十五首目 君がため

おはようございます。十五首目です。


・詠み人:光孝天皇


・君がため春の野に出でて若菜つむ 我が衣手に雪はふりつつ


・訳:あなたの健康を祈って、春の野で若菜を摘む、わたしの着物の袖にはしんしんと雪が降っています。


他人の健康もいいけど、自分も風邪ひかないように気をつけてね。


 特筆する事はあまり無いです。強いて言えば若菜は七草の事で、歌のなかの君の長寿を祈って、若草と一緒に送った歌だそうです。

 百人一首の中では珍しく恋の歌ではないそうです。『君』が男性なのか、女性なのか分からないんですって。


 光孝天皇は十三首目の陽成天皇の後に即位されたそうです。

 この歌は即位前の若かりし時に、鷹狩をしていて詠んだ歌だそうです。場所は京都の『芹川』周辺の芹川野と言われる場所だそうです。

 即位前とは言え、お伴の人は幾人かいたでしょう。


 若い頃の光孝天皇が、若菜を摘み始めたのです。当然お伴の人達も若菜を摘み始めたでしょう。

 もしかしたら、『君』は光孝天皇ご自身だったかも知れません。


・我がために春の野に出でて若菜つむ ともの衣手に雪はふりつつ


 だったのかも知れない。


 お供の人や、臣下の人をなんと言ったのでしょう?

 『ともの衣手』ではおかしい気がしますが、まぁ、ザックリなので勘弁して下さい。

 


はい。それでは。


「誰がために雪は降るのか」


 光孝天皇はお優しい人だったらしく、若菜を摘む行為は純粋なものだったのでしょうが、『我が衣手に雪はふりつつ』の部分には、少なからず『こんなに寒い中で……』そんな光孝天皇のアピールが感じられます。


 雪が降っていることを利用した訳ではないでしょうが、『雪が降っていることさえ厭わないほど、貴方を思っています』

 雪は自分の想いを更に美しくする、白粉のようなものだったのかと……


 そうですね、だからやはり『君』は光孝天皇ご自身ではなかったのかと、そう思うのかも知れません。



でわ、おやすみなさい。

 



*「学研:実用特選シリーズ 見ながら読む歌の宝典 百人一首」を参考にしています。


 人物については、ネットのサイト等での独自の調査になります。

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