12月20日

 どっちから誘ったんだろう?気が付いたら、シティホテルの一室にいた。


 居酒屋の支払いはちゃんとしただろうか?…それは後日マスターに聞けばわかる。外に出たら寒かったのも何となく憶えてる。それからタクシーに乗った…。記憶はぼんやりだが、今いるのはホテルの室内。男性とふたりきり。


 山下君はワイシャツ姿でネクタイに手をかけながら外を眺めている。

「天崎さん、ほら、東京タワーが見えますよ」

 無邪気な顔して夜景を楽しんでいるようだ。たしかに可愛い顔している。アラサー女子が今後こんに可愛い男子と一夜を共にすることができるだろうか?何歳年下なんだろう?…7歳⁉これは犯罪にはならないのだろうか?


「ほら!」と外を指さしている山下君の隣に並ぶと、いきなり抱きしめられキスされた。入り込んでくる舌に無意識に応じる。


「天崎さん、お酒臭いよ」

 少し恥ずかしそうにはにかむ青年の表情に、心の奥がギュっと締め付けられた。

「あなただってお酒臭いわ」

「じゃぁ、一緒だ」そう言って彼はまた唇を重ねた。


 

 ベルトに手をかけ、股間を弄った。顔に似合わない大きな膨らみの感触に、私は興奮しているのかもしれない。きっと久しぶりのセックスに欲情している。


「天崎さん…ベッドで」優雅にベッドに誘われ、ふたりで横になった。

 私の盛り上がった欲情が空回りしたようで恥ずかしくなったが、彼がすぐに重なり愛撫してきた。それはこれまでの激しいものとは違い、とても優美で心地よく…そして官能的だった。


 ウェーブした栗毛に触れ、額の汗をぬぐってあげた。「涼子って呼んで」と頼むと彼が奥まで入り込んできた。腰の動きが出し入れを繰り返す度に、痺れるような快感と絶頂を何度も迎えた…。


 もうきっと時間も深夜をとっくに過ぎている。私の喘ぎ声が廊下に響いているかもしれない…。でも、そんなことお構いなしに、今この快感をただ堪能した…。

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