絶対王者本物川めぐみvs鉄山靠のリュウホージュン

 聖本物川伝説と呼ばれる物語があった。あらゆる脅威を本物川と呼ばれた少女が退ける。そんな話である。

 伝説は実在した。かつて、リュウホージュンが修行していた最中、本物川の脅威を目撃した事がある。それを見た彼は足がすくんで動けなかった。彼が学んでいた八極拳道場は本物川によって跡形もなく滅ぼされた。


「お前に挑む。そのためだけに生きてきた。」

 リュウホージュンは珍しく口を開く。

「あら、そうなの…」

 本物川は興味無さそうに返答する。

 それ以降両者は言葉を交わさなかった。缶の中身を空にして向かい合う。決勝戦が始まった。


 開始と同時にリュウホージュンは最大の勁を本物川に撃ち込んだ。遠当てと呼ばれる技である。

 本物川は軽やかに舞いそれをかわす。しかし、射線上には空き缶があった。一直線に全てを破壊し突き進んだそれは、本物川の缶を弾けとばす。

 呆気ない幕切れだと思いリュウホージュンが振り返ると、己の空き缶もまた吹き飛ばされていた。

 遠当てを交わした本物川は手に納めていたビー玉を指で弾きリュウホージュンの空き缶を弾き飛ばしたのだ。


 本物川めぐみに勝利の軍配が上がった。

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缶けりワールドカップ あきかん @Gomibako

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