81~90 世界中で、本の出版が禁止されたら、どうしますか?

081. 本を捨てることに抵抗がありますか?

▼捨てることへの抵抗はとうぜん大いにあります。たいていは引っ越しを機に古本として売りに出すというのが自分のなかでの「捨てる」という感覚ですが、絵本であれば身の回りのお子さんがいる家庭に譲るとか、新しいものであれば図書館に寄贈するなど、そういった機会を増やしたいなと思っています。最もいい方法は捨てる本が発生しない状況や環境を努力して整えることだと思っています。自分が億万長者だったら書斎兼私立図書館くらいは建てたいです。


082. これだけは許せない、そういう本の扱い方はありますか?

▼オシャレなインテリア目的で置かれている読まれもしない外国語の書籍など見ると「君たちに手足が付いていたらここから抜け出せるのに」などと思ったりします。積ん読している自分もよくよく自戒します。


083.“活字離れ”について、どう思いますか?

▼「活字(活版印刷に使う凸型の字型)」という言葉自体がインターネット隆盛下で現代の言語を取り巻く環境的には死語に近いので、たんに技術の発展で「活字(活版印刷に使う凸型の字型)」が不必要になりつつあるだけなのではないかと思います。またいわゆる「若者の活字離れ」のような用法で登場する「活字離れ」に関しては正直なところ自分には判断がつかないのでなんともいえません。ただ、カクヨムや小説家になろう、Twitter、note、キュレーションサイトの記事などの読みやすさを重視した歯切れのよい短い文章ではなく、社会派小説、SF小説、新書、新聞などの、ひとつのテーマの深掘りを重視した長い文章を読む機会が少ない、という意味であるならたしかに「活字離れ」なのかもしれません。出版不況と叫ばれる昨今、もし少しでも危機感がある方はこの画面をいますぐ閉じて書店に駆け出してください。


084. 本を読まない人のことを、どう思いますか?

▼「本の話題は出せないなあ」と思うだけです。最近は映像化されている作品も多いので、映画やアニメが好きな人なら「じつは原作はこういう展開だったんだよね」という話の振り方はできると思います。


085. とりあえず、本を持っていないと落ち着かない。そんな癖がありますか?

▼外出用のバッグのなかには常に1冊以上の本を忍ばせてあります。主に持ち運びのしやすい文庫本や新書です。


086. 世界中で、本の出版が禁止されたら、どうしますか?

▼かつてソ連では出版物や映像作品に対して世界的にも厳しく、かつ不条理な検閲制度があり、「地下出版(サミズダート)」と呼ばれる流通ルートで発禁書(ナボコフ、ソルジェニーツィン、ブルガーコフなどの作品)が取引されていたようですが、自分もそんな感じで見つかれば罪になるとわかっていても密かに本を楽しもうとします。その前に、そんな世界にならないようになんらかの行動は自分の態度として示します。その一環として本を買って読んだり、こうして自分でも書いているということだと思います。


087. 青空文庫を利用したことがありますか?

▼現時点でかなり利用しています。有名作品がパブリックドメインになっていることはもとより、もう絶版になっていて簡単に手に入らないような作品も読めるのでかなり助かっています。


088. 電子図書館についてどう思いますか?

▼恥ずかしながらここで初めて聞いて調べてみましたが、図書館所蔵の電子書籍を借りられるサービスのようです。近年のコロナ禍などで人が集まる場所を避けなければならなかったり、そもそも図書館が遠くて足が向きづらかったり、といった図書館が抱えるさまざまな問題を考えればとてもよい取り組みだと思います。自分と同様「初めて聞いた」という方にもわかりやすいように、以下に特集記事のURLを貼っておきます。(記事タイトルの表現がちょっと気になりますが内容はしっかりしています)


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コロナ禍で急増の電子図書館 究極のサブスクになり得るか?|NHK

https://www.nhk.or.jp/shutoken/wr/20210220.html

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これと話は変わりますが、古代に実在した世界三大図書館をモチーフにした「アレクサンドリア」「ベルガモ」「ケルスス」というVR図書館を舞台にしたSF作品を考えたことがありますが、自分の頭ではうまく物語を膨らませることができませんでした。どなたかこの設定を面白くできる方はご自由にご活用ください。なお、自分の頭では「紙魚(シルバーフィッシュ)」と呼ばれる地球外マルウェアによって図書館が襲われたり、貯蔵されているデータが狙われる話しか思いつきませんでした。


089. 将来的に、本という存在は無くなると思いますか?

▼壁面、石版、粘土板、羊皮紙、竹簡、木簡、巻物などなど、「なにかを記述する」媒体は古来よりさまざまなものが編み出されては衰退してきました。本もそのひとつであることは間違いありませんし、それゆえ前述した媒体と同じく次第に衰退しだれも扱わなくなるのかもしれません。しかし、だからといって存在が無くなることはないともいえます。記述されたものを数十年、あるいは数百年も長期保存するのに電子よりも現物が優勢の状況は今後もしばらく逆転することはないでしょう。もしなんらかの現象を契機として状況が逆転し、本が衰退しても、歴史的価値を帯びた書物は個人の所有する本棚のなかや図書館や博物館に貯蔵され続けます。


090. 本が無くても生きていけると思いますか?

▼本が無くても人はあらゆる意味で生きていけますが、本、おしなべて記述されたものが無くなるということは、人類が半身を失うことと同じだと思います。

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