第18話 聖女様に聞いてみた。
『戻って来たら、我の爪で斬り刻んでやる!!』
人気の無い山奥で豊富な食料を大量に持ち帰って来る聖女様の動向を怪しんだ
「
・・・た、確かに
―――だけど!
それなら3日以上、看病をしてくれた理由がわからない!!
俺らを油断させる為に聖女様の変装をした野盗?
それとも、俺らを捕まえに来た武装警羅隊?
―――やはり!
正真正銘、本物の聖女様というのが濃厚だと思う!!
俺は、こんなに優しくしてくれた聖女様と闘いたくない!
何としてでも聖女様が本物だということを証明してみせる!!
「チェン、ワタシも協力するヨ!一緒にシスターの疑惑を晴らすネ!!」
「・・・・・・簡辛!!」
これは、心強い!
簡辛は、俺より聖女様と一緒にいる時間が長かったから何か気付いたことがあるかもしれない!!
「何か聖女様と話してて変に思った事とかあるか?」
「・・・う~ん・・・ないネ!シスターの話は、どれも立派なモノばかりヨ!!」
・・・あ~やっぱり!
簡辛も俺と同じ印象か・・・
「風邪で倒れた子供を三日三晩、祈りを捧げて治したり!」
―――おぉぉ~!!
「海が荒れて船が出せない漁師の為に10日間、祈りを捧げて波を穏やかにさせたり!!」
・・・・・・んん?
「1年以上、雨が降らない土地で3ヶ月以上、祈りを捧げて雨を降らしたりと・・・」
『―――何もしてないだろ!やはり、ただのペテン師だ!!』
「“ぺ”は、余計ヨ!天使ネ!天使!!天使様ヨ!!」
―――オイオイオイオイ・・・!!
簡辛、このタイミングで聖女様が不利になる発言すんじゃねーよ!
簡辛と
「―――すみません、大変お待たせしました。」
聖女様が袋いっぱいに食べ物を抱えて、戻って来た
「「・・・・・・っ!!」」
突然の帰宅に、まだ何も話が纏まってない上に、心の準備も出来ていない簡辛とチェンがお前が先に言えっとアイコンタクトで指示を出し合う
・・・マ、マズイ!
マジで何もしない内に聖女様が戻って来た!!
この第一声は、重要だ!
最初の一言次第で疑われていると気付かれてしまう!!
・・・こ、ここは、慎重に!
言葉を選ばないと・・・!!
・・・・・・
『処女!貴様・・・―――ヤリマンだな!!』
「「―――なっ!!?」」
沈黙の空気の中、再び
「・・・ヤ、ヤリ・・・マ・・・ン?」
戸惑いながら聖女様が首を傾げる
「下品龍は、黙ってるネ!ワタシが聞くから・・・!!」
「―――あっちゃぁぁーー!!・・・って簡辛!どこに何置いてんだよ!?」
「すみません、頂いた物は、ヤリマンでは、なく!ブタマンなのです。口に合わないですよね?」
「ゴメン、ゴメン!シスターは、そんなの気にする事じゃないネ!!」
肩を落とし落ち込むシスターを簡辛が慰める
「それよりシスター!ワタシ達は、
「・・・
聖女様が申し訳なさそうに頭を下げる
今の聖女様の態度からは、人を騙そうという邪な気は、一切感じなかった!
やっぱり聖女様は、隠し事なんてしてないんじゃないか?
・・・けど
一応、念の為に聞き方を少し変えてみるか?
「今まで出会った人の中で規格外に強い武闘家や人間離れした達人などは、いましたか?」
こう聞いたら、聖女様の周りに
「それでしたら1人、知り合いに心当たりがあります。」
・・・・・・えっ!?
「・・・ど、どんな奴?」
「わたくし、武の心得えは、全く存じ上げませんが・・・周りの人が言うには、1000年に1人の天才だそうです。」
・・・せ、1000年に1人の天才!?
『大層な肩書きだな・・・!!』
背中の上に置かれたヤカンの中身を飲み干した
「名は、カンナと申しまして、どんな武術や拳法も一度、見れば覚えられ、手解きを受ければ完璧にマスター出来る天才武闘家です。」
俺も多少、武の心得えは、あるが一度、見ただけで武術や拳法を覚えられる武闘家なんて見たことも聞いたこともないぞ!
もし聖女様の話が本当なら、その武闘家は、
『・・・・・・そいつは、何処にいる?』
「カンナに会いたいのでしたら都へ向かえば宜しいかと・・・」
「・・・み、都!?そこで護衛でもしてるアルか?」
「―――いえ、近日中に都で武術の大会が開催されます。カンナは、その大会へ出場するでしょう!」
ここまで素直に仲間?知り合いの情報を話すということは、聖女様は、白!
100%純潔の正真正銘、完全なる聖女様だ!!
「―――なら、ワタシらも都へ行き!武術大会に出場して、その天才に
『出発は、明日の朝に決まりだ!!』
・・・オイ!
何、勝手に決めてんだよ!!
都へ行くのは、賛成だが・・・
武術大会に出場するのは、反対だ!!
何で俺がそんな理由の為に大会に出場して怖い思いをしなければならないんだ!絶対に、嫌だね!!
「チェン、良かったネ!これでワタシの料理代、払えるヨ!!」
―――あれ、
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