(漫才の脚本)ヨガのおばちゃん

九十九ひろひろ

漫才の脚本、ヨガのおばちゃん

a:ツッコミ

b:ボケ


a「どーも」

b「こんにちは、キムタクでーす」


a「どこが、キムタクやねん。訴えられるわ」

b「キムタクの横、空いていますよ」


a「誰も来ないわ、気持ち悪いわ」

b「最近な、ヨガはじめたんや」


a「いきなりやな、ヨガか、体に良いらしいな」

b「ほんまに、体がリラックスするわ」

「ヨガの先生な、おばちゃん先生なんやけど、しゃきしゃきしてるわ。

本当の歳は秘密らしいが、うわさでは60歳を越えているらしいぞ」

「でも、しゃきしゃきなんや。しゃべりもうちらよりしゃべるぞ。ベラベラやぞ」


a「すごいな、おばちゃん。R1優勝候補やな」

b「とっておきのヨガのポーズ、教えたるわ」

bが突然『酔っぱらいの真似する』(千鳥足で歩く)


a「なんや、それ」

b「酔っぱらいのポーズや」


a「変なポーズやな」

b「これは、すごいんやで。体がリラックスして、宇宙の気がみなぎるんや」


a「ほんまか」

b「ほんまや」

aの疑いの目


bは酔っぱらいのポーズを続ける

b「騙されたと思って、してみいや」


a「まぁ、ちょっとだけしてみるか」

酔っぱらいのポーズをするa


b「でも、そのおばちゃん先生が言っていたわ、

『人前では、しないで下さい』って『捕まりますよ』って


a「なんや、それ」

a「こんな人前でしていたら、捕まるんか」

「俺、捕まるんか」

b「大丈夫、オレが先に捕まるから」


a「あほか」

b「あと『駅のホームでは、絶対やらないでください、電車に引かれます』って


a「おれが、お前を引いたるわ」

b「そや、いいこと考えた。みんなでやれば良いんだ」


ab「さあ、みなさん、立ち上がって『酔っぱらいのポーズ』ですよ

ab「酔っぱらい、酔っぱらい」

と言いながら、二人で酔っぱらいのポーズを続ける


a「疲れたわ」

b「疲れたな」


b「どうや、宇宙を感じたか」

a「わからんわ」


b「お前、まだまだやな」

a「お前は、わかるのか」


b「わかるわけないやろ。宇宙なんてわかるか、あほか、お前」

a「なんやと」と怒る


b「宇宙を感じられるのは、おばちゃん先生ぐらいにならんと無理に決まっているやろ」「ヨガなめんなよ」

「とりあえず、あやまって」


a「何?」

b「おばちゃん先生に、あやまって」

a「なんでや」

b「偉大なるおばちゃん先生にあやまって下さい」

にらむb


a「すいませんでした」謝るa

b「全世界、1億人のヨガ人に、あやまって下さい」


a「なんや、それ」

b「ヨガ人、なめんなよ」


a「しかたないな、すいませんでした」

b「よし、ゆるしたるわ」


a「お前が、言うな」

b「ヨガ人、代表やぞ」

a「お前が代表か、ヨガが狂うわ」


b「もっとスゴイポーズを教えたるわ」

たったまま死人のポーズをするb

b「・・・・・無言」


a「おい」「おい」

b「話かけんな」「死んでいるんや」

a「死んだんか。そりゃ、大変だ」

「なんや、そのポーズ」

b「死人のポーズや」

a「死人? 死んでいるのか?」

b「そや、このまま死ぬんや」

a「大丈夫か、ほんま」

b「おばちゃん先生の師匠はこのポーズをしながら死んでいったらしいぞ」

a「まじか」「本物か」

b「このポーズで死ぬと生き返るらしいぞ」

a「まじか」

b「お前もやってみいや」

二人で死人のポーズをする


a「なんや、この漫才」

「二人で無言か」「放送事故か」

b「そやな。最高のポーズだから、みんなでしないといかんな」


ab「みなさん、死人やで」「死にましょう、みなさん」

「死人死人」と死人コールを始める二人

そして死人のポーズ


a「いつまでやるんや、このポーズ」

「おい、おい、大丈夫か、本当に死んだのか」

「おーい」

b「生き返りました」

a「よかった、生きててよかった、本当に死んだかとおもったぞ」


b「ヨガだけに、ヨガった、ヨガった」

ab顔を見合わせながら「・・・・・・おあとがよろしいようで」


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