五首目 奥山に

 おはようございます。サザエ…五首目でございます。


・詠み人:猿丸太夫


・奥山に 紅葉ふみわけ 鳴く鹿の 声きくときぞ秋は悲しき


・訳:山の奥で散り敷かれた色とりどりの紅葉を踏み散らして、妻をしたい鳴く牡鹿の声。その声を聞くと只でさえ悲しい秋が ひとしお悲しく 身にしみて感じる。


 いいですよね。簡単で、平明素朴で。

 たぶん子供の頃に一回 聞いただけで暗記したんじゃないでしょうか?

 このちょっと言葉を変えれば誰にでも作れそうな感じがいいですよね。

 例えば、これは秋の歌ですから……次は冬で。


・枯れ野原 霜を踏みわけ 鳴く阿紫の 声きくときぞ 冬は貧しき


 和歌に季語は入りませんが、もしかしたら枯れ野原が秋をイメージさせるのに、冬が入って来ると気持ち悪がる人がいるかもしれません。


・草も絶へ 雪を踏みわけ 鳴く阿紫の 貧しき冬の 声は悲しき


 あ、いい感じじゃないですか?


 冬場に雪の中を、子狐たちのためにご飯を探してるんだけど、見つからなくて、クーンって鳴く狐の……、阿紫って狐のことなんだって。


 良いと思ったら、新聞にでも、投稿してみて下さい。なんか、そんなコーナーありませんでしたっけ?


 はい、で。詠み人の猿丸太夫さんについてなんですが、

謎なんですよ。


 そんな奴いなかったんじゃないか。って、とか。

柿本人麿の別名なんじゃないか。とか。弓削さんなんじゃ無いかとか。

 色々ありました。


 で、一応、高知にお墓があるらしいのですが、逸話自体は日本全国にあり、新潟、熊本、大阪、長野、福島、etcにあるそうですよ。


 人麿くん みたいな鬼を退治した。とか、そう言う逸話っぽい、逸話は出てきませんでしたね。ネットで撫でたくらいだと……


 ちなみに「猿丸」は社家の役職なのではないかと言う話ですね。

 えぇ、ですので、猿丸太夫さんは、個人では無く、複数の人の総称なのかと……

『ゴーン社長』ではなくて、『日産の社長』みたいな感じ?


 更に追記すると、社家の役職でもなくて、詠み人知らずの内の、「オッ!なんかコレ、イケてんな」 そんな歌は、じゃぁ、読んだのは、きっと猿丸さんだろ。って、感じで猿丸さんが生まれた。そんな説もあります。



 はい、それでは、いつものヤツ行きましょう。


「猿丸の太夫チャン」


 ニッペンのミコちゃん的な感じです。

歌が平明で、百人一首の基礎と言うか、敷居が低くて、尚且つ奥深い世界に導いてくれる。そんな感じが似ているなと……


 ニッペンのミコちゃん。どの世代まで通用するのか謎ですがね。


 それでは、おやすみなさい。



*歌については「学研:実用特選シリーズ 見ながら読む歌の宝典 百人一首」


を参考にしています。


人物については、ネットのサイト等での独自の調査になります。

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