

(これは絵師Aに向けた言葉と思われる。家出女子中学生と会っていた事を言っているのでしょう)


・アタシの相手をしてくれたのは詩人気取りのホームレスだけ。

(これは以前に路上で知り合った詩人Bさんの事。詩人Bさんは絵師Bの不安定な精神を心配して色々励ましていたのよ)


・本ばっかり読んで現実を知らないリーダー気取りの誰かさん。

(僕に言った言葉だろうねぇ。マ、マジかぁ。僕の今までの経験って全部本で読んだことだったのかぁ(/・ω・)/)


 さて、そんな暴言をmixiに吐き散らしていたところ、現代詩人Aヒモが心配して(?)絵師Bに対してmixi上でメッセージのやり取りを始めます。

 しかし、悲しいかな。いわば彼女は冬眠できなかったヒグマ。どんな刺激にも逆上してしまうのです! 

 そんな逆上する絵師Bに対して大人な対応を見せる現代詩人Aヒモ……であれば良かったのですが、残念、この詩人Aというおっさんも大概なアホですので二人は口論に発展。


 その後なぜか二人は自身の違法薬物ドラッグ経験でマウントを取り合う事態に(/・ω・)/アカン

 最後には詩人Aも絵師Bも世界を憐れむ詩をmixi上で綴り始めるという、超シュールなやり取りでこの論争は幕を引きます。


……これ赤の他人として見たらマジで面白かったんだろうな(笑)




〇絵師Bにたいする個人的所見


 さて、僕の絵師Bに対する個人的な所見です。あくまでも個人的な物なので的外れな事を言っているかもしれませんが(/・ω・)/


 彼女は双極性障害を患っており、自他に対して極端な攻撃性を持つことがあったのですが、恐らくは双極性障害だけではなくパーソナル障害の類も患っていたと思われます。


 その根拠に、絵師Bは関係の薄い相手とは非常に高度なコミニケーションが取れる能力を持っていました(路上での知り合った相手の人生相談に乗ったりしていた)。ただし親族や友人に対してはその限りではなく、それらの人々が自分の思った通りに動かない事が耐えられないようでした。

 また、ちょっとした指摘、注意、意見等も他者からの攻撃のように感じてしまい、その反抗として攻撃的になる事もしばしば。

 これは親しい他人と自分パーソナリティとの境界が曖昧になる事で起きていたのだと思われます。


 反面、彼女が僕らに攻撃的になるという事は、彼女は僕らに対して心を開いていたという見方もできます。ただし、これは良い意味での心を開いた状態とは違い、非常に支配的な関係を求めていたにすぎないのだけれど。


 たしかに言えることは、僕らの手に余る人だったという事です。専門医に治療してもらうケースであり、僕らが犠牲になる事ではありません。




〇他者との絶縁を覚えてしまったGhost。様子を見て絵師Bと絶縁!


 役者Aとの絶縁後、僕は僕の中にという選択肢が存在した事に改めて気が付いた状態でした。だからと言って簡単に人と縁を切る事はしたくなかったのですが、絵師Bに対しても縁を切った方が良い状態であるということは明白でした。

 なんせ、


絵師B

『私は精神がおかしくなっているから何をやっても裁かれないし、何をやっても許される。幸せそうにしてる奴ら、偉そうにしている奴ら、全部巻き込んでやる』


 みたいなことを連日のようにmixiに書き込むようになっていました。

 正直な話し、この頃には僕にとっての大切な友達や、当時付き合っていた恋人等にも危害が及ぶリスクすら感じていました。


 というわけで、パパっとmixiをブロックして彼女との縁はそれにて終了します。良くも悪くもSNSの設定一つで人間関係を改められる時代です(/・ω・)/


 さて、その後の彼女については何も知りません。

 当時はこの人が自分のせいで死んだら後味悪いしなぁ、とは思っていましたが、縁を切ってしまえばお互いの生き死にすらわからないので”心配”という感情の入り込む余地すら消えてしまいます。

 これは人と人との関係を軽視してしまうよな、ある意味では恐ろしい事ですが、ここでも僕は”見放されたような喜び”を感じていました。

 いや、今回に限っては見放したのは僕の方なんだけれど、別に見放したかったわけではないので(/・ω・)/


 今思うと絵師Aが襲われた辺りで縁を切れば、それほどお互いに傷は大きくならなくてすんだのかなぁ、と後悔しているところはあります。

 とはいえ全ては済んだこと!

 一つ悪縁が切れたのだから、新しい縁が舞い込んでくるはず!


 というわけで次回は番外編。

 題して『ブラックアーティスト達とドラッグ事情!』


 悪縁が切れたからと言って、良い事が起こるわけではないのですm9(^Д^)プギャー


 彼らと関わる事で知った笑えるエピソード(とはいえ真似したいとは思えない)や、悲惨なエピソードまでご紹介。

 ちなみに薬物について推奨するものではございません。そして僕は違法な薬物に手を出した事はございません。



 to be continued(/・ω・)/

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