十七首目 ちはやぶる

 おはようございます。十七首目です。


・詠み人:在原業平


・ちはやぶる神代もきかず龍田川 からくれなゐに水くくるとは


・訳:数々の不思議を伝える神世の時代にも聞いたことがない、大和の国の龍田川が紅葉を使って、これほど紅く川をしぼり染め上げているとは。


 紀貫之は、「こころ余りて、ことば足らず」と評したそうです。

『神代もきかず』は情感に溢れて過ぎているそうで、『からくれなゐに水くくるとは』は言葉が足らないそうです。


 そんな事言ったら、ほとんどの歌がそうじゃないですか。


 と、思ったら、もしかしたら、そこには貫行の男の嫉妬があったのかも知れません。

 諸説有りますが、業平は825~880頃に活躍し、貫行は868?~945頃に活躍しています。

 活躍時期がカブってる期間があるんですね。


 在原業平は従四位下・右近衛権中将になり、『伊勢物語』の主人公と言われています。一方、紀貫之は従五位上・木工権頭。

 業平の方が位が高いっぽいです。そしてモテていた。

 まぁ、貫行もモテていたようですが、ライバル心があったのかな? とも想像できませんか? 素直に業平を褒められなかったのかも知れない。

 因みに業平は、紀有常と言う人とは仲が良かったらしく、その人の娘? か妹だかをお嫁さんとして迎えています。紀家 全部と仲が悪かった訳では無いようです。

 妬まれていたからなのか本当なのか、学は無いけど歌は上手い。と当時から言われていたようですよ。

 

 この歌は実際の情景を見て詠んだものではないそうです。屏風に描かれた絵を見て詠んだ歌だそうです。

 素人に分かりにくい部分は、龍田川を紅く染めた訳ではなくて、紅葉を使って、川を紅くしぼり染めた。そのように読み解いた方が、歌の妙に触れられるらしいと言うところ。

 龍田川を擬人化しているのがポイントのようですね。


 安倍仲麿、小野篁、紀貫之、在原業平、藤原定家。


 ここいら辺は、なんか、とにかく歌の凄い人って括りでごっちゃになります。

 

 在原業平には黄泉の国に行けたと言う逸話があるんだよ。とか言われても、別に『それは小野篁でしょ?』などと訂正しない気がします。


 在原業平はプレイボーイだったと言うのが定説です。そんな話ししか出てきません。

 羨ましいですね。


はい。それでは。


「ちはやぶる神代もきかず三千人 抱いた女に歌おくるとは」


 一説では、関係を持った女性は三千人を超えているとかいないとか……、抱いてはいないかも知れないですけど、浮名を流した女性の数は、それくらいいるそうです。

 神代って、日本どころかギリシャの神々でも、三千人は行ってないんじゃないかと……



でわ、おやすみなさい。

 



*「学研:実用特選シリーズ 見ながら読む歌の宝典 百人一首」を参考にしています。


 人物については、ネットのサイト等での独自の調査になります。

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