第15話 有給休暇
「・・・はぁ~・・・疲れた~!!」
「・・・スゥー・・・プッハァァ~!!・・・飛んで行っちゃいましたね!!」
マチマサが地面に寝転がり、スミレは、器用に片手でタバコに火を付けて、空を見上げながら、一服する
「方角的に・・・都の方かな?・・・これからどうします?マサキ隊長!」
「先ずは、この蝦蟇蛙盗賊団の頭、ジャクシを連行し牢獄する!」
マサキ隊長が気絶して倒れるジャクシの上に腰掛けながらスミレの質問に答える
「蝦蟇蛙盗賊団壊滅は、公表しなくても直に大陸全土に知れ渡り、悪党共のヒエラルキーが崩壊するだろうな・・・!!―――フゥゥーー!!」
「―――でしょうね!これで世界の均衡が保てなくなりますから・・・―――プッハァァ~!!」
スミレが吸っている1本のタバコをマサキ隊長と回し吸いする
「・・・でも、悪党のトップの地位を狙う跡目争いが多発するなら、勝手に潰し合いしてくれて良いじゃん?」
「―――バカ野郎が!・・・んなことになれば、悪党共が街や村を襲い、市民を巻き込んで暴れ回るに決まってんだろうが!!」
「・・・そんな・・・きつく言わなくても・・・」
「・・・ニヤニヤ!!」
マサキ隊長に怒られ、不貞腐れているマチマサを見て、スミレがニヤニヤする
「蝦蟇蛙盗賊団の影に隠れ、悪事を働いてた強い猛者達が表舞台に姿を現し、混沌な時代へと突入するだろう・・・!!」
「「・・・・・・」」
マサキ隊長の発言で場の空気が張り詰める
「・・・俺は、あの野郎を討伐しに都へ向かう!」
「「・・・えっ!?」」
スミレとマチマサが驚きの声を上げる
「これからの任務は、今よりも過酷な旅となる!お前らは、良くやった!!有給でも取ってゆっくり休んでな!!」
マサキ隊長が2人を労い、ジャクシを引き摺りながら一人去って行く
「・・・だってさ!マチマサ、臨時休暇どうする?」
「そんなのゲーム三昧に決まりだよ!」
「つまんね~休日だね?」
マチマサの予定を聞いたスミレが呆れる
「・・・むっ!・・・そういうスミレは、どうなんだよ!!」
「全国喫煙所巡り!!」
「―――そっちの方がめちゃくちゃ、つまんないよ!!」
・・・・・・
「「―――アッハハハーー!!」」
スミレとマチマサが思わず笑ってしまう
「・・・―――って何で着いて来るんだ?お前ら!?」
休暇を言い渡されたスミレとマチマサが急に着いて来てマサキ隊長が驚く
「勘違いしないで下さいよ!別にマサキ隊長に着いて行くんじゃなくて・・・タバコを切らしたから都へ買いに行くだけなんだからね・・・!!」
「・・・別に休暇中、何処へ行こうが僕らの自由でしょ?」
休暇を貰っても休むことが出来ない2人は、マサキ隊長と一緒に歩き始める
「・・・ヘヘッ!・・・そうかい!!・・・なら目的地は、同じだし、一緒に行くか?」
「「―――はいっ!!」」
チェン追跡の為に武装警羅隊は、都へ向けて出発する
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