第5話 突然の

バイトと家との往復以外なにもない世界。

この男は気にもしておらず。

妹「なんでコイツのと一緒に〜!!」

母「だって〜、あなたが自分で洗わなかったからー。」

妹「だったら避けといてよ〜。」

母「洗剤入ってるから大丈夫よ。」

俺「まぁ、穏やかに、2人とも。」

妹「お前の洗濯物のせいだっ!」

母「それはそうねー。」

俺「なにゆえ!」

母「あなたもこれからは自分の洗濯物は自分で洗いなさい。」

妹「そーよ。そうしてればこんな大惨事にならなくてよかったのにぃー。」

母「それもそうね。来週からうちも住人が増える事だし。」

妹「え〜っ!?」

俺「なっ、なっ、なっ!」

妹「聞いてな〜い!」

母「言ってなーい。」

妹「真似とかいいし。」

妹「でっ、詳細は?」

俺「性別は?もしや…?」

母「私の友達の子よ。」

妹「預かる経緯は?」

母「友達夫婦が2人で商売やってて、3年間遠方に行くことになったの。」

俺「何故に子供を捨てて。」

母「あのねー。捨ててないの!預かるの。」

妹「なんで?」

母「高校三年生なの。その子。来年には大学だし、こっちの大学に行きたいらしくて。一年くらいだしって事でうちにで預かるの。」

妹「って事は私より年下ね。」

母「大学に入ったら学校近くで一人暮らしするみたい。」

妹「じゃあホント一年だ。」

妹「男?」

俺「娘さんか?」

母「………。」

妹「イケメン!?」

俺「美人さんかい!」

母「………。」

妹「ねっ、ねっ、だれ似?」

俺「母よ、聞いているのかね。」

母「知らない…。」

妹「え〜!!!」

母「久しぶりで話盛り上がってー。来る日聞いてー、でねっ、生活費とかで月に5万もくれるのよ〜!」

妹「でっ。」

俺「それで。」

母「それだけよ。」

妹「諭吉がリアルにチラついたからそれしか聞いてないと。」

母「そっ、そんな事ないわよー。お金じゃないのよ!こういう事は!」

妹「じゃあ月に五千円なら預かる?」

母「あっ、預かるわよっ!…多分。」

妹「本音がチラついたなっ!」

俺「時に母よ。部屋はどうなる?」

妹「うち1人一部屋使ってるじゃない?母の部屋あげるのぉ?」

母「まさか。私物多いし。」

妹「私も多いし!」

母「ジーッ。」

妹「ジー。」

俺「なっ、なっ、なんだねっ。」

妹「決まりね。」

母「一応その予定だったし。」

俺「まっ、まっ、まさかっ!?」

母「はいっ、あなたの部屋はあそこ!」

俺「あ、あ、あれはウォークインクローゼットという収納では?」

母「広いわよー。照明もコンセントもあるし。丁度いいと思うわ〜。」

妹「キモ兄うらやましい〜。」

俺「譲るぞ!いつでも!」

妹「ばっ、ばかっ!冗談だしっ。」

俺「その冗談みたいなとこに住めと?」

母「そうよ〜。」

俺「いつから?」

母「土曜には空にしてねー。」

俺「あ、明日?」

母「日曜日に来るのよ。」

妹「マジ急すぎ〜。」


急な話で。

慌てて部屋を空ける人。

キッチンやリビングを片付ける人。

なにもしない人。

それぞれの想いがあり。


そして…日曜日。


ピンポーン


「こんにちはー。」


母「あっ、はーい。」

妹「キモ兄、見に行かないの?」

俺「ここから見えるし。」

妹「あ、確かに。」

俺「おいおい狭い。」

妹「見えないよ〜。」

母「ようこそ!」

妹「あっ!女だ!」

俺「な、なぬ!?」

母「これ!2人ともこっちきて挨拶したらどうなの?」

妹「こんにちはー。」

俺「どーもっす!」

ママ友「こんにちは。」

母「先に荷物入れましょうか。」

ママ友「お願いします。」

俺「こ、高校三年生なんですか?」

ママ友「ええ。よろしくね。」

ママ友「じゃあ、車から荷物下ろしてくるわね。」

俺「時に母よ。」

母「なっ、なによ?」

俺「ほ、本当に高校三年生か?あれで?」

母「は〜?」

俺「少し大人っぽすぎないか?」

母「あんた、大丈夫?」

俺「いや、申し訳ない。人は見た目じゃ…」

母「あの人は私の友達。」

俺「どーりで…」

母「本気で間違った?それともシャレ?」

妹「本気に決まってるじゃん。」

ママ友「荷物ここに置いていいかしら?」

母「後はこっちで運ぶわ。」

友娘「はじめまして。今日からお世話になります。よろしくお願いします。」

妹「よろしくねー。」

母「自分の家だと思ってねー。」

友娘「はい。」

ママ友「本当によろしくお願いします。」

母「なになにー、よそよそしい。」

ママ友「来て早々だけど、フェリーの時間があるので行きますね。」

母「気をつけてね。今度ゆっくり来てね。」

ママ友「そうするわ。じゃあよろしくお願いします。」

友娘「じゃあ気をつけてねー。」

俺「うっす。」

妹「じゃあ、部屋案内するねー。」

友娘「はーい。」

妹「歳近いし仲良くしよーね!」

友娘「はい!」

妹「ってか、ほぼ同い年。」

俺「嘘つけ!2歳差。」


ボカッ


俺「ぼ、暴力反対!」

妹「痛いって事はちゃんと神経が通ってるってことね。よかったじゃない?」

友娘「仲良いいんですね!」

妹「コイツ、キモ兄だから気をつけて。」

友娘「お兄さん!よろしくお願いします!」

俺「お兄さん…、いい響きだ〜。」

妹「私は〜!?」

友娘「お姉ちゃん!」

妹「いい響き〜。お姉さん、じゃなくお姉ちゃんってのがまたいい!」

俺「俺は何故お兄さん?」

友娘「なんとなく!お兄ちゃんの方がいいですかー?」

妹「コイツはなんでもいいの!」

妹「部屋行こー!」

友娘「は、はいっ!」

母「あなたは荷物運ぶのよ!」

俺「ラジャ!」

俺「せっかく先日空にしたのに、今度は搬入ですかー。」

母「そうよ。」

俺「なんか行ったり来たりですなぁ。」

母「いいえ。あなたの物は行ったきりよ。」

俺「な、なるほど〜。」

妹「ちゃんときれーに掃除してあるから!」

俺「綺麗をやたら強調してるなー。」

妹「えっ!? な・に・か?」

俺「い、いいえ。べ、別に。」

友娘「ありがとうございます!」

母「片付け終わったら歓迎会ねっ!」

友娘「え〜!うれしーい。」

妹「ピザ!」

俺「寿司でやんすっ!」

妹「で・やんすって…」

母「ぶーっ!どっちも外れ〜。」


なんやかんやで友娘登場。

4人の微妙な生活がはじまるのだった。


第6話へ続く






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